野楽力研究所

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津久井湖畔展望園路・・・令和5年11月6日

  この園路は、山側は城山、谷側は津久井湖の眺望が広がっています・園路は整備され平らな路になっていて歩きやすいです。津久井湖観光センターには大きな駐車場があり、そこから歩きはじめます。ゆっくり歩いて往復1時間、家族連れでは城山にのぼるのもお奨めです。この時期は、めぼしい花の時期は過ぎていますが、ボタンクサギの大きな花、ハキダメギクの小さなよく見るとかわいらしい花が咲いています。今日の様子です。

(↑上の写真)左=園路からの紅葉し始めた津久井湖の眺め、中=ボタンクサギ(牡丹臭木)、右=ホナガタツナミソウ(穂長立浪草)

 ホナガタツナミソウ(穂長立浪草)はシソ科タツナミソウ属。「APG牧野植物図鑑」によると東海近畿地方の山地の木陰に生える多年草。Web「野山の草花、木々の花」によるともう少し分布域は広く「福島県以西の本州・四国・九州の、林の中のやや湿り気のある所などに生育する多年草」とあります。穂長とは花の丈が長く感じるところを表現したもののようです。タツナミソウは立浪草の花が、浪が立ち上がったような姿に見えることを言ったもの。その花の立ち上がりの様子からホナガタツナミソウ(穂長立浪草)といったものでしょう。普通、花期は6・5月ということですから、今咲いているのは今年の夏以降高温が続いたので、思い出咲き(返花)したようです。

(↑上の写真)左=タイアザミ(大薊)、中=アズマヤマザミ(東山薊)、右=トリカブト(鳥兜)

(↑上の写真)ノブキ(野蕗)の花から種子ができる順序(左の写真から右の写真へ)

 ノブキ(野蕗)はキク科ノブキ属。「APG牧野植物図鑑」によると「日本各地および南千島朝鮮半島、中国、ヒマラヤなどアジアの暖帯から温帯に分布し、山地の木陰や湿気の多いところに生える多年草。花は夏から秋。中央に雄花(註:他のWebなどでは両性花としている)、周辺に雌花がつく。痩果は粘腺点を密生し他物につく」とあります。Web:「野山の草花、木々の花」によると「頭花は白く、両性花が多数固まって付き、周囲に雌花が付く。雌花には腺体がある。結実しない両性花が落ちた後に、雌花の果実だけ放射状形に残り、先端部分の柄の太い腺毛が目立つようになる。痩果は熟すと黒くなり、長さ6-7mmの先の太い棍棒状、腺毛があり衣服に付着する」とあり、Web:「松江の花図鑑」によると「頭花はまわりに雌花、中心部に両性花があり、両性花は結実しない」とうことです。即ち「中心部に固まっている花は両性花だが結実しないで、その雄花の花粉は周辺の舌状花の雌花につき、結実する。痩果は棍棒状で黒くなり腺毛から粘液が出て他物に付着する」ということのようです。今後、観察を続けたいですね。

(↑上の写真)左=ノコンギク(野紺菊)白花、中=ヤマゼリ(山芹)、右=ウシハコベ(牛繁縷

(↑上の写真)左=ハキダメギク(掃溜菊)、中=アキノタムラソウ(秋の田村草)、右=ヒヨドリバナ(鵯花)

 ハキダメギク(掃溜菊)はキク科コゴメギク属。道ばたなどに生える一年草。北米原産で明治時代には渡来していたといわれます。牧野富太郎氏が大正時代世田谷のゴミ捨て場(掃きだめ)で発見し、ハキダメギクと名付けたといいます(牧野新日本植物図鑑やWeb参照)。小さな花で見過ごしてしまいがちですが、花びらをよく見るとサクラの花びらのようで可愛らしいです。ハキダメギクでなくヒメコギク(姫小菊)という名はどうでしょうか。

(↑上の写真)左=ベニバナボロギク(紅花襤褸菊)、中=イヌショウマ(犬升麻)、右=コセンダングサ(小栴檀草)

 コセンダングサ(小栴檀草)はキク科センダングサ属。「APG牧野植物図鑑」によると「世界の暖帯から熱帯に広く分布。日本では本州以南の都会の荒地に帰化して群生する一年草。白色の小さな舌状花のある型をコシロノセンダングサという」とあります。「日本帰化植物写真図鑑」によれば「日本には江戸時代に渡来し、本州中部以西の荒地などに群生する。センダングサに比べて舌状花を欠く」とあります。元々のセンダングサの名は奇数羽状複葉の葉の形がセンダンに似ているからということだそうです。

(↑上の写真)左=イヌホオズキ(犬酸漿)、中=雑種タンポポ(蒲公英)、右=カラスウリ(烏瓜)