野楽力研究所

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JR高尾駅→高尾梅郷遊歩道→蛇滝手前・・・令和5年3月16日

 ここ数日、暖かい日が続き、靖国神社の標本木ソメイヨシノも開花しました。ここ高尾梅郷遊歩道のウメは送梅となっていましたが、コブシは見事に咲き、遊歩道沿いの山野草は目覚め、一斉に花をつけはじめました。ニリンソウハナネコノメ、ヒメアマナが見られました。京王線高尾駅の南側の大光寺ではエドヒガンが今満開です。今日の様子です。

(↑上の写真)左=上椚田橋の遊歩道入口標識、中=梅の花が終わった遊歩道、右=まだ残花の紅白梅

(↑上の写真)いずれもコブシ

(↑上の写真)左=トサミズキ、中=ヒサカキ、右=ユキヤナギ

(↑上の写真)いずれもハナネコノメ

 ハナネコノメ(花猫目)は、ユキノシタ科ネコノメソウ属。APG牧野植物図鑑によると「近畿地方以東の山の谷川の岸などの湿ったところに生える多年草で4枚の花びら(花弁)のように見えるものは4枚の萼片」だそうです。8本の雄しべがあり、その先端(葯)は赤色で、萼片より飛び出ています(上掲写真参照)。それが可愛らしく目立ちます。Web「旅trippers」によると「個体による変異が多様で、一般的な葯は赤色ですが、オレンジ色や黄色も存在しています(野山耕註:確認したいです)。白い萼片は赤みを帯びたり、緑色をしている個体もあります。日本固有種」ということです。名前の由来のネコノメソウは、実(蒴果)が猫の目を思わせる形をしているので名づけられたのですが、ハナネコノメの実も同じように猫の目が薄目を開けているように見えることと花が小さいですが派手に見えるのでハナ(花)がついて名づけられたようです。

(↑上の写真)左=アブラチャン、中=ヨウラクラン(花は終わり)、右=キブシ

(↑上の写真)いずれもヒメアマナ

 ヒメアマナ(姫甘菜)はユリ科キバナノアマナ属。APG牧野植物図鑑によると「北海道、本州、九州の川辺など低湿な原野に稀に生える多年草。花は早春、高さ10cmくらいの花茎と葉を1枚ずつ出し、葉は長さ10~20cm、径2mm。茎の上部に大小2片の葉状苞葉が接してつく。花は径1、5mm位、黄色で2cm位の細い花柄を持ち数個が散形花序につく。和名姫甘菜は、アマナに似るが小形の意」とあります。訪れた人はキバナノアマナと言っていましたが、キバナノアマナより葉の径が2mmと弱々しく、花の数がキバナは4~10個ですが、姫は2個前後ですから、上掲写真と解説を総合してヒメアマナとしました。

(↑上の写真)いずれもユリワサビ

 ユリワサビ(百合山葵)はアブラナ科ワサビ属。吉野光子共著「花のハイキング」高尾・陣馬篇によると渓流のほとりに生える多年草。ワサビと同属のワサビ属。同じ香味を持つが、根茎は太くならない。冬季に葉柄下部が残存してユリの鱗茎のようになることからの名というとあります。(野山耕註:ユリの鱗茎(りんけい)=ゆり根と呼ばれる部分。実際は養分を蓄えた肉厚の葉)鱗茎の肉厚の葉は翌年ばらけて新芽を発芽させるそうです。

(↑上の写真)左=ジロボウエンゴサク、中=ミヤマカタバミ、右=ニリンソウ

(↑上の写真)左=エンレイソウ、中=セントウソウ、右=蛇滝への道

【↓大光寺境内にて】

(↑上の写真)いずれもエドヒガン

(↑上の写真)左=大光寺本堂(左の桜がエドヒガン)、中=タツタソウ、右=乙女椿