野楽力研究所

近くの自然で野楽力を高めましょう

京王百草園・・・令和7年12月22日

 冬至の今日、自然観察仕舞いとして百草園(もぐさえん)を訪れました。例年この時季サザンカの最後の数輪と咲き始めたソシンロウバイが一、二輪、カンザキアヤメが数輪、それにオオハナワラビの花(胞子葉)が見られました。今回は残念ながらカンザキアヤメの花はみられませんでした。冬の空気は透き通り、頂上からの都心の眺望は素晴らしく、今回は東京スカイツリーを見ることができました。今日の自然の様子です。なお、パンフレットによると「百草園の発祥は、1716年ころ小田原城主の室であった寿昌院慈岳元長尼が徳川家康の長男・信康追悼のために松連寺を再建したことによる」ということです。百草園は月曜日に開園している数少ない庭園です。水曜日が定休日です。入園料大人500円。(写真をクリックすると拡大されます。)

(上の写真)左=百草園入口、中=松連庵、右=頂上からの眺望(左にスカイツリーが写っています)

(上の写真)左=園内の様子、中と右=ソシンロウバイ(素心蝋梅)

 ソシンロウバイ(素心蝋梅)は、ロウバイロウバイ属。ソシンロウバイ(素心蝋梅)は、雌しべの周囲の花弁(花びら)がロウバイのように紅紫色に色づかず、すべての花弁が薄黄色のものをいいます。素心は素芯で芯まで色づかず素(す)のままといった意味と思われます。

(上の写真)左と中=サザンカ山茶花)、右=アオイスミレ(葵菫)

(上の写真)いずれもオオハナワラビ(大花蕨)左=オオハナワラビの特徴の葉の鋸歯

 オオハナワラビ(大花蕨)はハナヤスリ科ハナワラビ属。村田威夫共著『シダ植物』によると「オオハナワラビ(大花蕨)は、東北地方南部から九州のやや湿った林床に秋から冬にかけて生え、夏には枯れてしまう冬緑性シダ植物。。短い根茎(根のように見える茎)から1本の柄(え)を地上に伸ばし、その先に1本の栄養葉と1本の胞子葉をだす(一部翻案)」とあります。つまり、普通の植物で言う茎を根茎から短く伸ばし、その先が分枝し、1本は栄養葉(普通の葉)となり、他の1本は胞子葉(種子を作花)となる、ということです。栄養葉は上掲写真のように全体が五角形のような深緑の葉を形成します。この葉の縁の鋸歯は多数の針が出ているように見えます。これがオオハナワラビの特徴です。同じような名前と草姿のものにフユノハナワラビ(冬花蕨)がありますが、フユノハナワラビは、この鋸歯が針のようでなく滑らかになっています。

(上の写真)左と中=ナンテン南天)の実、右=マンリョウ(万両)

 ナンテン南天)はメギ科ナンテン属。松田修著『花の文化史』によれば「ナンテンは「難転」に通じるところから縁起の木とされ、正月の掛け軸の南天水仙の図は「天仙図」といい、松と共に画いたものを「蒼松寿古」と称している。昔、武人はこの葉を鎧の中に収め、出陣のときは、枝を床に挿して門出に戦勝を祈ったといい、元服の式には、床に挿花をし、また、婦人の安産を祈ってこれを床の下に敷いたものだという。南天の床柱は貴重視され、金閣寺柴又帝釈天題経寺のものが有名である。金閣寺のものは琉球から探し出したものといい、題経寺のものは、伊吹山の農家の庭にあったものが、流れ流れて題経寺に納まっているものである」とあります。

(上の写真)左=ハナザクロ(花石榴)の実、中=芭蕉句碑、右=若山牧水歌碑

 ハナザクロ(花石榴)は、ミソハギ科ザクロ属。園内の解説板によると「ハナザクロはザクロの園芸種、花を観賞するザクロの総称、八重咲きのものなどがある。」とあります。

(上の写真)左=心字池のカルガモ、中=ホシダ(穂羊歯)、右=ニホンスイセン(日本水仙)の蕾

 ホシダ(穂羊歯)はヒメシダ科ヒメシダ属。東北南部以西に生える常緑性のシダ。葉の先端は槍の穂先のように尖るのが特徴です。イヌワラビにも葉先が穂状に尖っているようなものもあり、見違えやすいです。イヌワラビは2回羽状複葉で羽片の切れ込みが完全に羽軸まで達し、小羽片が独立しています。ホシダは、図鑑によって1回羽状とか単羽状とか2回羽状中裂とか表現されています。中裂というのは小羽片の切れ目が羽軸までの1/2までしか届いていないことの表現ですから、ちょっと切れ込みのあると言った感じです。

