野楽力研究所

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東京多摩地区街中自然観察・・・令和5年8月31日

 暑い日が続いて、日中なかなか街中の自然観察ができませんでした。サルスベリノウゼンカズラムクゲの花が生き生きと咲いていました。住宅街では目新しい園芸種が玄関先を彩っていました。今日の様子です。 

(↑上の写真)左と中=サルスベル(猿滑り、百日紅)、右=ノウゼンカズラ凌霄花

(↑上の写真)どれもオシロイバナ白粉花

(↑上の写真)左=ニオイバンマツリ(匂番茉莉)(別名:ブルンフェルシア)、中=ハナトラノオ(花虎の尾)、右=ムクゲ(槿)

 ニオイバンマツリ(匂番茉莉)(別名:ブルンフェルシア)はナス科バンマツリ属。ブラジル、アルゼンチンの熱帯を原産地とする常緑低木。花は4月~7月、さわやかな芳香があり、花の色が濃い紫から薄い紫、そして白へと変化します。上掲写真では薄紫と白の花が見られます。夏や秋に返り咲きすることがあるそうです。甘い香りを放ち、特に夜には濃く香るそうです。和名のニオイバンマツリ(匂蕃茉莉)とは、花に芳香(匂)があり、明治末に外国(蕃)から来て、ジャスミン(茉莉)に似た花ということから付けられたということです。(以上は各種Web参照の上翻案)この花を見た時、草本と思っていました。草本のように可愛らしく仕立てられていましたが、実際は3m近くになるそれでも低木ということです。匂いを嗅ぐのを忘れていました。皆さんお近くで目にした時にはぜひ嗅いでみてください。

(↑上の写真)左=ニワホコリ(庭埃)、中と右=ヒメムカシヨモギ(姫昔蓬)

(↑上の写真)左=ハツユキカズラ(初雪葛)、中=ハツユキソウ(初雪草)(別名:ユーフォルビア)、右=郊外の風景

 ハツユキカズラ(初雪葛)はキョウチクトウ科テイカカズラ属。日本の本州から四国、九州の温暖な地域に分布しており、山地や林、岩場などに自生が見られ、その他、朝鮮半島、中国、インド、タイにも分布する蔓性常緑木本。花期は5月~6月、花期になると、伸びた枝先や葉腋から花序を出し、テイカカズラと同じような白い花を咲かせます。ハツユキカズラの名前は、白い斑が入った新芽新葉の様子が初雪を降らしたように見えることに由来しています。秋から冬にかけて、寒さに当たると、この新芽新葉は赤く色付きます。蔦のように茎の途中から気根を出し、塀やフェンスにしっかり絡まります。(以上は各種Web参照、翻案)上掲写真、中のハツユキソウも同じような命名の由来です。暑くなってくるにつれて、初雪が降ったかのように葉の縁が白くなってくるので名づけられたものです。ハツユキソウ(初雪草)はトウダイグサ科トウダイグサ属の一年生草本です。

(↑上の写真)左=サッコウフジ(醋甲藤)、中=マツバボタン(松葉牡丹)、右=ハゼラン(爆蘭)

 サッコウフジ(醋甲藤)は各種Webによると、別名ムラサキナツフジ、タイワンサッコウフジとも言われ、マメ科ナツフジ属の常緑蔓性木本で、原産地は沖縄、台湾、中国南部ということです。葉は奇数羽状複葉。花は7~8月に上掲写真のように蝶形花をつけます。実はマメ科なのでサヤに入ったいわゆる細いサヤの実ができます。名のサッコウフジは漢名醋甲藤の音読みで、別名タイワンサッコウフジは台湾から移入されることが多かったからといわれます。ハギの花に似ていましたが、濃い赤紫の花の色が印象的でした。

 ハゼラン(爆ぜ蘭)はスベリヒユ科ハゼラン属。(以下各種Web参照)南アメリカ西インド諸島などの暖地の原産。明治初期に観賞用として日本に導入されたが、繁殖力が強く、野生化している。本来暖地の原産地では多年草だが、日本では1年草扱いになっている。花は、円錐状に線香花火のようにたくさんの小花を付けるが午後2時~3時頃の間にしか咲かないので別名「三時花」「三時草」「江戸の花火」ともいわれる。2mmほどの小さい実の中に10個ほどの種子が入っていて、熟すと名の由来のように爆ぜて種子を飛ばす。Webによっては、名前の由来を「丸い玉状のつぼみからはじけるように花を開くことから」としているものもあります。ハゼランの増え方を観察していると、ご近所の思わぬところに種子が飛んで増えている様子がわかります。皆さんのご近所ではどうですか。上掲写真は花が写っていますが、偶然2時半ころに写したものです。小さい花の咲いた様子は別名「江戸の花火」というに相応しいですね。

(↑上の写真)左=テイカカズラ(定家葛)、中=ヒヨドリジョウゴ(鵯上戸)、右=ヤマハギ(山萩)

(↑上の写真)左=ツルボ(蔓穂)、中=カヤツリグサ(蚊帳吊草)、右=ヤイトバナ(灸花)(別名:ヘクソカズラ

 ツルボ(蔓穂)はキジカクシ科ツルボ属。「牧野新日本植物図鑑」によると「北海道から九州、支那、台湾まで広く産する種類で原野に生える多年生草本。葉は春秋の2季に出て春のものは夏に枯れる。2枚向かい合った葉は広線状の倒披針形で紫緑色、直立した内面は、とい形に凹む。初秋に葉の間から総状花序を出し淡紫色の花を開く。花被6片は平開する。日本名ツルボ、スルボは、ともに意味不明」とあります。「ウィキペディア」によると「葉は1年に2回出る。まず、春に5-10枚の春葉が出て、これは夏に枯れる。その後初秋に2-3枚の葉が出る。この秋の葉の向かい合った間から花穂が出て、開花する」とあります。

(↑上の写真)左=ヤブカラシ(藪枯)、中=ヤマノイモ(山の芋)、右=ナツメ(棗)の実