野楽力研究所

近くの自然で野楽力を高めましょう

昭和記念公園・・・令和4年9月26日

 今日は全国的に久しぶりに天気が良いというので訪れました。原っぱのお花畑ではコスモスをはじめ各種園芸植物が一面に咲いていました。満開を1週間ほど前に過ぎ、あと数日という感じでした。こもれびの丘ではヤマジノホトトギス、カルガネソウが、これも満開を少し過ぎた感じでした。今日の様子です。

(↑上の写真)左=立川入口の噴水、中=原っぱ、右=原っぱ東お花畑

【↓お花畑にて】

(↑上の写真)=コスモス各種

(↑上の写真)=キバナコスモス各種、特に右=イエローガーデン

(↑上の写真)=百日草(最近はジニアというそうで、ここではジニアと紹介されていました。)各種

(↑上の写真)=センニチコウ各種

 センニチコウ(千日紅)はヒユ科センニチコウ属。別名は千日草。ウィキペディアによると「アジア・アフリカ・オーストラリアの熱帯地方と、アメリカ合衆国南部から南米にかけて100種近く分布している」という。APG牧野植物図鑑スタンダード版には「熱帯アメリカ原産の1年草。古く日本に渡ってきた園芸用の草花」とあります。球形の花は2枚の小苞に包まれた多数の小花からできていて、2枚の小苞からは雄しべが飛び出ています。センニチコウは千日香かと思いましたが、千日紅ということです。百日どころか千日も花の色が保つということからきているようです。ドライフラワーには適していて、Web:Kurareoによると江戸時代から仏花として利用されていたということです。最近の園芸品種ではなく長い歴史のある品種だったんですね。

(↑上の写真)左=ニチニチソウ、中=ペチュニア、右=ケイトウ

(↑上の写真)左=お花畑、中=蝶・アカボシゴマダラ、右=蝶・アオスジアゲハ

【↓お花畑以外とこもれびの丘にて】

(↑上の写真)左=マユミ、中=ガマズミ、右=サンザシ

 サンザシ(山査子)はバラ科サンザシ属。APG牧野植物図鑑スタンダード版やWebなどによると、「中国原産で、薬用木として享保19年(1734)に朝鮮半島から渡来した落葉低木。高さ1~2m。よく分枝し小枝の変化した刺がある。春にバラのような花が咲き、秋に写真のように赤色または黄色に熟した果実をつける。果実の先に飛び出た萼を残す。子房下位なので 萼の下の部分が実になる。漢方で果実は消化を助ける作用がある」という。川口謙二著「花と民俗」によると「山査子の実は魚を煮る時、数粒入れると魚骨がやわらかくになり味を増す。焼干しの小魚の煮漬しや、甘露煮にする場合は絶対と言えよう」ということです。

(↑上の写真)左=オトコヨウゾメ、中=ゴンズイ、右=ネズミモチ(未熟)

(↑上の写真)左=里山民家(北側から)、中=里山民家(南側から、手前はソバ畑)、右=ソバの花

(↑上の写真)左=ヒガンバナ、中=ユウガギク、右=カリガネソウ

(↑上の写真)左=シモバシラ、中=ゲンノショウコ、右=カンナ

(↑上の写真)左と中=ヤマジノホトトギス、右=(参考写真)ヤマホトトギス

 ヤマジノホトトギス(山路杜鵑草)はユリ科ホトトギス属。APG牧野植物図鑑スタンダード版によると「北海道から九州の山地に生える多年草、茎は普通単一で分枝せず、葉は緑色、花は1~3花葉腋に集って咲き、花びらは白色で紫の点があり、平開する」(一部翻案)という。花びらが平開するところが、平開以上に反曲して花弁の先がやや持ち上がるヤマホトトギスと異なります。両者の判別点です。

(↑上の写真)左=ミズヒキ、中=ギンミズヒキ、右=イヌタデ(アカノマンマ)

神奈川県立東高根森林公園・・・令和4年9月21日

 この公園は川崎市宮前区にあります。11、6haの広さと起伏があり、散策には丁度よい広さです。秋が近づいてきたことを萩(ここではヤマハギ)の花が知らせてくれています。果実ができ始めています。まだ色づいていないものが多く、目立ちませんが、葉陰などにひっそり実らせています。今日の様子です。

(↑上の写真)左=パークセンター、中=ツリフネソウ、右=キツリフネ

 ツリフネソウ(釣船草)・キツリフネ(黄釣船)ともにツリフネソウ科ツリフネソウ属。APG牧野植物図鑑スタンダード版によると「ツリフネソウ、キツリフネともに東アジア、ヨーロッパ、北アメリカ西部に広く分布、日本では各地の山地の湿地や水辺に生える1年草。和名は、花が帆掛け船を釣り下げたように見えるから」とあります。なお、庭に植えるには水が多量に必要なので、工夫が必要です。キツリフネは花が咲く前に閉鎖花ができ、種子が飛び散りますので芽生えはたくさんできますが、水分不足で、花は咲かずじまいで終わることが多いです。