神代植物公園・・・令和7年12月2日

 もみじの見納めに神代植物公園を訪れました。園内で「紅葉ウォーク」を12月14日まで行っています。今日の園内の様子です。

(↑上の写真)左=入口の様子、中=サザンカの展示、右=女性像周辺の様子

【↓かえで園にて】

【↓園内風景】

【↓バラ園にて・・・左=バラ園全景、奥の建物は大温室】

 バラ(薔薇)はバラ科バラ属。3原種は日本のハマナス(浜梨)、ノイバラ(野茨)、テリハノイバラ(照葉野茨)。夏目漱石著『三四郎』「二人の女は三四郎の前を通り過ぎる。若い方が今まで嗅いでいた白い花を三四郎の前へ落としていった。三四郎は二人の後姿をじっと見つめていた。看護婦は先へ行く。若い方が後から行く。華やかな色の中に、白いすすきを染め抜いた帯が見える。頭にも真っ白なばらを一つ挿している。そのばらが椎の木陰の下の、黒い髪の中で際立って光っていた。……(三四郎は)小さな声で「矛盾だ」と言った。・・・(現在謂われる)三四郎池端での三四郎の心が揺れる瞬間でしたね。

【↓大温室にて】

(↑上の写真)中と右=サルオガセモドキ(猿尾枷擬き)、右=その拡大

(↑上の写真)右=出口を出て正面に広がる景色を遠望する

【↓その他の園内の様子】

(↑上の写真)左=ムラサキザクラ(紫桜)の紅葉、中=ホソバイヌビワ(細葉犬枇杷)の黄葉、右=ヒュウガミズキ(日向瑞樹)の黄葉

 ムラサキザクラ(紫桜)はWeb『AI』によると「バラ科サクラ属の園芸品種。ベニヤマザクラ系統のサトザクラ群に属する落葉樹。4月下旬から5月上旬頃に花を咲かせる。 元々は荒川堤にあった品種で、古くから知られていた(一部翻案)」ということです。また、紅葉は「カエデやモミジのような鮮やかな真っ赤ではなく、緑から黄色、オレンジ、そして赤やえんじ色へと移り変わる、落ち着いた深みのあるグラデーションが特徴。早くに落葉するソメイヨシノと異なり秋から初冬にかけてが紅葉の見頃(一部翻案)」ということです。

(↑上の写真)左=カンツバキ(寒椿)、中と右=ジュウガツザクラ(十月桜)

 ジュウガツザクラ(十月桜)はバラ科サクラ属。牧野新日本植物図鑑によると「観賞用として人家の庭に植えられる落葉性の小形高木でヒガンザクラの園芸品種である。通常小木で、10月頃から開花しはじめ、冬中少しずつ咲き、4月になって最も多く花を開く。花は淡紅白色で半ば八重咲、時には5枚の花弁をもった一重咲きもあるが、稀である」とあります。園芸種ですから、いろいろ作り変えられ、改良されるので八重咲も一重もあり、ということでしょう。人によっては八重のものは十月桜で、一重のものを冬桜と呼んでいるようです。

(↑上の写真)いずれもイソギク(磯菊)

 イソギク(磯菊)はキク科キク属。山渓カラー名鑑『日本の野草』によると「東京都、千葉県、神奈川県、静岡県の海岸の岩石地などに群生する20~40cmの多年草。茎は群れて生え、上部には銀白色の毛がある。葉は密に互生し、倒披針形で厚く、裏面には銀白色の毛が密生する。頭花は黄色で多数散房状につく。普通、舌状花はなく、筒状花だけからできている。花期は10~11月(一部翻案)」とあります。

(↑上の写真)いずれもツワブキ(石蕗)

(↑上の写真)いずれもブタナ(豚菜)

 ブタナ(豚菜)はキク科ブタナ属。ヨーロッパ原産で日本には昭和8年に札幌市で発見されタンポポモドキと呼ばれていましたが、翌年には六甲山で見つかり、ブタナと正式に命名されたということです。それ以来、北海道から本州の広い範囲に分布するようになった多年草植物。ブタナ(豚菜)はフランスでの俗名 Salade de porc(ブタのサラダ)を翻訳したものだそうです。綺麗なタンポポに似た花をつけるこの草には豚菜よりタンポポモドキの方がいいように思いますがどうですか。タンポポモドキは花茎(花をつけている茎)が二股に分かれ1本の花茎に2つの花をつけているのが特徴です。また、葉は夏でもロゼット状で地面にへばりついています。

