野楽力研究所

近くの自然で野楽力を高めましょう

八王子市長池公園・・・令和3年2月10日

 日中の陽気は少し暖かさが増し、外の空気を吸いたくなって、自然の中に行きました。柵で囲まれた植物公園は開放されていませんが、自然のままの公園は開放されています。ここ長池公園は自然のままですから、雑木林と刈り残されたアズマネザサばかりです。シダの種類も数も少ないです。今日の様子です。

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(↑上の写真)梅園にて

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(↑上の写真)左=フクジュソウ、中=シロダモ、右=ナキリスゲ

 ナキリスゲ(菜切菅)はカヤツリグサ科スゲ属。本州以南の道端や林下に生える多年草。地上に緑の葉の少ない今の時期に緑の葉が細長く伸び、大きな株を作っているので目立ちます。株の中心部に枯れ葉が抱かれている感じで積もっています。葉を両手にもって片方の手の指で葉の表面を扱いてみると特に葉の縁でざらつきます。葉の縁に細かい鋸歯がついているからでルーペで見るとその様子がよく判ります。糸鋸のようでこれなら菜っ葉も切れるかな、と思われます。秋に花を咲かせ実をつけるので、この時季でも実の様子が観察できます。

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(↑上の写真)左=ベニシダ、中=ヤブソテツ、右=リョウメンシダ

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(↑上の写真)左=野鳥が観察できる築池、中と右=園路の様子

 

 

 

都立平山城址公園・・・令和3年2月1日

 この時季に特別なことはありませんが、冬の日差しを浴び、清新な空気を胸いっぱいに吸って、気分を爽快にすることができました。数年前開園した東園は園路がすっかり整備され、散策しやすくなりました。今日の様子です。

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(↑上の写真)左=上皇結婚記念碑、中と右=マユミ

 上皇陛下が皇太子時代のご結婚祝賀石碑(昭和34年4月10日)昭和天皇がアケボノスギと名づけて愛したメタセコイアが石碑の左側に植樹されています。「わが国のたちなほり来し年々に あけぼのすぎの木はのびにけり」昭和62年の昭和天皇の御製です。三木茂博士が化石から新種を発見し、学名メタセコイアと名づけたのが昭和16年のことでした。和名アケボノスギ(曙杉)は、英名 (dawn redwood)を訳したものだそうです。斎藤清明著「メタセコイア中公新書によると、ハーバード大学樹木園長のメリル教授からハーバード大学へも留学し、昭和天皇の生物学研究の相談相手でもあった原寛へ種子が贈られ、小石川植物園で我が国第一号として育てられている、ということです。それで昭和天皇メタセコイア=アケボノスギ(曙杉)のことを知っていたのですね。

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(↑上の写真)左=カラタチバナ(百両)、中=カンアオイ、右=東園園路

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(↑上の写真)左=西園の園路、中=ノキシノブ、右=ノキシノブ葉裏の胞子嚢群(ソーラス)

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(↑上の写真)左=ベニシダ、中=ベニシダの葉裏のソーラス、右=ベニシダ特徴の小羽片

 

 

 

神奈川県立東高根森林公園・・・令和3年1月26日

 東高根森林公園に春の兆しを感じながら自然観察しました。今日の様子です。

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(↑上の写真)左=園内谷戸筋の水辺(中央右の小さい木=ロウバイ)、中と右=ロウバイ

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(↑上の写真)左と中=フクジュソウ、右=ニホンスイセン

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(↑上の写真)左=カルガモが休憩する水辺、中=ヒメリュウキンカ、右=ヤマアイ(蕾をつけ始め)