(↑上の写真)左=ヤマハギ(赤花)、中=ヤマハギ(白花)、右=ヤマホトトギス

 ヤマホトトギス(山杜鵑草)はユリ科ホトトギス属。APG牧野植物図鑑スタンダード版によると「中部地方以西の山地や丘陵の林内に生える多年草」とありますが、ウィキペディアによると「北海道南西部、本州(岩手県以南)、四国、九州に分布し、山地の林下に生育する。世界では、朝鮮半島に分布する」とあります。花弁(花びら)は6枚あり、3枚は幅広く、3枚は幅が狭く、強く反り返るのが特徴です。この反り返りが弱く水平になっているものはヤマジノホトトギス。雌しべの先端は3つに分かれて反り返り、その先端はさらに2つに分かれています。雄しべは6本ありますがそのうち3本は雌しべの裏に入り込んでいるので葯の見える雄しべは3本のように見えます。花びらが強く反り返っているものがヤマホトトギスと知っていると見分けられます。

(↑上の写真)左=カリガネソウ、中=ヒガンバナ、右=シュウカイドウ

(↑上の写真)左=ミゾソバ、中=タイアザミ、右=キツネノマゴ

 タイアザミ(別名トネアザミ)はキク科アザミ属。APG牧野植物図鑑スタンダード版によると「関東地方北部から中部地方中部にかけての太平洋側の山地帯や低地に林縁に生える多年草という。関東地方に偏在しているので、全国で販売されている図鑑には載っていないことがあります。牧野新日本植物図鑑昭和50年発行には載っていません。和名タイアザミの由来は、花弁を包んでいる総苞片が魚の鯛の骨に似ているところから名づけられた、という説があります。葉の鋸歯や総苞片に触ると痛いですが、それが喉にひっかかった鯛の骨の痛さに似ているからでしょうか。「痛いアザミ」の先頭の「い」を除いて「タイアザミ」と覚えました。別名トネアザミは群馬県の利根に因むといわれます。トネアザミを標準和名とし、タイアザミを別名としている図鑑もあります。関東地方にはアズマヤマアザミという似た種類もあります。

(↑上の写真)左=カシワバハグマ、中=ヒヨドリバナ、右=オオハンゲ

 カシワバハグマ(柏葉白熊)はキク科コウヤボウキ属。ウィキペディアによると「日本固有種。本州(宮城県以南のおもに太平洋側)、四国、九州に分布し、山林のやや乾いた林縁や林下に生育する。花期は9~10月」という。この公園には、株数はたくさんありましたが、花の時期はこれからで花は写真のこの一輪だけでした。これからが楽しみです。名前の由来は、葉が柏の葉に似ているから、また、花の形がハグマ=白熊(ヤク)の尻尾の白い毛つくられた仏具の払子(ほっす)と似ているからといいます。ところでカシワの葉について「ウィキペディア」では「葉の縁にまばらに粗い歯牙がある」と表現していますが、山渓カラー名鑑「日本の樹木」で「ふちに波状の鋸歯がある」と表現しています。野楽力研究所としては「大きく波状に縁取られた葉(波状葉縁)」と表現したいです。どちらにせよ、上掲写真のような尖った鋸歯ではありませんね。しかし、こじつけのように思えますが1つはその柏の葉に似ていることから「カシワバ」と名づけられました。2つめは、僧侶が法要などに使う払子、それはヤク(ハグマ)の尻尾の白い毛を束ねたものだそうですが、その束ねたようすが、毛を短くして総苞が花の基を包んでいる(束ねている)感じが払子に似ているので「ハグマ」と名づけられ、この2つの理由で「カシワバハグマ」と言われるようになったということです。こんなこじつけのような名前の付け方だったんですね。皆さまはどう思われますか。

(↑上の写真)左=ミズヒキ、中=ギンミズヒキ、右=コウホネ

(↑上の写真)左=ナツメ、中=コブシ、右=サネカズラ

(↑上の写真)左=ムラサキシキブ、中=ジュズダマ、右=ムサシアブミ

(↑上の写真)左=ヤブラン、中=イヌホオズキ、右=クララ

 イヌホオズキ(犬酸漿)は、ナス科ナス属。APG牧野植物図鑑スタンダード版によると「世界の熱帯から温帯に広く分布し、日本各地の山野の道端などに生える一年草。茎はやゝ角張り、高さ20~80cm、分枝して横に広がる。葉は長さ6~10cm。花は夏から秋、果実は液果で黒熟し、径6~7mm」ということです。ウィキペディアによると「日本では史前帰化植物と考えられている。全草にソラニンを含む有毒植物」ということです。和名のイヌはホオズキに比べて役立たないということですが、解熱剤や利尿剤になるそうです。

(↑上の写真)左=ヨウシュヤマゴボウ、中=ヤブミョウガ、右=池の休憩所

(↑上の写真)左=湿地の園路、中=ホシダ、右=ミドリヒメワラビ

(↑上の写真)左=リョウメンシダ、中=ゲジゲジシダ、右=ベニシダ

東京都薬用植物園・・・令和4年9月17日

 台風で草花がなぎ倒される前に訪れることにしました。マンジュシャゲ彼岸花)、スイフヨウオミナエシカリガネソウ日本の忘れな草のシオンなどが最高の見ごろでした。今日の様子です。

(↑上の写真)左=入口、中=ヤマハギ(紅花)、右=ヤマハギ(白花)

