野楽力研究所

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東京都薬用植物園・・・令和5年5月16日

 ぐずついた天気の後、晴天の夏日を迎えました。春に咲いていた花は実を結び、梅雨の季節を迎えようとしています。エゴノキトチノキの花をゆっくり観察する間もなく花期を終えようとしています。イボタノキ、ヤマボウシは今が満開です。今日の薬用植物園の様子です。

(↑上の写真)左=入口、中と右=ドクダミ(蕺草)、中は八重、右は一重

 八重ドクダミ(八重蕺草、蕺)はドクダミドクダミ属。普通の一重のドクダミが八重に変化したもので、茎頂(茎の先端)の成長点が変化して雄しべ、雌しべになるべき部位が花弁(花びら)になったものです。サクラで顕著ですが、ヤマブキでも同じです。従って生殖器が無くなっているので種子が出来ず、子孫を残せません。一重のドクダミの花弁のように見えているものは総苞葉の苞が花弁に変化したものです。ドクダミの花の中心に黄色く塔のように立っている花穂状のものは雄しべ、雌しべ、苞を備えた小さな花の集まりです。その小さな花の各部分が花弁に変化したものが八重のドクダミです。時に、先祖返りすることがあり、八重の一部が花穂状の花に戻ったものが見られます。

(↑上の写真)左=ムラサキセンダイハギ(紫仙台萩)、中=カルミア、右=ザクロ(石榴)

(↑上の写真)左=ベニウツギ(紅空木)、中=ベニバナトチノキ(紅花栃木)、右=カラタネオガタマ(唐種招霊)

(↑上の写真)左=キソケイ(黄素馨)、中と右=エゴノキ

(↑上の写真)左=ヤマボウシ(山法師)、中=イボタノキ、右=雑木林の園路

 ヤマボウシ(山法師)はミズキ科サンシュユ属。『APG牧野植物図鑑』によると「本州、四国、九州及び朝鮮半島の温帯に分布。山野に普通に見られる落葉高木」とあります。この花のつくりは、一重のドクダミと同じで、白い大きな花びらのように見えるものは花芽全体を護る総苞が変化したもので、日に日に大きくなります。和名山法師は、中心部の小花の集まりを比叡山延暦寺の僧侶(僧兵=山法師と呼ばれていた)などの頭に、総苞を僧侶が被る頭巾に見立てて名づけられたもの。

(↑上の写真)左=スイカズラ(忍冬)、中=ウスベニアオイ(薄紅葵)、右=ウマノアシガタ(馬脚形)

(↑上の写真)左=ニガナ(苦菜)、中=シロバナタンポポ(白花蒲公英)、右=ギョウジャニンニク(行者大蒜)

(↑上の写真)左と中=ジギタリス、右=ベニバナ(紅花)

(↑上の写真)左=池の風景、中=スイレン(睡蓮)、右=コウホネ(河骨)

(↑上の写真)左=サンシュユ(山茱萸)の実、中=オオミサンザシ(大実山査子)の実、右=クワ(桑)の実

(↑上の写真)左=温室内の様子、中=ブーゲンビレア、右=ジャボチカバの花