野楽力研究所

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新宿御苑・・・令和6年1月18日

 上空には薄雲が広がっていましたが、気温は13℃と温かな日和になりました。ニホンズイセン、ホワイトペーパー、ジャノメエリカが綺麗に満開です。アツバキミガヨラン、キダチアロエも咲いています。ソシンロウバイがかなり開花しています。今日の様子です。

(↑上の写真)左=新宿御苑新宿門、中=(ニホン)スイセン水仙)、右=ペーパーホワイト

 スイセン水仙)はヒガンバナ科スイセン属。地中海沿岸の原産。日本へは中国から伝来したとされ、関東以西の暖地の海岸近くに群生する多年草。ニホンズイセンはスイセンの変種とされ、同一属に含まれる植物としてスイセンと呼ばれることが多い。和名の水仙は漢名の音読み。学名はNarcissus tazetta(ナルシサス・タゼッタ)。学名のナルシスはラテン名、種小名のタゼッタは、スイセンの副花冠の形から、イタリア語で「小さなコーヒー茶碗」の意味。ナルシサスは、ギリシャ神話の美少年ナルキソスに由来し、ナルシストの語源。その謂れは以下のようです。ブルフィンチ作『ギリシャローマ神話』によると「或る日のことナルキソスが泉に映った自分の影を見て、この影はこの泉に住んでいる美しい水の精だと信じてしまいました。その影に見惚れてしまい、その影に恋するようになってしまいました。ところが、水の中に手を入れてその影を抱きしめようとするとその影はたちまち消えて、手を泉から上げるとすぐまたいっそう愛らしく微笑みかけるのでした。ナルキソスはその場を離れることが出来なくなり、その面影を抱いたまま、その場で亡くなってしまいました。その森のニンフたちはそれを見てナルキソスに同情し、その場に優しく埋葬してあげました。ところが春になると思わずその場所からきれいな花が咲くようになりました。ニンフたちはその花をナルキソス(スイセン)と名づけました」ということです。(各種図書、図鑑、Webを参照し、翻案してあります。なお、横文字は各言語によって読み方に違いがあります。)

(↑上の写真)左と中=ツワブキ(石蕗)、右=ノゲシ(野芥子)

(↑上の写真)左=アツバキミガヨラン(厚葉君が代蘭)(ユッカ)、中=アオノリュウゼツラン青竜舌蘭)、右=キダチアロエ(木立アロエ

 アオノリュウゼツランはクサスギカズラ科リュウゼツラン属。メキシコ原産の多年生の常緑大草本。「センチュリープラント」とも呼ばれます。100年目に開花することが由来となっています。実際は、熱帯では10~20年、日本では30~50年に一度開花するようです。1回結実性植物なので一度開花するとその株は枯れてしまいます。上掲写真は昨年7月に開花したもので、今は枯死が進んで、根元に根生状に着いている葉が萎れて枯れています。植物の基本種は葉に斑が入っていない物を指すため、リュウゼツランはこの斑の入っていない「アオノリュウゼツラン」のことを本来指すところですが、斑入りの品種が日本に先に入り、その斑入り品種が「リュウゼツラン」という名前で普及してしまいました。そのため基本種である斑なし品種をあえて「アオノ」を前につけて「アオノ・リュウゼツラン」と呼ぶことになったということです。この植物にもいろいろ歴史が刻まれているようです。(「牧野新日本植物図鑑」「日本日本帰化植物写真図鑑」各種Webを参照し翻案しました)

(↑上の写真)左=ジャノメエリカ(蛇の目エリカ)、中=ミツマタ(三椏)、右=ソシンロウバイ(素心蝋梅)

(↑上の写真)左=ジュウガツザクラ(十月桜)、中=コフクザクラ(子福桜)、右=ヒマラヤザクラ(ヒマラヤ桜)

(↑上の写真)左=ナンテン南天)、中=クマザサ(隈笹)右=タギョウショウ(多行松)

(↑上の写真)いずれも日本庭園の情景

【↓温室の中の様子】

(↑上の写真)左=温室入口、中と右=ニチニチソウ日々草

(↑上の写真)左=タマツヅリ(玉綴り)、中=ツタスミレ(蔦菫)、右=アンスリウム

(↑上の写真)左=ロウソクノキ(蝋燭木)、中=オオベニゴウガン、右=オオシロゴウガン

(↑上の写真)いずれも温室の花