 

小石川後楽園・・・令和7年11月26日

 東京でのもみじの見納めに小石川後楽園を訪れました。秋晴れの温かな日和で訪れる人も外国人が多く、日本の秋の一日をスマホを片手にもみじがりで楽しんでいるようでした。後楽園は、江戸時代初期、水戸徳川家の藩祖の頼房公が中屋敷に造り始め、光圀公が完成させた中国趣味の庭園ということです。紅葉が明日には散り始めるかと思われるような色づきで、趣向の凝らされた園内の風景と相まって、紅葉の美を堪能させてくれました。今日の様子です。

(↑上の写真)左=後楽園東門(水道橋駅から8分)、中=唐門遠望、右=内庭の様子

(↑上の写真)左=唐門、中と右=蓬莱島遠望

【↓園内の紅葉の風景】

【↓園内の草木の様子】

(↑上の写真)いずれもツワブキ(石蕗)

(↑上の写真)左と中=黄実のセンリョウ(千両)、右=赤実のセンリョウ(千両)

(↑上の写真)左=一つ松、中と右=同じイロハカエデなのに黄葉、紅葉にもみじしている

(↑上の写真)左=キブシ(木五倍子)、中=白糸の滝、右=円月橋

昭和記念公園・・・令和7年11月20日

 秋晴れの穏やかな日和に昭和記念公園のもみじを愉しんで来ました。その一端を紹介します。11月30日まで夜間も公開され、ライトアップされます。もみじは今日は散る寸前のいちばんきれいなときでした。これから暫らくは見頃です。おすすめです。(今回は西立川口から入園し、立川口を出ました)

【↓西立川口からの様子】   ○写真をクリックすると拡大されます。

【↓日本庭園にて】

【↓盆栽苑にて】

【↓立川口の様子】

 

武蔵国分寺跡資料館前庭・・・令和7年11月11日

 今日も深まりゆく秋を求めて武蔵国分寺跡資料館前庭の草花の様子を見に行きました。ここには、季節の花がそれぞれ楽しめるように自然の感じに植栽されています。今日の様子です。

(↑上の写真)左=資料館入口、中=資料館建物、右=前庭の様子。

(↑上の写真)いずれもナンテン南天)、左=赤実、中=黄実、右=両方が並んで。

 ナンテン南天)はメギ科ナンテン属。『APG牧野植物図鑑』によれば「関東南部地方以西、四国、九州、および中国の暖帯に分布。山林中に生え、観賞用に庭にも植栽する常緑低木」とあります。石坂洋次郎著『陽のあたる坂道』に南天の赤い実が出てきます。「学校は冬の休暇に入った。(田代家のくみ子の家庭教師をしている)たか子は(くみ子をはじめ田代家の人が留守なので)硝子戸をあけ、テラスにある下駄をつっかけて庭に下りた。……花壇のバラはすっかりすがれていた。いま、庭の樹木で色づいているものは、山茶花の白い花と南天の赤い実ぐらいのものである。黄色に枯れた芝は、タップリと日光を吸って、まるで厚いジュウタンのような感触だ。たか子は下駄を脱いで、芝の上に坐った。それから、たか子は身体を仰向けに長く伸ばして、吸い込まれるように青空に見入った」んですね。田代家の家庭教師になって、すっかり家族に気に入られて順風満帆な気持ちの時でしたね。山茶花の花の白と南天の実の赤と、青い空、この配色がたか子の今の幸せな気持ちを表していますね

(↑上の写真)左=マンリョウ(万両)、中=ナンバンギセル(南蛮煙管)=咲き終わりの状態、右=ヤツデ(八手)

 マンリョウ(万両)はサクラソウヤブコウジ属。『APG牧野植物図鑑』によると「関東地方以西の西日本と琉球列島および朝鮮半島、台湾、中国、インドなど暖帯から亜熱帯に分布し、山野の林下に生え、観賞用として植栽される常緑低木」とあります。庭に「マンリョウ」「センリョウ」とともに「アリドオシ」の3種を植えておくと「万両、千両、(お金が)在り通し」と言って「お金が絶えることなく一年中在り通す」ということです。縁起物として喜ばれる所以(ゆえん)です。なお、アリドオシは、蟻をも刺し通すという鋭い刺を持っているので「蟻通し」ですが、秋に実った赤い実が翌年の花時までついているので果実が一年中在り通すということで喜ばれているというわけです。

(↑上の写真)いずれもホトトギス(杜鵑草)