(↑上の写真)左=スイフヨウ、中=オミナエシ、右=コガネバナ

(↑上の写真)左と中=(赤花)マンジュシャゲ、右=(白花)マンジュシャゲ

 (マンジュシャゲヒガンバナヒガンバナ彼岸花)はヒガンバナ科ヒガンバナ属。別名曼珠沙華。ここ薬用植物園では「マンジュシャゲ」と掲示されています。APG牧野植物図鑑スタンダード版によると「本州、四国、九州、および中国の暖帯、温帯に分布。堤防、墓地、路傍に多く生える多年草」とあります。髙樹のぶ子著 小説伊勢物語「業平」に「(在原業平は、長岡に母伊都内親王を訪ねて赴いた折、田子を真似て稲刈りを手伝う。その業平を見ようと衵(あこめ)を着た女童(めわらわめ)たちが笑い騒いでいる情景に)『おお、美しい姫君たち』と業平も笑みをかけます。このような清々しい景色は、田の畔に生え出た彼岸花の群れのようです。女童たちの後ろに、(長岡京だった)昔ながらのさほど大きくない邸がいくつも見渡せます」(母は、都での生活に疲れ果てて、昔懐かしい長岡へ移り住み、こうして息子業平が訪ねてくれたことや彼岸花の咲くのどかな長岡の風景の中で心を鎮めるのでした。)<一部翻案>。なお、マンジュシャゲ(曼殊沙華)は梵語で大きい赤い花という意味で仏教由来の名称ということです。

(↑上の写真)左=シオン、中=クズ、右=ノゲイトウ

 シオン(紫苑)はキク科シオン属。中国地方、九州、朝鮮半島、中国北東部、極東ロシアの山間の草地に生える多年草という。日本では今昔物語以前からシオンは「思いを忘れさせない草」として知られていたそうで、西洋のワスレナグサを覚える前に日本のワスレナグサであるシオンを覚えてほしいです。今昔物語の「兄弟二人、萱草・紫苑を植うる語」の中に「兄は親の墓に忘れ草の萱草を植えました。それ以来、兄は仕事の忙しさにかまけて親の墓参りをすっかり忘れていました。弟は、親の墓に忘れな草の紫苑を植えたので、いつまでも親の恩を忘れずに墓参りをしていました。ある墓参りの時、鬼が弟の前に現れ、彼の善根を愛で、お前に予知能力を与えようと言って、消えました。それ以来、弟は、未来を予知することができるようになり、不幸になることなく幸せに暮らしたということです(一部翻案)」とあります。地方に行くとこの時季、墓に紫苑が咲いている情景が見られます。シオンは2m位の草丈がありますから台風の強風が心配です。

(↑上の写真)左=ハッカ、中と右=イヌゴマ

(↑上の写真)左=ニラ、中=タチフウロ、右=ランタナ

 ランタナクマツヅラ科シチヘンゲ属。和名は七変化。APG牧野植物図鑑スタンダード版によると「熱帯アメリカ原産のやゝ蔓性の落葉低木」ということです。開花後、時間がたつにつれ花色が変わります。外側と内側では花色が黄色から橙色、濃赤色(内側が新しい)と変化するので和名では「七変化」といわれます。別名「紅黄花」とも。「ウィキペディア」によると「世界の侵略的外来種ワ-スト100に選定されている。熱帯・亜熱帯では広く野生化し、オーストラリアや東南アジアではやっかいな雑草として問題になっている」という。よく街中でも見かけますが、草ではなく木だったんですね。それに花色が黄色から濃赤色に変わるというのも育ててみないと分かりませんね。侵略的外来種ということですが、熱帯のものなので日本で冬を越すのは大変と思います。しかし、小笠原や沖縄では侵略的増殖をしているようです。要注意です。

(↑上の写真)左=カリガネソウ、中=トケイソウ、右=ハマナス

(↑上の写真)左=ニンジンボク、中=セイヨウニンジンボク、右=スズムシバナ

(↑上の写真)左=シュウメイギク、中=シラヤマギク、右=オオケタデ

(↑上の写真)左=ムラサキシキブ、中=ガマズミ、右=雑木林の園路

(↑上の写真)左=ゴンズイ、中=マユミ、右=ツリバナ

 上の写真の3種の植物の実はどれも似たような実で区別がつかないことがあるかも知れません。ツリバナは釣り糸の先に実が下がっているようにみえるのでツリバナ。これは理解しやすいでしょう。マユミは実が4つに分かれています。以前「恋人よ」を歌った五輪真弓(いつわまゆみ)という歌手がいましたが、この実は4つに分かれているので「4つは真弓=ヨツワマユミ」として覚えました。同じ真弓でもこれは「四輪真弓」ですよ、というわけです。ゴンズイは、山渓「樹に咲く花」に「材がもろくて役に立たないので、同じように役立たない魚ゴンズイの名が付けられたという」説が紹介されています。ところが、中村浩著「植物名の由来」によると「歌人として知られた持統天皇の歌に『天上の五衰の花も散るとかや』という句の五衰(仏教の言葉で、欲界の天人が臨終のときにあらわす五種の哀相)がゴンズイの語源」だとしています。三島由紀夫著「豊饒の海」の第四篇「天人五衰」にある五衰です。しかし、「ゴスイとは悲哀を表す忌名であるので、めでたい五瑞(ゴズイ)と実名忌避したと思われます。五の発音は「ゴ」または「ゴン」。つまり、ゴズイがゴンズイと変化したのではないか」とされています。皆さまは、どちらの考えに賛同されますか? 因みにゴンズイ=ミツバウツギ科ゴンズイ属。マユミとツリバナ=ニシキギニシキギ属。 

