野楽力研究所

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野川公園自然観察園・・・令和5年10月1日

 ここ自然観察園では、秋の草花が咲き乱れている、という感じです。ヒガンバナは最盛期をちょと過ぎたところ。まだまだ見られます。レモンエゴマの花を見たい、見たいと思っていたところ、入口近く左側で見ることが出来ました。ミズヒキ、ギンミズヒキ、キンミズヒキも揃って見ることが出来ました。ゲンノショウコは関西系の赤花ばかりでした。関東のゲンノショウコは目につきませんでした。マヤランがここでも一株ひっそり咲いていました。みなさん気づかずに通り過ぎてしまうようです。今日の様子です。

(↑上の写真)左=観察園入口、中=レモンエゴマ檸檬胡麻)、右=スズメウリ(雀瓜) 

 レモンエゴマ檸檬胡麻)はシソ科シソ属。手元の植物図鑑では、山渓カラー名鑑「日本の野草」に簡単に紹介されているだけで、あとの図鑑や解説書には載っていませんでした。皆さんのお持ちの植物図鑑では如何でしょうか。そこでWebの掲載を参考にしました。「ウィキペディア」によると「日本固有種と考えられてきたが、中国大陸から発見されている。日本では、本州の宮城県以南の太平洋側、四国、九州に分布し、山野の半日陰に生育する一年草。和名レモンエゴマは、牧野富太郎 が大正3年(1914)、エゴマの新品種を記載した際、「レモンのように非常に心地よい香りがする」とし、和名を Lemon-egoma (nov.)とした」ということです。nov.は、新しい名前を発表する時につけるそうです。ところで「Web:千葉県立博物館」によると「ハイカラな名前だがれっきとした在来種。 植物学者の牧野富太郎が高尾山で発見し、名付けた植物だ。 シソ科の栽培植物エゴマに似ていて、葉を揉むとレモンのような香りがすることに由来する。 学名の種小名 citriodora も「レモンの香りのする」を意味する」とあります。「れっきとした在来種」としていますが、ウィキペディアでは「日本固有種と考えられてきましたが」と、表現されています。どちらがより真実でしょうか? <引用については一部翻案あり>

(↑上の写真)いずれもヒガンバナ彼岸花)、左=群生、中=赤花、右=白花

(↑上の写真)左=ミズタマソウ(水玉草)、中=ユウガギク(柚香菊)、右=シュウカイドウ(秋海棠)

(↑上の写真)左=ミズヒキ(水引)、中=ギンミズヒキ(銀水引)、右=キンミズヒキ(金水引)

(↑上の写真)左=イシミカワ(石実皮)、中=ツリフネソウ(釣船草)、右=キツリフネ(黄釣船) 

 イシミカワ(石実皮)はタデ科イヌタデ属。「牧野新日本植物図鑑」によると「田の縁や道端、あるいは草地に生える1年生草本。茎には逆向きの刺があり、他物に引っ掛かり、蔓状に伸びて繁茂する。秋、枝先に淡緑白色の小さな花を短穂状につけ円い盾形の苞葉が穂を受けている。花弁は無い、雄しべは8個、子房は球形で頂に花柱が3個。日本名の意味は不明、一説にイシニカワ(石膠)の意味といい、また大阪府の石見川の地名に基づいたといわれるが、納得できない」とあります。野田市のHPでは「花はうすい緑色で小さいため、あまり目立ちません。花後、花弁は大きく膨らんでタネを包みます。タネは花弁に包まれるようにして成熟していきますが、成熟の具合によってピンク、赤紫色、青紫色、青色と変化し、その色彩の変化は美しいものです。葉柄が茎に接続する部分には、托葉という丸い葉のような部分があります。三角形の葉と丸い托葉の組み合わせが特徴的で、慣れれば花や果実がなくともすぐに特定できるようになります。イシミカワの名前の由来は諸説あり、あまりはっきりしていません。江戸中期に薬草として利用されていて、かつての石見川村(現・大阪府河内長野市付近)のものが良質だったからとか、果実がまるで石のようにかたいことから石実皮(いしみかわ)という説もあります」と紹介されています。