(↑上の写真)左と中=ツワブキ(石蕗)、右=キク(菊)

 ツワブキ(石蕗)(艶蕗)はキク科ツワブキ属。『牧野新日本植物図鑑』によると「本州(石川、福島県以南)から九州にかけて海岸近くに多い常緑の多年草」とあります。木内昇著『剛心』:(主人公妻木頼黄は病床にあり、妻ミナが世話をしている。)「開け放した窓から庭を眺める。『景色は毎日変わっていくな』『ええ。菊や石蕗がそろそろ咲きますね』庭のことを言ったのだろうと、ミナがそう返すと、妻木は小さく笑ってこちらに向いた。『君にはこの庭があってよかった。愛でる景色があって』土いじりの好きなミナが、毎日欠かさず庭の世話をしているのを臥したまま眺めるのが妻木の日常になっていた。(建築家である夫、妻木の心には東京の伝統的な美しさと西洋の美しさとが調和した新しい東京の景色が広がっていたに違いない。しかし、ミナが抱く病身の「夫の背中は広く、そして果てしなく温かかった。それはミナが、ずっと愛おしみ、飽くことなく眺めてきた、なにより美しい景色だった」と。

(↑上の写真)いずれもフジバカマ(藤袴

(↑上の写真)左と中=シュウメイギク秋明菊)、右=紅葉

(↑上の写真)左と中=クチナシ(梔子)、右=ユズ(柚子)

 クチナシ(口無し、山梔子、梔子)はアカネ科クチナシ属。『APG牧野植物図鑑Ⅱ』によると「静岡県以西から琉球列島、台湾、中国の暖帯から亜熱帯に分布。照葉樹林下に生え、また観賞用に栽培される常緑低木。花は初夏で、芳香がある。和名口無しは熟しても裂開しない実に基づく。また宿存する嘴(くちばし)状の萼をクチと呼び、細かい種子のある果実をナシに見立てた名ともいう。果実は染料や薬用にする」とあります。湯浅浩史文『花おりおり』には「古代の人々の関心は花の香りではなかった。司馬遷は『史記』の『貨殖列伝』で、千石の実は千戸の領土に等適する、と述べる。薬や黄色い染料に使われた。漢名の梔子は果実を酒器に見立てた名。和名は果実にある突起を嘴(くちばし)と見たクチハシからの転訛か」と述べています(一部翻案)。

(↑上の写真)左=オオバノイノモトソウ(大葉の井之許草)、中=ヤブソテツ(藪蘇鉄)、右=カタヒバ(片檜葉)

東京都多摩地区東部街中自然観察・・・令和7年11月5日

 東京都多摩地区街中の自然観察に出掛けました。今日の様子です。

 ハナミズキの紅葉が綺麗です。ヤマボウシの実が大きく色づいて見事。草花では、だんだんカタカナ名の園芸種が幅を利かせてきました。

(↑上の写真)=キク(菊)の花各種

(↑上の写真)左=スイフヨウ(酔芙蓉)、中と右=オシロイバナ白粉花

(↑上の写真)左と中=アメジストセージ、右=ヒメツルソバ(姫蔓蕎麦)

 アメジスト・セージはシソ科サルビア属。Web『AI』によると「メキシコから中央アメリカにかけて分布することからメキシカン・セージとも呼ばれるとのこと。アメジストは宝石の紫水晶、セージは健康・治癒を意味するラテン語から英語になったことば。アメジスト・セージの精油には抗菌、抗炎症、抗酸化作用があり、免疫力を高める効果が期待される薬用植物」とのこと。ここでは、アメジストのような素晴らしい紫色をしており、見事に育っていましたので、カメラに収めました。

(↑上の写真)左=オキザリス、中=ノゲシ(野芥子・野罌粟)、右=ジニア(ヒャクニチソウ=百日草)

 オキザリスカタバミ科カタバミ属。『ウィキペディア』によると「南アメリカやアフリカ等、熱帯を中心に850種ほどが知られる。日本でカタバミ科カタバミ属のみが分布。日本産の種は帰化種が多く、オキザリスは、カタバミ科カタバミ属の植物の総称のこと。和名は「花片喰(はなかたばみ)」。Web『AI』によると「オキザリスという名前はギリシャ語のoxys=酸っぱい=という単語に由来している。葉や茎にしゅう酸を含んでいるので、口に含むと酸味がある。多量に摂取すると有害」とあります。

