野楽力研究所

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神代植物公園(+植物多様性センター)・・・令和5年5月18日

 今日は30℃を超える真夏日で、残念ながらバラ園のバラもどれも暑さにやられ、花びらを尖らせていました。入口正面の展示場では新品種コンクールで入賞したバラが展示されています。植物会館では山野草の盆栽小品の展示会があり、とても上手に盆栽化されていました。園内ではセンダンが紫の花を開き、満開でした。これからウツギの季節になりますが、八重のウツギが咲いています。今日の植物園の様子です。

(↑上の写真)左=温室を遠望した手前バラ園の様子、中=新品種コンクールの展示場、右=入賞品種

(↑上の写真)いずれも入賞の新品種(写真は入賞品種の一部です)

(↑上の写真)左=展示会の案内、中と右=小品盆栽

(↑上の写真)左=ヘビイチゴの盆栽、中=ニワゼキショウの盆栽、右=ウグイスカグラの盆栽(見事に実をならせています)

(↑上の写真)左と中=センダン(栴檀)、右=園路風景

(↑上の写真)左=カナウツギ(金空木)、中と右=シロバナヤエウツギ(白花八重空木)

 カナウツギ(金空木)はバラ科スグリウツギ属。「APG牧野植物図鑑スタンダード版」によると「本州の富士山、箱根山丹沢山、および群馬・新潟・秋田各県の低山帯に生える高さ1~2mの落葉低木」とあります。コゴメウツギに似ていますが、カナウツギの方が葉は大きく、花は茎頂の花穂が一番たくさん花をつけますが、コゴメウツギは葉腋から花茎を出し同じような花穂をつけます。分布が東京多摩地区の外側を囲むようになっているので東京多摩地区では全く見られなかったのですが、今回神代植物園で見ることが出来、その違いを確認することが出来ました。まだ、カナウツギを見ていない方は、この花の咲いている今の時期がチャンスです。地元多摩地区のコゴメウツギはまた別の見え方をするはずです。

(↑上の写真)左と中=セッコク(石斛)(見事)、右=ホウチャクソウ(宝鐸草)(終わり)

(↑上の写真)左=アカショウマ(赤升麻)、中=ミヤコワスレ(都忘れ)(終わり)、右=フタリシズカ二人静)(実となる)

(↑上の写真)左=オシダ、中と右=ヒメワラビ(姫蕨)、右=小葉の付き方がミドリヒメワラビと違い小羽片に柄が無い

(↑上の写真)左=ヤグルマソウ(矢車草)、中=ユキノシタ(雪の下)、右=ハナウド(花独活)

 ユキノシタ(雪ノ下)はユキノシタユキノシタ属。「APG牧野植物図鑑スタンダード版」によると「本州から九州および中国の暖帯に分布し、山地の湿った岩上などに生える多年草」とあります。和名の由来は諸説ありますので、素人が参入するチャンスです。皆さんも考えてみていいものが考えついたら紹介しましょう。暖帯に生える植物というので雪との関係は薄いと思いますが、淡雪が緑の葉の上に降り積もってすぐに溶ける儚さを花と葉の様子に見たのかも知れないと思うと、それなりに納得できなくもありません。その後、葉を摘まんで天ぷらにするのは乙なものです。根元から匍匐枝をたくさん長く伸ばし地を這い、先端に新しい芽をつくるので、一株植えておくとどんどん増え、毎年天ぷらにして賞味し、増えすぎるのを制御するのが一石二鳥です。

【↓ 以下は植物多様性センター】

(↑上の写真)左=西門、中=センター情報室、右=武蔵野ゾーン

(↑上の写真)左=ミツバウツギ(三葉空木)の実、中=サイハイラン(采配闌)、右=アズマナルコ(東鳴子)

 サイハイラン(采配蘭)は、ラン科サイハイラン属。「APG牧野植物図鑑」によると「北海道から九州、および南千島、南サハリン、朝鮮半島南部、台湾、中国の温帯から暖帯に分布」とあります。葉は、越冬性ですが、花茎が伸び始めると同時に枯れていきますが写真のように残っているものもあるようです。それもやがて枯れて花が枯れ始めると新しい葉を1~2枚伸ばし、その葉は越冬します。部分的菌従属栄養植物ということなので菌類から必要な栄養をもらっているので葉の数が少なくても栄養が足りるようです。和名采配蘭は、花の様子を武将の采配に見立てたものということです。この花を見ると和名の由来に納得します。写真の様子では多くの武将が采配を競い合っているようですね。

(↑上の写真)左=ウツギ(空木)、中=カラムシ(苧)、右=トゲナシサルトリイバラ(刺無し猿捕り茨)