野楽力研究所

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高尾山(ケーブルカー→野草園→山頂→6号路を下る)・・・令和5年9月1日

 やはり、想像していた通り、山野草の花の種類は少なかったです。それでもシロヨメナ、ノササゲが咲き、カリガネソウが咲きはじめました。ミヤマシキミは青い実を膨らませています。山頂からは富士山をはっきり望むことが出来ました。今日の様子です。

(↑上の写真)左=山頂へのケーブル乗り場、中=オトコエシ(男郎花)、右=サル園・野草園入口

<ここからは野草園に入る>

(↑上の写真)左=カリガネソウ(雁草)、中と右=スズムシソウ(鈴虫草

(↑上の写真)左と中=フジカンゾウ(藤甘草)、右=マツカゼソウ(松風草)

 マツカゼソウ(松風草)はミカン科マツカゼソウ属。APG牧野植物図鑑によると「宮城県以南、四国、九州に分布し、山の木陰に生える多年草」とあります。牧野新日本植物図鑑によると「秋に枝先に集散花序を出して、多数の白色の小花を開く。萼は小さく4つに裂け、花弁が4枚ある。雄しべは長短7~8本、花柱は1本。日本名の松風草は草の姿に趣があるのに基づいて名づけたものであろうか」という。APG牧野植物図鑑では「和名松風草は、全体の姿に一種の風情があるから」とやや断定的ですが、牧野新日本植物図鑑では上記のように「名づけたものであろうか」と推定しています。いずれにしても、植物に文学的な雰囲気を漂わせた名づけをするのはいいですね。アキカラマツ(秋落葉松)と草姿は似ていますが、アキカラマツは葉の小葉の先端が3つの小山のような感じになっていますが、マツカゼソウの小葉は丸くなっています。

(↑上の写真)左と中=モミジガサ(紅葉傘)、右=カラスビシャク(烏柄杓)

(↑上の写真)左と中=ヤブラン(藪蘭)(紫花と白花)、右=ヤブミョウガ(藪茗荷)

<ここで野草園を出る>

(↑上の写真)左=浄心門、中=ノブキ(野蕗)、右=ガンクビソウ(雁首草)

(↑上の写真)左=ウマノミツバ(馬之三葉)、中=ミヤマシキミ(深山樒)、右=参道

 ウマノミツバ(馬之三葉)はセリ科ウマノミツバ属。「APG牧野植物図鑑」には「北海道、本州、四国、九州及び朝鮮半島、千島南部、サハリン、中国に分布し、山林の下の日陰に普通に生える多年草。高さ約30~50㎝。茎は直立して、葉は長さ約4~11㎝。花は夏」とあります。今回は、可愛い小さな毬のような、一見、ミズタマソウかと思いましたが、実のつき方や葉が違いました。野田市HPによると「ミツバ に似ているが食用にならないどころか,毒性があるためこの名がある」と、あります。山渓カラー名鑑「日本の野草」では「和名ウマノミツバは食用にならず、せいぜい馬に食べさせる程度のミツバという意味」としています。実になるまで観察してみないと判らないことが多いですね。

(↑上の写真)左=薬王院、中=ノササゲ(野豇豆)、右=オオバコ(大葉子)

 ノササゲ(野豇豆・野大角豆)はマメ科ノササゲ属。「APG牧野植物図鑑」によると「本州、四国、九州の山野に生える蔓性の多年草。3小葉の複葉を互生し、花は夏から秋、長さ1,5~2cmの黄色の蝶形花を開く。豆果は長さ3~5cm、無毛、紫色に熟す」ということです。Web「高尾山の宝物たち」によると、ノササゲの名は「食用になるササゲ(マメ科)に似ていて、野に生えることからその名が付いた」ということです。「APG牧野植物図鑑」では、別名キツネササゲ(狐豇豆)は「豆果の鞘の色に基づく」とあります。この豆果は紫色に熟すということですので、とても狐色とは思えませんが、皆さんは、どう思われるでしょうか。

(↑上の写真)左=コアカソ(小赤麻)、中=山頂、右=富士山遠望

(↑上の写真)左と中=クズ(葛)、右=キンミズヒキ(金水引)

(↑上の写真)左=シロヨメナ(白嫁菜)、中=メヤブマオウ(雌藪苧麻)、右=シュウブンソウ(秋分草)