(↑上の写真)左と中=ベゴニア、右=ゼラニューム

 ベゴニアはシュウカイドウ科ベゴニア属。Web『ウィキペディア』によれば「ベゴニア (Begonia) とは、シュウカイドウ科シュウカイドウ属(ベゴニア属、学名 Begonia)に属する植物の総称である。熱帯〜亜熱帯地方の原種を交配し、多くの種や品種がつくられたため、それらの性質は多様である共通する特徴は、葉の形が左右非対称でややゆがんだ形であること、花は雌雄別であり大抵の種は、雄花は4枚、雌花は5枚の花びらをもつことなどである。鑑賞のために栽培されるベゴニアの多くは多年草の草花であるが、球根性のもの、木立性のものもある。また、観葉植物とするものもある。ベゴニアの名はフランス人ミシェル・ベゴン(Michel Begon, 1638-1710) の名に由来する。ベゴンはフランス領アンティル諸島の総督(在職1682-1685)。ベゴニアは、適切な管理をすれば冬越しできるが、種類や環境によって方法が異なる。ほとんどの場合、冬は室内に取り込み、最低でも5~7℃以上の暖かい場所で管理する。日当たりのよい窓辺が理想、エアコンの風が直接当たらないように注意が必要。水やりは控えめにし、土がやや乾いてから与える」ということです。雄花と雌花の花びらの数が違うことを今回確認したいです。(神代植物公園大温室のベゴニア室で各種ベゴニアが一年中見られます。)

(↑上の写真)左=アベリア、中と右=ランタナ

 ランタナクマツヅラ科シチヘンゲ属。和名は七変化。『APG牧野植物図鑑』によると「熱帯アメリカ原産のやゝ蔓性の落葉低木。開花後、時間がたつと次第に花色が変わり、外側と内側では花色が黄色から橙色、濃赤色(内側が新しい)と変化するので和名では「七変化」「紅黄花」とも呼ばれる。Web『ウィキペディア』によると「世界の侵略的外来種ワ-スト100に選定されている。熱帯・亜熱帯では広く野生化し、オーストラリアや東南アジアではやっかいな雑草として問題になっている」という。よく街中でも見かけますが、草ではなく木だったんですね。それに花色が黄色から濃赤色に変わるというのも育ててみないと分かりませんね。侵略的外来種ということですが、熱帯のものなので日本で冬を越すのは大変。しかし、小笠原や沖縄では侵略的増殖をしているようです。きれいな花です。本土では大丈夫と思いますが、要注意です。

(↑上の写真)左=チロリアンランプ、中=ニチニソウ(日々草)、右=マリーゴールド

 チロリアンランプアオイ科ショウジョウカ属。Web『ウィキペディア』によると「ブラジル原産の常緑低木。吊り下げたランタンに見立てられる赤と黄色のコントラストが、鮮やかな花を咲かせ、温室栽培や、鉢植え・地植えの庭木として観賞用に栽培される。ブラジル原産で、現在は世界の熱帯・亜熱帯に広く分布。日当たりの良い場所か明るい日陰、水はけの良い土壌を好む。日本へは、繊維植物として、インドから中国経由で輸入された(いつ頃かは不明)。チロリアンランプという呼称は園芸植物として呼ばれる場合で、標準和名はウキツリボク(浮釣木)。この和名は細い花柄からぶら下がった花が宙に浮いているように見えることから(一部翻案)」ということです。Web:EVERGREEN『植物図鑑』には「高さ1.5mほどになる常緑低木。葉は互生する単葉。花は葉腋に単生し、長い花柄で吊り下がる。花は径3cmほどの黄色い5弁花で、花弁は風鈴状にまるくふくらんだ赤い萼から顔を出す。雄ずい筒は紫色を帯び、花から突き出る。果実は分果。増殖は挿木による。関東地方以南の暖地では戸外越冬可能(一部翻案)」ということです。

(↑上の写真)左=ユリオプスデージー、中と右=メドーセージ

 ユリオプス・デージーはキク科ユリオプス属。別名(漢名)は黄金菊(こうきんきく)。Web『AI』によれば「原産地は南アフリカでキク科ユリオプス属の常緑低木。鮮やかな黄色の花を長期間咲かせる。ユリオプス(Euryops)とは、ギリシャ語の「eurys(大きな)」と「ops(目)」を組み合わせた言葉で、「大きな目を持つ」という意味。これは花の形に由来。デージーdaisy)は、「Day's eye」(太陽の目)の転訛で、太陽の光で花を開く様子に由来する」ということです。草花かと思いましたが、茎はしっかり木質なので「低木」で納得です。

(↑上の写真)左と中=イワルリソウ=ルリマツリモドキ(瑠璃茉莉擬き)、右=ペラペラヨメナ=ゲンペイコギク(源平小菊)