(↑上の写真)左=アメリノウゼンカズラ、中=モミジアオイ、右=ソクズ

(↑上の写真)どれもイヌマキの実

 イヌマキ(犬槇)はマキ科イヌマキ属。APG牧野植物図鑑スタンダード版によれば「関東南部以西の太平洋沿岸、四国、九州、琉球列島の暖帯林の中に生える高さ20mにもなる常緑高木。イヌマキコウヤマキ(ホンマキ)とともに、槇(真木)として最も有用な樹種とされたがコウヤマキよりは劣るという意味で犬の接頭語をつけた。耐水、耐朽性に強いので桶用材に用いる(一部翻案)」という。写真のように実は2段構えになっていて、上段の青色のものが種子で、下段の黄や赤、紫色の部分は果托といって種子を支えているものです。果托の部分は甘くて食べられます。鳥などがこの実をつまんで種子の部分をイヌマキの繁殖のために捨ててくれることを期待しているわけです。

高尾山(ケーブルカー→野草園→3号路→山頂→6号路を下る)・・・令和4年9月13日

 サル園に併設されている野草園は穴場です。ほとんど登山道に山野草が咲いていないこの時期、ここでは花が見られます。スズムシバナが咲き、キレンゲショウマがうつむき加減に黄色の花をつけています。登山道ではヤマホトトギスがやっと花をみせてくれています。各種シダの観察を楽しみたいです。今日の様子です。<写真をクリックすると拡大されます>

(↑上の写真)左=ケーブルカー乗り場、中=野草園入口、右=シュウカイドウ

(↑上の写真)どれもキレンゲショウマ

 キレンゲショウマ(黄蓮華升麻)はアジサイ科キレンゲショウマ属。日本の固有種で宮崎県市房山を南限とする希産植物の一つということです。宮尾登美子著『天涯の花』はこの花にまつわる小説です。キレンゲショウマはレンゲショウマの黄色い花と思いがちですが、花姿が下向きのところは似ていますが花形は全く違います。しかもレンゲショウマは(御岳山で有名ですが)キンポウゲ科です。キレンゲショウマはアジサイ科ですから同じ仲間とは言えません。どうしてこういう名前が付いたのか理解できませんが、皆さまはどう考えますか。しかし、このお陰で両者の理解を深めることができたことは喜ばしいことでした。

(↑上の写真)どれもスズムシバナ、左=紫花、中=群生、右=白花

 スズムシバナ(鈴虫花)はキツネノマゴ科イセハナビ属。「APG牧野植物図鑑」によると「近畿地方以西、四国、九州及び韓国済州島、中国大陸中部の暖帯に分布。山地の木陰に生える多年草」ということです。暖帯のものなのによくこの野草園で増えていると思います。ラン科植物にスズムシソウという名があるので近年は本種にスズムシバナの和名を使うことが多いそうです。関東地方にはもともと無い花なので、これを見た時には「何の花?」と思いました。「花は秋、朝開いて午後には散る」ということです。これからまだ楽しめそうですが、午後には散るということですから、午前中の入園をお奨めします。

(↑上の写真)左=カリガネソウ、中=マツカゼソウ、右=モミジガサ

(↑上の写真)左=イセハナビ、中=フジカンゾウ、右=イノコヅチ

 イセハナビ(伊勢花火)はキツネノマゴ科イセハナビ属。「APG牧野植物図鑑スタンダード版」によると「中国原産で、観賞用に栽培され、九州の低山の林内に帰化するやや低木状の多年草」ということです。Web「かぎけん花図鑑」によると「イセハナビ(伊勢花火)は東南アジア原産で、キツネノマゴ科イセハナビ属の多年草です。夏から秋に、薄赤紫色の唇形の花を咲かせます。日本へは観賞用として中国を経由して伝来したものが野生化しました。葉は対生し、花弁の先は5深裂します。日本では本州岐阜以西から九州の山地の木陰に生える多年草」ということです。APG牧野植物図鑑スタンダード版では「中国原産」としていますが、Web「かぎけん花図鑑」は「東南アジア原産、中国経由で日本に渡来した」とあります。どちらを信頼したらいいでしょうか。いずれにしても日本に渡来したもので、岐阜以西に帰化しているようです。関東地方では見られないものですから、ここ野草園で見た時には「何という花だろう?」と思いました。

(↑上の写真)どれもシュウブンソウ

 シュウブンソウ秋分草)はキク科シオン属。APG牧野植物図鑑スタンダード版によると「宮城県以西から琉球列島および朝鮮半島南部、台湾、中国、マレー、インドの暖帯から熱帯に分布し山地の木陰に生える多年草」とあります。ちょうど今の時期、秋分の頃に花を咲かせるというので秋分草と名づけられたそうです。とても地味な草でよく注意しないと見過ごしてしまいます。高尾山には登山道の左右にたくさん見られました。一見ヤブタバコの感じです。主茎の途中から枝を四方に広げているところも花も遠目には似て見えます。この草を知ると秋分の日(9月23日)の前後に妙に気づくようになります。

