野楽力研究所

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東村山市立北山公園・・・令和6年5月6日

 北山公園は花菖蒲で有名です。5月下旬から6月下旬にかけてが見頃です。今は静かにその時を待っているという雰囲気です。公園内の田んぼでは、田植えの準備が始まっています。畦には、野草が花を終えて種づくりに勤しんでいるといった感じです。北側は八国山の緑が明るく輝いています。西端にある北山小学校からは、子供たちの元気な声が聞こえてきます。木陰のベンチでは、訪けれた方が憩われていました。今日の自然の様子です。

(↑上の写真)左=善行橋を渡った東入口、中=アヤメ(文目)、右=キショウブ黄菖蒲

(↑上の写真)左=カラタネオガタマ(唐種招霊)、中=花菖蒲園の様子、右=オギ(荻)

(↑上の写真)左=オオジシバリ(大地縛り)、中=種子を作り終えたオランダミミナグサ(阿蘭陀耳菜草)、右=イモカタバミ(芋片喰)

(↑上の写真)左=ギシギシ、中=ハハコグサ(母子草)、右=ユウゲショウ(夕化粧)

(↑上の写真)左=イヌムギ(犬麦)、中=チガヤ(茅)、右=ミツバツチグリ(三葉土栗)

 チガヤ(茅、茅萱、千萱、白茅)はイネ科チガヤ属。『APG牧野植物図鑑』によると「アジア、アフリカの温帯から熱帯の原野や山地に群生する多年草」ということです。花穂が開くと白い綿毛が可愛らしく、チガヤの花を「茅花(つばな)」といって、仲春を彩る季語にもなっています。しかし、『ウィキペディア』によると「世界的には、特に、熱帯から亜熱帯にかけての雨季と乾季のはっきりした地域ではチガヤは非常によく繁殖し、『世界最強の雑草』といわれ、世界の侵略的外来種ワースト100に入っている。また、東南アジアなどでは、森林を破壊するとアランアランと呼ばれるチガヤ草原になりやすく、そうなると遷移が妨害されてなかなか森林が回復しないと言われる」とのことです。

(↑上の写真)左=キツネノボタン(狐牡丹)、中=ケキツネノボタン(毛狐牡丹)、右=オオイヌノフグリ

 キツネノボタン(狐牡丹)もキツネノボタン(毛狐牡丹)もキンポウゲ科キンポウゲ属。キツネノボタンは日本各地と朝鮮南部に分布しているそうですがケキツネノボタンはそれより広く、台湾、中国南部の暖帯から亜熱帯に分布しているとのこと。どちらも田の畔などの湿地に生える越年草。ケキツネノボタンは毛深いということですが、キツネノボタンにも多少毛の生えたものがあるということなので、毛の有無だけでは同定が難しいことがあります。上掲写真では区別できます。ところで、葉の切れ込み方を見るとキツネノボタンは切れ込みが柔らかい感じを受けます。ケキツネノボタンは切れ込みが深く切れ込んだ葉の先端は鋭く尖っています。上掲写真でもその特徴がはっきり分かると思います。まず、葉の切れ方を調べ、つぎに毛の生え具合で同定したらどうでしょうか。

(↑上の写真)左=オオバコ(大葉子)、中=クサノオウ(瘡の王・草の黄)、右=イヌガラシ(犬芥子)