 ルリマツリモドキ(瑠璃茉莉擬き)はイソマツ科ルリマツリモドキ属。Web:EVERGREEN『植物図鑑』によると「高さ30~60cmになる多年草~落葉亜低木。地下茎を伸ばしてよく広がる。茎はよく枝分かれし、稜があり、赤色を帯びる。葉は互生する単葉で、長さ5cmほどの倒卵形、秋に紅葉。花は枝先に密につき、るり色で、花冠は5裂。果実は蒴果。日本には明治時代末期に渡来した」とあります。似た名前にルリマツリがあります。ルリマツリモドキとの違いについて、Web『AI』によれば「ルリマツリ常緑低木であるのに対して、ルリマツリモドキは多年草です。 したがって、ルリマツリの方が木化し、枝や茎が固い印象がある。 ルリマツリモドキでは柔らかい。 しかし、ルリマツリも若いうちは柔らかい部分が多く、個体によっては、区別は難しい」とあります。いずれにしても瑠璃色の花の形は似ているようですが、ルリマツリの花のつき方は一見アジサイのようですから区別がつきそうです。さらに、ルリマツリモドキは落葉であり、ルリマツリは常緑なので、冬には区別がつくでしょう。

(↑上の写真)左と中=ムラサキオオツユクサ(紫大露草)=ムラサキゴテン(紫御殿)、右=コスモス(秋桜) 

 ムラサキオオツユクサ(紫大露草)はツユクサムラサキツユクサ属。別名ムラサキゴテン(紫御殿)。『日本帰化植物写真図鑑』によると「メキシコ原産の多年生草本。株全体が暗紫色を帯びる。長い間無名のままで栽培されていたが、1955年に学名が付けられた。我が国へは戦後に渡来し、近年急速に広がったとされる。沖縄では花壇の縁取り、屋敷囲いの下草などに利用され、しばしば逸出したものが野生化したものが見つかる」ということです。

(↑上の写真)いずれもノコンギク(野紺菊)

(↑上の写真)左と中=ホトケノザ(仏の座)、右=ナズナ(薺)

(↑上の写真)左と中=ウド(独活)、右=サザンカ山茶花

(↑上の写真)左と中=ナワシログミ(苗代茱萸)、右=ヤツデ(八手)

(↑上の写真)左と中=ヤマボウシ(山法師)、右=コムラサキ(小紫) 

 ヤマボウシ(山法師)はミズキ科サンシュユ属。『APG牧野植物図鑑』によると「本州、四国、九州及び朝鮮半島の温帯に分布。山野に普通に見られる落葉高木」とあります。この時期、実が美味しそうに稔っています。ヤマボウシの実は食べられますが種子は食べないこと。どの本にもその理由は載っていません。Web『AI』によると「ヤマボウシの実は、皮をむいて生食する、ジャムにする、ドライフルーツにする、果実酒にする、シャーベット状にして食べる、スカッシュにする、など多様な方法で食べられます。生食する際は、よく洗って外皮を剥き、柔らかい果肉をスプーンですくうか、そのままかじります。果肉の中に種があるため、種は食べないようにします。また、ヤマボウシの効能として、「滋養強壮」「疲労回復」「目の疲れの緩和」「整腸作用」などが挙げられます。これらは主に果実に含まれるビタミンやカロテン、アントシアニンなどの成分によるものです。特に、果実を乾燥させてから食べると、下痢や腹痛の緩和、腸を整える効果が高まると言われています。しかし、これらの効能は民間療法や伝承によるものであり、現代医学的な医薬品の効能とは異なることがあります」ということです。あまりたくさん食べないこと、種子は絶対食べないこと。「君子、危うきに近寄らず」が良いでしょう。

(↑上の写真)左と中=クロガネモチ(黒鉄黐)、右=トキワサンザシ(常盤山査子)

 クロガネモチ(黒鉄黐)はモチノキ科モチノキ属。『APG牧野植物図鑑』によると「関東地方以西から琉球列島、および朝鮮半島、台湾、中国、インドシナの暖帯から亜熱帯に分布。山野に生え、庭木として栽植もする常緑高木。花は初夏に咲き、今年の枝につき、雌雄異株。果実は径5mm位、初冬に熟す」とあります。Web庭木図鑑『植木ペディア』によると「若い枝や葉柄が黒紫色であること、葉が乾くと鉄色になることから鉄の呼称である「黒鉄」を冠してクロガネモチと名付けられた。東日本ではモチノキほど普及していないが、その名が『苦労がなく金持ち』に通じると洒落こみ、縁起木として知られる。雌雄異株で雄株には雄花が、雌株には雌花が咲くが、いずれも直径4ミリほどで目立たない。湯浅浩史文『花おりおり』に「何気なく見過ごしていた常緑樹が、この時期に一変する。夏から鈴なりの実をつけるが、青く地味。それが色づき、暖地では華やかな街路樹が現れたりする。赤い実は越年、4月ごろまで残る。名は葉がモチノキより黒ずむのに由来」ということです。