(↑上の写真)左=ヤマホトトギス、中=フユイチゴ、右=マルバハギ

(↑上の写真)左=ノブキ、中=アカソ、右=カラムシ

(↑上の写真)左=オオバノイノモトソウ、中=フモトシダ、右=イノデ

(↑上の写真)左=ジュウモンジシダ、中=ナツノハナワラビ、右=ヤブソテツ

(↑上の写真)左=イワガネゼンマイ、中=イワガネゼンマイの葉裏、右=リョウメンシダ

 イワガネゼンマイ(岩が根発条)はホウライシダ科イワガネゼンマイ属。Web「岡山理科大学」によれば「北海道から九州、東アジアに広く分布する常緑のシダ植物。森林の谷筋などに生育する。同じ属によく似たイワガネソウがあるが、葉裏の葉脈が(イワガネソウは網の目状になるのとくらべ)イワガネゼンマイは二叉に別れたままどこまでも合流しない(ゼンマイ=発条のように)平行脈であること、イワガネゼンマイの小羽片の先端は急に細くなる(が、イワガネソウは小羽片の中部が最も広く、先端に向けて次第に狭くなる)ことにより区別できます(一部翻案・写真参照)」

(↑上の写真)左=ベニシダ、中=ゲジゲジシダ、右=ホソバカナワラビ

 ホソバカナワラビ(細葉鉄蕨)はオシダ科。村田威夫共著「シダ植物」によると「常緑性。やゝ乾燥した林床に生育する。照葉樹林内ではしばしば大群落になる」とありますが、大群落を見たことが無く、単独のことが多い印象を受けています。ですから、これを見た時にはラッキーという気持ちでカメラを向けました。北川淑子著「シダハンドブック」には、「『カナワラビ』といわれるシダは、葉が革質で硬く、表面が金属光沢を放っていることからつけられた名で、『ホソバ』とは羽片が細いから」名づけられたとあります。確かに上の写真でも金属的光沢を放っています。羽片も 締まった細身の感じです。 

(↑上の写真)左=浄心門、中=高尾山頂、右=琵琶滝

科博附属自然教育園・・・令和4年9月9日

 山手線目黒駅下車東へ徒歩9分。国立科学博物館附属の自然教育園です。65歳以上入場無料。東京ではここにしかないトラノオスズカケが咲き始めていました。イヌヌマトラノオもまだ見られます。オオヒナノウスツボやシロネなど花が見られたのは幸運でした。今日の様子です。

(↑上の写真)左=自然教育園入口、中=案内、右=トラノオスズカケ

 トラノオスズカケ(虎尾鈴懸)はオオバコ科クガイソウ属。園内の説明板によると「四国や九州を中心に分布し、もともと関東地方には分布していません。希少な植物で絶滅危惧種にも指定されています。自然園のトラノオスズカケは江戸時代に松平讃岐守の故郷から平賀源内が持ち込んだと言い伝えられています」とあります。自然園は江戸時代には讃岐高松藩下屋敷があったところですから、この虎尾鈴懸の由緒は理解できますね。平賀源内(享保13年(1728年)~  安永8年(1780年))は、江戸時代中頃の本草学、地質学、蘭学、医学など多方面に活躍した科学者で、エレキテルの紹介や土用の丑の日に鰻を食べるのは健康に良いことなどを紹介し、当時の有名人でした。酔った勢いで大工の棟梁を殺傷して投獄され、獄死してしまった惜しい人物でした。

(↑上の写真)左=イヌヌマトラノオ、中=ノハラアザミ、右=タイアザミ 

 イヌヌマトラノオ(犬沼虎尾)はサクラソウオカトラノオ属。「オカトラノオ」と「ヌマトラノオ」の自然交雑種。ここ科博付属自然教育園の水生植物園では、以前、「オカトラノオよりイヌヌマトラノオが優勢」と解説されていましたが、今ではイヌヌマトラノオに圧倒されたようです。オカトラノオより水分の多いところで育っているようです。

(↑上の写真)左=ユウガギク、中=シラヤマギク、右=ハグロソウ

(↑上の写真)左=ミズヒキ、中=ギンミズヒキ、右=キンミズヒキ

(↑上の写真)左=モミジガサ、中=メハジキ、右=ヤブミョウガ

(↑上の写真)左=カリガネソウ、中=シモバシラ、右=ヤマハギ

(↑上の写真)左=マツカゼソウ、中=アキカラマツ、右=ヒヨドリジョウゴ

(↑上の写真)どれもオオヒナノウスツボ 

 オオヒナノウスツボ(大雛臼壺)はゴマノハグサ科ゴマノハグサ属。日本各地及び朝鮮半島に分布し、低山の林中に生える多年草という。牧野新日本植物図鑑などによると「多数の暗紫色の小さな花は、萼片は5裂し、下唇は反り返る。雄しべは4本で2本は他より長い、雌しべは1本で花柱は花の外へ伸びている」という。オオヒナノウスツボ(大雛臼壺)という名はヒナノウスツボ(雛臼壺)より大きいのでなづけられたもの。ヒナノウスツボの名は花の形からつけられたもので、小さな壺形の花を臼や壺に見立てたもの という。

