野楽力研究所

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神代植物公園・・・令和5年10月26日

 神代植物公園だは「バラフェスタ」を11月12日まで、「菊花展」は10月28日~11月19日まで開催されます。十月桜が咲いていました。オオハナワラビも咲き始めです。タラヨウ、ヒイラギの赤い実、ケンポナシの変わった形の実が見られました。ダリア園では綺麗なダリアが見事です。今日の様子です。

(↑上の写真)左=入口の女性像、中と右=ジュウガツザクラ(十月桜)

(↑上の写真)左=オオハナワラビ(大花蕨)、中=セキヤノアキチョウジ(関屋の秋丁字)、右=マルバフジバカマ(丸葉藤袴

 セキヤノアキチョウジ(関屋の秋丁字)はシソ科ヤマハッカ属。「APG牧野植物図鑑」によると「関東地方と東海地方の山地の木陰に生える多年草という。対して「アキチョウジ(秋丁字)は、岐阜県以西の本州と四国、九州の山の木陰に生える多年草」とあります。分布域が異なり、ここ神代植物公園はセキヤノアキチョウジの分布域ということになりますが、植物園ですからアキチョウジを植栽しているかも知れません。そんなことで上掲写真は一応セキヤノアキチョウジと判断してみましたが、どうでしょうか。綺麗な草姿のタイプ標本になるような花が見つからず苦労します。なおセキヤノアキチョウジとは「ウィキペディア」によると「関屋の秋丁字」の意で、「箱根産の秋丁字」の意味。「関屋」とは関所のことで、この場合の関所とは箱根関のこと。タイプ標本が、1862年に箱根で採集されたものであり、同属のアキチョウジに似ていることによる。アキチョウジは、「秋丁字」の意で、秋に花が丁子形に開くことによる。「せきやのあきちょうじ」は牧野富太郎 (1898) による命名である」とあります。

(↑上の写真)左=シラヤマギク(白山菊)、中=フサフジウツギ(房藤空木)、右=キミガヨラン(君が世蘭)

(↑上の写真)左=タラヨウ(多羅葉)、中=ヒイラギ(柊)、右=ケンポナシ(玄圃梨)

 タラヨウ(多羅葉)はモチノキ科モチノキ属。「APG牧野植物図鑑」によると「静岡県以西、四国、九州、および中国大陸中部の山地に生える常緑高木。「ウィキペディア」によると「日本では、戦国時代にこの葉の裏に文字を書いて情報のやりとりをしたという話もあり、これが「葉に書く」のでハガキ(葉書)の語源になったといわれ、葉書の木、郵便局の木と呼ばれるようになった」ということです。田中修著「植物はすごい」によると「印度では、ヤシ科のタラジュ(多羅樹)という植物の葉に鉄筆でお経を書いたと言われます。それに因んで、葉に文字が書ける「葉書の木」がタラヨウ(多羅葉)と名づけられました。郵政省は平成9年に、タラヨウをハガキの木に因んで郵政省のシンボルツリーとして郵便局に植栽しました。葉は傷つけられた傷口に黒いかさぶたを作ることによって余計な病原菌が体内に入ってくるのを防ぐようにしています。ポリフェノールという物質がポリフェノール酸化酵素の働きで酸素と結びつき黒くなるのです。これはリンゴやバナナの切り口が黒くなるのと同じ仕組みです」とあります。説得力がありますね。郵便局にタラヨウが植えられているのは、そういうことだったんですね。

【↓ダリア園にて】

(↑上の写真)いずれもダリア園で見られた花

【↓大温室にて】

(↑上の写真)左=バラ園から見た大温室、中と右=大温室の花

(↑上の写真)いずれもラン室で見られた花

(↑上の写真)いずれもベゴニア室で見られた花

(↑上の写真)いずれも熱帯スイレン室の池で見られるスイレンの花

(↑上の写真)いずれも熱帯スイレン室で見られたハイビスカスの花