野楽力研究所

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(八王子市立)片倉城跡公園・・・令和5年3月9日

 春を感じに訪れました。少し早すぎたようですが、カイコバイモ(甲斐小貝母)が見られました。スハマソウは各色で咲き始めていました。アズマイチゲも咲いていました。セツブンソウはもう終わりですが、まだ見られました。今日の様子です。訪れるにはカタクリの咲く、もう少し後がいいようです。

(↑上の写真)左=「春を感じて」の女性像、中=春を感じたヒキガエル、右=園内様子

(↑上の写真)いずれもスハマソウ

 スハマソウ(州浜草)は別名ミスミソウともいわれキンポウゲ科スハマソウ属。APG牧野植物図鑑によると「本州と四国の山地の樹陰などに生える多年草。葉は根生し束生、冬も枯れない。新葉は花後に展開する。花の花びらのように見えるものは萼片で、数は6~8枚、白色や紅色、紫色を帯びる」とあります。従って、花弁(花びら)のように見えるのは萼片で花弁は退化して無くなったということです。和名の州浜草は葉形が州浜に似ていることに基づきます。この形の家紋を「州浜紋」といい、常陸の小田家をはじめ太平洋側の武将に使われています。従って、スハマソウは太平洋側に多かったようです。富山県など北陸地方では、葉が州浜のように丸みを帯びず、三角形に尖った形のミスミソウ(三角草)が多いようです。互いに変種のようです。

(↑上の写真)いずれもアズマイチゲ

(↑上の写真)いずれもカイコバイモ

 カイコバイモ(甲斐小貝母)はユリ科バイモ属の多年草ウィキペディアによると「本州の東京都および静岡県山梨県の富士山周辺に分布し、落葉樹林下や林縁または常緑樹林の林縁に生育する」とのことです。ここは自生地ですが絶滅危惧ⅠB類(EN)に指定されています。日本固有種です。和名カイコバイモは、甲斐(山梨県)の小さな貝母(バイモ)の意味。この地で咲く貝母(まだ花は咲いていませんが)の下の写真と比べると小さいですが葉の形など似ていると思います。

(↑上の写真)左=まだ見られたセツブンソウ、中=バイモ(貝母)、右=ヒメオドリコソウ