(↑上の写真)左=コトネアスター、中=ハナミズキ(花水木)、右=カナメモチ(要黐)の園芸種レッドロビン

 コトネアスターは、バラ科シャリントウ属(Cotoneaster)の常緑低木。Web『ウィキペディア』によると「コトネアスターのコトネ(cotone) はマルメロの古いラテン語表記、-aster は「-に似ているもの」であり、属名は「マルメロに似ているもの」という意味を持つ。サンザシ属と類似しているが、葉の部分に鋸歯がない、枝に棘が生えないなどの差異がある。インド北部、チベットを原産地とする。分布は中国にまで広がっているが、日本には自生していない」とあります。サンザシと似ていますが実も幹も可愛らしいですね。(註)Web『AI』によると「マルメロとは、中央アジアが原産のバラ科の果実で、黄色くゴツゴツした洋梨のような形をしています。硬くて渋みと酸味が強いため生食はできず、一般的にはジャム、シロップ漬け、果実酒などに加工して利用されます。また、「マーマレード」の語源になったとも言われています」とあります。

(↑上の写真)左=キンカン(金柑)、中=ウンシュウミカン(温州蜜柑)、右=畑の広がる多摩地区田園風景

多摩森林科学園・・・令和7年10月28日

 この時期、訪れる人も少ない多摩森林科学園(JR高尾駅から北へ徒歩10分)でゆっくり自然に親しみたいと思い、足を向けました。アズマヤマアザミ、サラシナショウマがたくさん咲いていて歓迎してくれました。じっくり観察できました。今日の多摩森林科学園の自然の様子です。科学館ではクマの生態写真展をしていました。自然の中のクマの親子の生態が生き生き伝わってきました。なお、第3樹林地はまだ立ち入り禁止です。

(↑上の写真)左=入口、中=、第1樹林地の風景、右=サクラ(桜)保存林を望む

(↑上の写真)いずれもノコンギク(野紺菊)

 ノコンギク(野紺菊)はキク科シオン属。 『APG牧野植物図鑑』によると「北海道南西部以南の山野に多い多年草。茎はよく分枝し、葉とともにざらつく。多くの変種がある」とあります。多くの変種が存在するというので一般には図鑑で調べて見ても区別がつきにくいです。どれもノギク(野菊)にちがいはなく、花の紺色が濃かったらノコンギク、花が白っぽかったらシロヨメナとし、しかし、葉がざらつくようだったらノコンギクです。ノギク(野菊)については、いがりまさし著『日本の野菊』に「日本のスミレといえば、スミレ科スミレ属の植物がだいたい一致する。ところが野菊の場合は、そういうくくりの範疇がない。キク科キク属、シオン属で括るとアズマギク(ムカシヨモギ属)やハマギク(ニッポナンテムム属)が入らない。従って、本書としては、野菊の範疇をキク属およびシオン属とその周辺とした。(ですから)キク科の中の<野菊>は、きっちり区分けできるものではなく、日本人の美観がつくりだした日本固有のカテゴリーと言ってよいだろう」と解説しています。

(↑上の写真)いずれもアズマヤマアザミ(東山薊)

 アズマヤマアザミ(東山薊)はキク科アザミ属。『APG牧野植物図鑑』によると「関東から中部地方の山地に生える多年草」とあります。東京近郊の山地には随所で見られます。葉は茎を抱かず、花は総苞(花の根元を囲んでいる部分)が細く、花柄が無く葉腋から数個が勝手気ままに飛び出している感じです総苞は粘着せず、反り返りもしません。『第2樹林地内の解説板』に「森の中の背の高いアザミで、冬はロゼット葉を広げている。花茎が伸びてくるとロゼット葉は枯れて、茎葉だけになる。花は秋に開花し、アザミ類の中では頭花が小さく細い」と解説されています。

(↑上の写真)左=トネアザミ(利根薊)、中と右=ノハラアザミ(野原薊)