 ヒメリュウキンカ(姫立金花)は、キンポウゲ科キクザキリュウキンカ属で帰化植物多年草。「日本日本帰化植物写真図鑑」によれば、「ヨーロッパ原産。非常に多型で、多くの種内変異が」がある。「在来種のリュウキンカによく似ているが、本種はダリアの球根を思わせる肥大した地下部を持って」いるとのこと。Web:「ガーデニングの図鑑」によると「分布域は、北アフリカからヨーロッパ全土、トルコ~ロシア東部に至り、牧草地や草原、道路脇、森林地帯など広範囲に自生しています。強健な性質と美しい花を持つことから」世界に分布を広げていて「北アメリカでは広い地域で逸出したものが野生化しており、侵略的外来種として幾つかの州での栽培が禁止されています。」とのことです。リュウキンカとつくので、水辺が好みかと思いがちですが、ヒメリュウキンカは森林地帯にも自生しているので日本でも雑木林の中に見つけることもあり、丘の上で咲いていることもあります。

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(↑上の写真)左と中=紅梅、右=ヒイラギナンテン(春を待つ蕾)

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(↑上の写真)左と中=フモトシダ、右=リョウメンシダ

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(↑上の写真)左=イノモトソウ、中=オオバノイノモトソウ、右=イノデ

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(↑上の写真)左=ホシダ、中=ヤブソテツ、右=ナガバヤブソテツ 

 ヤブソテツ(藪蘇鉄)はオシダ科ヤブソテツ属。日本各地の林下や路傍に生える常緑性シダ。葉の形は違いますが、ソテツのような葉(羽片)の付き方をし、藪に生えているのでヤブソテツと名づけられたそうです。羽片の基部が円みを帯びているものをヤブソテツとし、上の写真のように羽片基部上側に耳垂(耳片、耳状突起、耳たぶのようなもの)が出ているものをヤマヤブソテツとして分けていましたが、「桶川修 文「くらべてわかるシダ」(令和2年4月発行)によれば、ヤブソテツの項に「従来ヤマヤブソテツと呼ばれていた型を含む」とされていますので、本HPでもこれからは、ヤブソテツとヤマヤブソテツは、ヤブソテツに統一することにしました。

さいたま緑の森博物館・・・令和3年1月22日

 今回は里山満喫コース(1時間30分)をゆっくり、フィトンチッドを浴びながら自然観察です。案内所は閉鎖中。そこから狭山丘陵を一つ越えて西久保湿地といわれる平坦な場所とそれに続く畑地の散策です。畑地では春の兆しを感じることができました。今日の自然の様子です。

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(↑上の写真)左=案内所、中=トンボ池、右=西久保湿地

 案内所は2月7日まで閉鎖中。トンボ池は昭和25年まで田んぼだった谷戸でしたが、現在はヨシに覆われ、僅かに残る水面は凍っていました。西久保湿地には、道祖神ということでしょうか、上手に彫られた木像が心を和ませてくれます。

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(↑上の写真)左=ナズナ、中=ホトケノザ、右=オオイヌノフグリ

 西久保湿地を過ぎて暫くすると明るい畑地に出ます。畔には春が訪れていました。ナズナ(薺)はアブラナ科ナズナ属。室町時代春の七草として、セリ、ナズナ……の二番目に詠まれているので、日本在来の植物のようにも思いますが、世界の温帯、暖帯に分布しているそうで、日本にはムギと一緒に入ってきた史前帰化植物だそうです。遠藤周作著「深い河」にこの花が出てきます。(修道僧になれず南仏の修練院で修行中の大津が美津子へあてた手紙になかなか修道僧になれない理由として)「いくら明晰で論理的でも、このヨーロッパの基督教のなかには生命の中に序列があります。『よく見ればなずな花咲く垣根かな』は、ここの人たちには遂に理解できないでしょう。もちろん時にはなずなの花を咲かせる命と人間の命とを同一視する口ぶりをしますが、決してその二つを同じとは思っていないのです。」と、西洋人の自然に対する態度、生命観の違いを述べています。大津はいつも民衆の苦しみをキリストの如く背負おうとしていました。遠藤周作の悩みであったかもしれません。(深い河:ガンジス河)

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(↑上の写真)コースの中で出会った 左=アオキ、中=オモト、右=カラスウリ