(↑上の写真)左=トネアザミ(利根薊)、中=赤花ゲンノショウコ(現の証拠)、右=アキカラマツ(秋落葉松)

(↑上の写真)左=イヌタデ(犬蓼)(アカマンマ)、中=ヤブツルアズキ(藪蔓小豆)、右=イヌゴマ

(↑上の写真)左=タコノアシ(胼胝の足)、中=ハッカ(薄荷)、右=シロネ(白根)

 タコノアシ(蛸ノ足)はタコノアシ科タコノアシ属。本州以南の野原の湿地に生える多年草。花は夏から初秋に咲き、花弁はない。準絶滅危惧(NT)種=生息条件の変化によっては絶滅危惧に移行する可能性のある種。「ウィキペディア」によると「花の形態などはベンケイソウ科にも近く、ベンケイソウ科に入れる説もあった(ただし多肉ではない)。APG植物分類体系では、独立のタコノアシ科(Penthoraceae)とし、ユキノシタ科およびベンケイソウ科と共通のユキノシタ目に入れる。晩秋になるとさく果が熟し、また全草が紅葉する(ゆで蛸のようになる)。元来は河川下流域・河口域の湿地、水田周辺などに生育していたものでそう珍しいものではなかったが、そのような環境が喪失したことが減少の大きな原因とみられる」とあります。タコを逆さにして足だけ出したような草で、変わった草姿です。それと知っているとすぐ気づきます。秋には紅葉して茹蛸のように真っ赤になるというので、見ものですね。(各種資料参照)

(↑上の写真)左=ササクサ(笹草)の草姿、中=ササクサの花、右=ワレモコウ(吾亦紅) 

 ササクサ(笹草)はイネ科ササクサ属。中部以南の山林に生える日本在来の多年草。「野田市HP」には「葉の形がササにそっくり。関東から西の暖かい地方の山地の林内に自生している。8~10月に花の穂が伸びる。花後にできる果実には刺のような芒があり、洋服や動物の毛に引っ付いて、遠くへと運ばれる」とあります。斜めに真っすぐに出された枝の下側にイネ科の地味な花のつくりの花を咲かせ、雄しべの葯が風で揺れています。ササ(笹)もイネ科(イネ科タケ亜科ササ属)なので、草姿はおなじようですね。日本在来種なので笹と間違えずにぜひ探してみたいです。

(↑上の写真)左=ノダケ(野竹)、中=シモバシラ(霜柱)、右=ヌカキビ(糠黍)

(↑上の写真)左=マヤラン(摩耶蘭)草姿、中=マヤランの花、右=カラスノゴマ(鴉胡麻

(↑上の写真)左=ヒヨドリバナ(鵯花)、中=カリガネソウ(雁草)、右=キバナアキギリ

 キバナアキギリ(黄花秋桐)はシソ科アキギリ属。各種資料によると「本州、四国、九州の低山地の木陰に生える多年草で在来種。茎は四角形。葉は対生、長い柄があり矛形、縁に鋸歯がある。秋、茎頂に花穂をつけ、黄色の唇形花を数段つける。名の由来は、秋に桐に似た花を咲かせるというところからきている。学名に「Salvia nipponica」とあるので、サルビアと同属」ということです。花茎の花を一斉に咲かせてくれるとサルビアと同属というので見栄えがすると思いますが、なかなかそういう咲き方をしないようです。花後、花を支えていた萼がいつまでも大きく目立ちますね。この萼はいつまでも残る残存性の萼なので仕方ありませんね。

(↑上の写真)左=サクラタデ(桜蓼)の草姿、中=サクラタデの花、右=クワクサ(桑草)

(↑上の写真)左=ミゾソバ(溝蕎麦)、中=オオオナモミ(大葈耳)、右=アメリカセンダングサ(亜米利加栴檀草)