 トネアザミ(利根薊)は、別名=タイアザミ(大薊)。『APG牧野植物図鑑』によれば「関東地方北部から中部地方中部にかけての太平洋側の山地帯や低地の林縁に生える多年草。高さ1~2m。花期は夏から秋。頭花は紅紫色で総状につき、下向き、花柄は短い。総苞は広鐘形か鐘形。和名は群馬県の利根に因む」ということです。アズマヤマアザミに比べると総苞は太く釣鐘状という感じはします。また、総苞の刺は大きく外に飛び出ています。

 ノハラアザミ(野原薊)はキク科アザミ属。『APG牧野植物図鑑』によると「本州中部以北の山中で乾いた草地に生える多年草。高さ1m内外」とあります。頭花は紅紫色で、枝の先に上を向いて咲きます。総苞片に触ると、春に咲くノアザミはネバネバしていますが、秋に咲くノハラアザミはネバネバしていません。夏など両方咲いている場合は、このことが識別点になります。

(↑上の写真)いずれもサラシナショウマ晒菜升麻) 

 サラシナショウマ晒菜升麻)はキンポウゲ科サラシナショウマ属。Web『ウィキペディア』によると「北海道・本州・四国・九州の範囲と、中国北部の低山帯から亜高山帯に分布する多年生草本で、山地の落葉樹林下や半日陰の草地に自生する。草丈は40~150 cmで直立し、長い柄の2 - 3回3出の羽状複葉が互生。花は、夏から秋に多数の小さな白い花を20~30cm花穂に密集して咲かせる」とあります。花の様子は上掲写真のようです。草姿は大ぶりで、茎の高さも花穂の大きさも一際目立ちます。なお、和名サラシナショウマサラシナ(晒菜)は「若葉を煮て、水で晒し、味付けをして食べることによる(APG牧野植物図鑑)」とあります。お浸しにして食べたということです。ショウマ(升麻)は、根茎を升麻(ショウマ)といい日本薬局方に収録された生薬で、解熱、消化不良などに効果があるそうです。葉も根も有効利用されるというわけです。

(↑上の写真)いずれもミズヒキ(水引)、中=花を上から見たもの、右=同じものを下から見たもの

 ミズヒキには、花びらはなく、花びらのように見えるのは萼(がく)だそうです。萼片は上の3枚が赤く、下の1枚が白い。そのため花序を上から見ると(普通に見ていると)赤く、下からは(裏返して写真のように見ると)白く、それが紅白の水引に似ることから名づけたといいます。実際にやってみたものが上掲写真です。この時期が試してみるチャンスです。

(↑上の写真)いずれも実をつけたクサギ(臭木)

 クサギ(臭木)はシソ科クサギ属。『APG牧野植物図鑑』によると「北海道から琉球列島まで、および朝鮮半島、台湾、中国の温帯から亜熱帯に分布し、山野に生える落葉低木ないし小高木」ということです。『雪国植物園の花々300選』には「枝を傷つけると強い臭気がするので、可哀そうな(臭木という)名がつけられた。でも真夏に咲く花も、秋の果実も絶品ともいえる個性的な美しさを誇っている」とあります。この紅紫色のものは花びらではなく萼の変化したものです。普通の花では、萼は落ちてしまうことが多いですが、臭木では、この紅紫色の萼がいつまでも落ちずについています。つまり宿存性です。黒青色の実が黒青色をさらに濃くするころには、萼の紅紫色はますます色鮮やかになります。上掲写真の撮影はちょうどいいタイミングでした。

(↑上の写真)左=クズ(葛)の実、中=ヤブミョウガ(藪茗荷)の実、右=ヤブコウジ(藪柑子)の実

(↑上の写真)左=トキワサンザシ(常盤山査子)の実、中=コムラサキ(小紫)の実、右=セイヨウヒイラギ(西洋柊・疼木)の実

 トキワサンザシ(常盤山査子)は、バラ科トキワサンザシ属。Web『花と緑の図鑑』によると「実の美しいトキワサンザシやヒマラヤトキワサンザシ、タチバナモドキなどとその改良品種を一括してピラカンサと呼んでいる(一部翻案)」ということです。園芸種ということでいつも活用している『APG牧野植物図鑑』には載っていません。多くの方は、これはピラカンサと思われていたと思いますが、園内(科学館の前庭)の名札には「トキワサンザシ」と書かれ(R071028現在)、別名など書かれていませんでした。属名がトキワサンザシなのですから、トキワサンザシで問題はないと思いますがどうでしょうか。

(↑上の写真)いずれもシダ(羊歯)、左=オオバノイノモトソウ(大葉の井之許草)、中=ゲジゲジシダ(蚰蜒羊歯)、右=イノデ(猪の手)