 オモト(万年青)はキジカクシ科オモト属。APG牧野植物図鑑によると「本州東海道以西、四国、九州、および中国の暖帯に分布。昔から観葉植物として愛用され園芸品種も生い多年草。花は春から初夏。液果は赤熟するが稀に黄色のものもある」という。松田修著「花の文化史」によると「オモトの名は、九州豊後の宇佐八幡に近い、御許山(おもとやま)から産したものが最も上等なので、これからその名が起こったと記している古書もあるが、これは、大本(おおもと)の意味で、粗大な株を表したものというのが定説」といいます。漢名は万年青で、庶民の間では、これを庭に植栽しておくと万年、青々と家門が繁栄するという縁起のいい植物といわれます。本当に一年中、冬の厳しい寒さの中でも葉を青々と茂らせ、赤い実をつけてくれます。一家繁栄の兆しです。

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(↑上の写真)コースで出会った若芽 左=ヒメオドリコソウ、中=セントウソウ、右=ムラサキケマン

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(↑上の写真)左=オオバノイノモトシ、中=クマワラビ、右=トラノオシダの栄養葉

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(↑上の写真)どれもベニシダ 左=若葉、中=胞子嚢が裏についている葉、右=胞子嚢の様子

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(↑上の写真)風景 左=山道、中=狭山丘陵の眺め、右=西久保湿地の眺め

 

浄慶寺・・・令和3年1月20日

 浄慶寺は川崎市麻生区小田急柿生駅から徒歩8分にあるお寺です。楽しい羅漢さんが迎えてくれる、ひととき、ゆったりした気持ちになれる場所です。毎年新しい羅漢像が加わりますが、今年はマスクをした羅漢さんでした。紅梅が綻び、蝋梅も消え入りそうに咲いていました。大寒の今日の様子です。

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(↑上の写真)左=浄慶寺本堂、中と右=紅梅

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(↑上の写真)左=満月蝋梅、中=千両、右=万両

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(↑上の写真)左=境内の丘陵、中=ニホンスイセン、右=オオハナワラビ

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(↑上の写真)左=カタヒバ、中=シケシダ、右=トラノオシダ

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(↑上の写真)左=羅漢像のある境内、中=絵筆をふるう羅漢、右=パソコンを睨む羅漢

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(↑上の写真)左=大笑いの羅漢、中=囲碁対決の羅漢、右=腕相撲に興ずる羅漢

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(↑上の写真)左=今年参加のマスクの羅漢、中=お団子を愉しむ羅漢、右=ケーキを手前に珈琲を喫する羅漢

 

航空公園ロウバイ園・・・令和3年1月13日

 日本で飛行機が飛び立った最初の地、ということでここ所沢に航空公園がつくられました。西武線航空公園駅東口下車徒歩7分。航空公園は底が抜けたような青空が広がっていました。ロウバイ園には、ソシンロウバイとマンゲツロウバイが植栽されています。まだ1~2分咲きで蕾の方が多いです。これからが楽しみです。今日の様子です。

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(↑上の写真)左=航空公園遠景、中=ロウバイ園、右=ソシンロウバイ

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(↑上の写真)どれもソシンロウバイ

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(↑上の写真)どれもマンゲツロウバイ

都立小宮公園(八王子市)・・・令和3年1月8日

 小宮公園にはソシンロウバイが40株ほど植栽されています。そのうち6株ほどが開花しています。今日の様子です。(家を出てから帰るまで他人と完全無接触、無会話を守りました。)

             <写真をクリックすると拡大されます>

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(↑上の写真)いずれもソシンロウバイ

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(↑上の写真)いずれもソシンロウバイ

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(↑上の写真)いずれもソシンロウバイの 左=開花直前の蕾、中=実、右=木肌

 ロウバイの実は花からは想像できない大きな黒い実です。中には種子のまとまりがゴキブリの卵のような形のものが並んで入っています。(写真は時季はずれで実が枯れています。)

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(↑上の写真)左=冬空に映えるユーカリの白い木肌、中と右=園内風景

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(↑上の写真)左=オオハナワラビ、中=オオハナワラビの鋸歯のある葉、右=リョウメンシダ

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(↑上の写真)左=ベニシダ、中=ベニシダの胞子嚢(ソーラス)、右=ヤブソテツ