(↑上の写真)=シロネ、中=コバギボウシ、右=ヌスビトハギ

(↑上の写真)左と中=ナガホノシロワレモコウ、右=ワレモコウ

(↑上の写真)左=水生植物園、中=アブラガヤ、右=シロバナサクラタデ

(↑上の写真)左=センニンソウ、中=コバノカモメヅル、右=ガマ

野川公園自然観察園・・・令和4年9月3日

 秋の気配がどことなく近づいてきているように感じます。ここ野川公園自然観察観察園では、秋を知らせるカリガネソウが咲きはじめました。また、草や木の実が色づき始めました。なお、自然観察センターは改築取り壊しのため休館中です。新規開館は未定です。今日の様子です。

(↑上の写真)左=改築される自然観察センター、中=自然観察園入口、右=園内の様子

(↑上の写真)左と中=カリガネソウ、右=オミナエシ 

 カリガネソウ(雁草)はシソ科カリガネソウ属。別名:ホカケソウ(帆掛草)。牧野新日本植物図鑑によると「北海道、本州、四国、九州から朝鮮、中国に分布し、山地や原野に生える多年草で、高さ1m位、強い不快な臭気を持つ、茎は四角形で直立し上方は枝分かれする」とあります。Web:ヤサシイエンゲイによると「花びらは5枚で、下の一枚が大きめで白い斑点が入ります。雄しべと雌しべの姿が非常に特徴的で、最初上向きに伸びて途中でくりっと大きく下に湾曲します。下の花びらが大きいのは昆虫が蜜を採るために留まりやすいため、白い斑点が入るのは蜜の位置を教えるため、雄しべと雌しべが湾曲するのは留まった虫の背中に花粉を付けるため(もしくは、付いた花粉を雌しべにくっつけるため)、とされています」ということです。名前の由来について、花の形が雁に似ている様には見えませんね。帆掛け船のようには見えないこともありません。みなさんはどう思いますか?

(↑上の写真)左=キツリフネ、中=イヌキクイモ、右=ノダケ

(↑上の写真)左=ヌスビトハギ、中と右=フジカンゾウ

 ヌスビトハギ(盗人萩)はマメ科ヌスビトハギ属。日本全国の山野の林下に生える多年草。和名盗人萩は、泥棒が足音を立てないように歩く足跡が豆果(種子)の形が似ているため。現代的には豆果の形はサングラスに見立てられています。従って、小さいサングラスはヌスビトハギ、大きいサングラスはフジカンゾウとして見分けられます。豆果には短いかぎ型の毛が生えていて、衣服などに引っ付き、ひっつき虫などと呼ばれています。フジカンゾウも同じです。

 フジカンゾウ(藤甘草)はマメ科ヌスビトハギ属。本州以南の山野の林内に生える多年草。和名は、花が藤の花のようであり、葉が甘草の葉のようであることから藤甘草と名付けられたといいます。多年草なので一度根づくと根は木化し、除去に苦労します。種子はヌスビトハギと同じようにサングラス型の引っ付き虫で子供たちが遊ぶにはいいですが、この種子の拡散によって翌年はすごくフジカンゾウが蔓延ることになります。草丈も大きいので、他の草を圧倒します。花はきれいなので植えたくなります。株を増やさぬように注意しながら世話してみてください。

(↑上の写真)左=ヤブラン、中=アキカラマツ、右=ヤマハギ

(↑上の写真)左=ミズヒキ、中=キンミズヒキ、右=ミソハギ

 キンミズヒキ(金水引)はバラ科キンミズヒキ属。本州、四国、九州、琉球列島および朝鮮半島、台湾、中国の暖帯から温帯の山野や道端に生える多年草という。この草の名前が何でキンミズヒキなのか未だに理解できないでいます。ミズヒキはタデ科キンミズヒキバラ科で全くちがうものです。タデ科のミズヒキは花を表から見ると赤で裏返してみると白なので赤白の水引といわれれば「それはそうですね」と言わざるを得ませんが、金水引のどこに水引の様子が見られるのか不思議です。APG牧野植物図鑑では「金水引の意味で、細長い黄色の花穂を金色の水引(タデ科)にたとえたものである」としています。大先生のこの説明で納得できますか、どうでしょうか?

(↑上の写真)左=ミズタマソウ、中=メハジキ、右=ユウガギク 

 ミズタマソウ(水玉草)はアカバナ科ミズタマソウ属。沖縄を除く日本各地、および中国、台湾、朝鮮半島インドシナに分布し、山野の日陰または、半日陰に生える多年草ということです。上掲写真のように子房には白い毛があり、果柄は下を向きます。和名水玉草は、白い毛のある球形の子房を、露がかかった水玉にたとえたものということです。花・実が無い時には、長い葉柄の葉が対生している草姿はイノコヅチのような地味な草ですので、見落としている場合が多いです。しかし、この水玉の様子を一度見たら、来年も見たくなる魅力を持っています。見たことのない方は、ぜひ今年こそ探してみてください。

(↑上の写真)左=ハッカ、中=ワレモコウ、右=コバギボウシ

(↑上の写真)左=シュウカイドウ、中=ムラサキシキブ、右=シロシキブ

 シュウカイドウ(秋海棠)はシュウカイドウ科シュウカイドウ属。江戸時代初めに中国から渡来した多年生の帰化植物といわれます。湯浅浩史著「花おりおり」によると「雌雄異花で雄花は大きい2枚の萼片と小さい2枚の花弁を持ち、雌花は花弁を欠く」とあります。雄花は上の方で咲き、雌花は重そうに下の方で三角形をした子房に花弁はありませんが2枚の萼が花弁の役割をした花です。この垂れ下がった花穂の感じが寺院を飾る瓔珞(ようらく)のようなので別名瓔珞草と言われるようです。この名の方が相応しいように思いますが、どうですか。永井荷風著「墨東奇譚」に「四五日過ぎると季節は彼岸に入った。空模様は俄かに変わって、南風に追われる暗雲の低く空を行き過ぎるとき、大粒の雨は礫を打つように降り注いではたちまち止む。夜を徹して小息(おや)みもなく降り続くこともあった。私が庭の葉鶏頭は根元から倒れた。の花は、葉とともに振り落とされ、すでに実を結んだ秋海棠の赤い茎は大きな葉を剥がれて、痛ましく色が褪せてしまった。濡れた木の葉と枯れ枝とに狼藉としている庭のさまを生き残った法師蝉と蟋蟀とが雨の霽(は)れま霽れまに嘆き弔うばかり」という今年のように台風がらみの天候が続いた後の庭の様子を活写しています。

(↑上の写真)左=ヒオウギ、中=ヤブミョウガ、右=サンショウ

(↑上の写真:どれも熟す前の実)左=カラスウリ、中=ガマズミ、右=マユミ

東京多摩地区街中自然観察・・・令和4年8月29日

 東京は朝夕大分涼しく感じられるようになりました。ヒガンバナが街中で寂し気に咲いていました。サルスベリは依然咲き続け、ムクゲも咲き揃いました。僅かに残された雑木林のコナラがナラ枯れ病に冒されています。今日の様子です。

(↑上の写真)左=住宅地に畑が残る、中=マルバルコウソウ、右=ハナトラノオ(別名カクトラノオ

(↑上の写真)左=ヤイトバナ(別名ヘクソカズラ)、中=ヤブカラシ、右=センニンソウ

 センニンソウ(仙人草)はキンポウゲ科センニンソウ属。白い十字の花弁のように見えるのは花弁ではなく萼片。花が咲き終わった後に、雌しべの花柱が伸び、その痩果に白い仙人の鬚のような毛が生えるので、センニンソウと言われるようになったという。別名が「ウマクワズ(馬食わず)」と言われる有毒植物で馬や牛が絶対に口にしないとのこと。茎や葉の汁に触れると水泡の原因となる。葉は羽状複葉で小葉は3-7枚(多くは5枚)、葉柄は曲がりくねって他の物に絡むつる性。葉柄を絡ませて他の植物の上に伸び太陽光を独り占めにする。似たような花にボタンヅルがあるが、葉が牡丹のように3出複葉で粗い鋸歯があるので区別がつく。

(↑上の写真)左=モミジアオイ、中=スイフヨウ、右=フヨウ

 スイフヨウ(酔芙蓉)はアオイ科フヨウ属。APG牧野植物図鑑スタンダード版によれば「母種はフヨウで葉や花の小苞や萼の形が同じ。花は秋、つぎつぎに開き、1日で萎む。朝咲き始めた時は白色、午後には淡紅色、夜にかけて萎み、紅色に変わり、翌朝になっても落下しないので七変化という。和名酔芙蓉は紅く変わるのを酒の酔いにたとえた。白が赤くなるので酔っているようだから酔フヨウという」とあります。芙蓉とは蓮の花の美しさを表現したものですから、酔芙蓉は和服の美女が恥じらいながら一献戴き、ちょっと左手を畳について顔を仄かに赤くした嫋やかな姿が想像されますね。篠綾子著「酔芙蓉」には「藤原忠雅は11歳の時、母方の叔父の家成の婿になった。この時忠雅は一株の白い花を携えていた。それまで暮らしていた邸から忠雅が手放さずに持ってきたものはこの花だけだ。――名は酔芙蓉。明方には真っ白な5枚の花弁を開いているが、午過ぎには恥じらいを帯びた薄紅色に染まり始め、夕方にかけて次第に濃さを増していく。「この花は酒に酔ったようだ」一体、誰が言い出したことなのか、聞いたことは無い。しかし、それが名の由来であることはわかる」と。

(↑上の写真)左=ノシラン、中=ノシランの葉裏の葉脈、右=ミソハギ

 ノシラン(熨斗蘭)はキジカクシ科(旧ユリ科)ジャノヒゲ属。Webによると「東海地方より西から九州、四国、南西諸島や韓国の済州島などに広く分布している常緑の多年草で、海岸線の林の下などに自生している」ということです。ここ街中では用水沿いに咲いています。冨成忠夫著「山渓野草ハンドブック 夏の花」では「ノシ(熨斗)は『のしをつけてやる』という熨斗で、贈り物の飾りに使い、正式には紅白の紙の中に干したアワビを薄く切ったものを入れる。このノシアワビに葉の形が似ているのが名の出所と思われる」とあります。Web「BOTANICA」には「花の茎(花茎)が、きし麺のように扁平で『麺棒でノシたような形』に見えることから名付けられたという説と葉(裏)の葉脈が筋ばっていて縁起物や進物に添える熨斗に似ていること(上掲写真参照)が名前の由来になったという説」が紹介されています。どの説がよろしいでしょうか? なお蘭と言ってもラン科ではありません。

(↑上の写真)左=ヒヨドリジョウゴ、中=雑木林、右=ナラ枯れ病のコナラ

 多摩地区の雑木林でコナラの木が枯れるナラ枯れが目立つようになりました。ナラ枯れ勝浦市HPによると「カシノナガキクイムシという体長4~5ミリ程度の虫が媒介するナラ菌により、起こるものです。カシノナガキクイムシによりナラ菌を持ち込まれた樹木の過剰な防御反応により、結果として根から水分等を運ぶ道管が目詰まりして通水障害となり、枯死に至るものです。6月から8月頃、ナラ菌を持ったカシノナガキクイムシが健全な樹木に飛来し穿入します。これにより、ナラ菌は樹木内に持ち込まれ、ナラ菌が蔓延することで、最終的に通水障害を発症し、特に水分を必要とする夏の時期に枯死してしまうものです。穿入したカシノナガキクイムシの成虫は、樹木内で産卵して死に、卵からかえった幼虫は樹木内で越冬し、成虫となった後、翌年の6月から8月頃に脱出して健全な樹木に飛来します。このようなサイクルを経て、ナラ枯れの被害地域は拡大していきます」とあります。研究者の黒田慶子氏によれば、「昔の薪炭林は20年前後の若齢林のため,カシノナガキクイムシの繁殖は,ほとんど見られませんでしたが、なによりも、(昔のように萌芽更新をせず)大径木が増えたことと,感染して枯死した木を処理せずに放置したのが被害拡大の原因で、気温が上昇したことが病気の蔓延に直接つながったのではありません」ということです。皆さんの近所の雑木林ではどうでしょうか。

(↑上の写真:どれもサルスベリ)左=ピンクの花、中=深紅の花、右=猿も滑る木肌

 サルスベリ百日紅、猿滑り)はミソハギサルスベリ属。Web「みんなの趣味の園芸」によると「サルスベリは新梢を伸ばしながら枝先に花芽をつくり、夏から秋にかけて次々と開花します。枝の生育にばらつきがあるので、百日紅」の名どおり、開花期が長期間(百日も咲き続ける)となります」とあります。枝の成長にばらつきがあるので長期間咲いているのですね。上掲写真右端に木肌を載せました。つるつるの木肌で、猿も滑って登れないので「猿滑り」とついたということが多少納得できそうです。

(↑上の写真)左=ヒルガオ、中=コヒルガオ、右=オシロイバナ

 ヒルガオ(昼顔)はヒルガオヒルガオ属。APG牧野植物図鑑スタンダード版によると「北海道から九州、及び朝鮮半島と中国に分布し、野原や道端に生える多年草」という。Webによると「ヒルガオは自家受粉しないだけでなく、自株受粉をしないので他株の花粉が付かなければ結実しない。都会にはヒルガオの株が複数育っているところが少ないので、ヒルガオがたねをつくるのは珍しい。それでも毎年花を咲かせるのは地下茎で増殖するからである」とあります。確かにヒルガオの種子をアサガオのようには見かけませんね。なお、ヒルガオとコヒルガオの区別点は葉の耳の形(葉脚)の違いです。ヒルガオは写真のように葉の耳が三角形、従って尖りが一つですが、コヒルガオの葉の耳は、尖りが2つになっています。

(↑上の写真)左=ダンドボロギク、中=アキノノゲシ、右=フジカンゾウ

 ダンドボロギク(段戸襤褸菊)はキク科タケダグサ属。北半球の温帯に広く帰化し雑草化した北アメリカ原産の1年草。ウィキペディアによると「日本には昭和8年(1933年)に愛知県段戸山で初めて帰化が記録され、和名ダンドの由来にもなっており、現在では日本全国で雑草化している。また、綿毛は、使い古したボロ布に例えられており、それがボロギクの由来にもなっている(一部翻案)」とのことです。上掲写真のように勢いがよく立派なので、どんなすばらしい花が咲くのかなぁ、と期待していると花が咲かないうちにたんぽ果(綿毛)になってしまい、ノボロギクと同じようにがっかりしてしまいました。育てたことがありますが、全く期待外れでした。

(↑上の写真)左・中=ムクゲ、右=都道の造成

(↑上の写真)左=ツユクサ、中=キツネノマゴ、右=アキノタムラソウ

(↑上の写真)左=ノウゼンカズラ、中=アメリノウゼンカズラ、右=インカカタバミ・バーギッド

 インカカタバミ・バーギッドカタバミ科カタバミ属で南アメリカ原産の園芸種。こんな都会に葉が三角形で特徴のある山地に生えるオオヤマカタバミ、ミヤマカタバミのようなカタバミがある、どうしたのかな?と調べてみるとインカカタバミ・バーギッドという園芸種のようでした。葉が黒紫色のものがインカカタバミの主流のようですが緑色のものはバーギッドというそうです。どこかの庭から逸出したもののようです。数年後にどうなっているでしょうか。