野楽力研究所

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オオムラサキセンター農村公園・・・令和5年4月29日

 農村公園を訪れましたが、春の花が終わり、初夏の花が間もなくというタイミングで、花の種類は少なかったです。しかし、その数少ない花をじっくり観察すると結構いろいろ学べますね。今日の自然の様子です。

(↑上の写真)左=オオムラサキセンター、中=農村公園入口、右=水車小屋

(↑上の写真)左=クサノオウ、中=タカトウダイ、右=カントウタンポポ

(↑上の写真)左=スイバ、中=スイバの花、右=スイバの実

 スイバ(酸葉、蓚)はタデ科ギシギシ属。「APG牧野植物図鑑」によると「北半球の温帯に分布し、日本各地の山地や田畑の畔などに生える多年草」という。同じようなところに生えるギシギシと間違えやすいですが、ギシギシは葉柄のある葉です。スイバは葉柄はなく茎を抱きしめています。スイバの「ス」の下の広がっている部分が茎を抱きしめていると覚えるとスイバと覚えやすいです。雌雄異株と図鑑に書いてありますが、雄株には雄花、雌株には雌花だけが咲いていることになりますが詳しい説明は手元の図鑑には載っていません。スイバに白い花があると思って見ると、実は萼に包まれた白い実でした。赤いのは、花で白いのは実。実のできているものは雌株ということになりますね。花は雌株も雄株も赤いのでしょうか。左の上掲写真の右は白い実の雌株が写っています。……ところで、都知事でもあった猪瀬直樹著『ペルソナ┄┄三島由紀夫伝』に「三島由紀夫の創作活動の始まりは学習院中等科へ上がった時からで、最初の短編小説のタイトルは『酸模(すかんぽう)』だった。酸模は漢字よりカタカナでスカンポと書くほうがふつうだが、どちらにしろ俗称で、酸葉(スイバ)のことである」とあります。時代を感じます。

(↑上の写真)左=ヘビイチゴ、中=オヘビイチゴ、右=キジムシロ

 ヘビイチゴ(蛇苺)、オヘビイチゴ(雄蛇苺)、キジムシロ(雉蓆)はバラ科キジムシロ属。花は同じに見えますが、ヘビイチゴは花軸の先端に花をつける単独花ですが、オヘビイチゴとキジムシロは花軸の先端が分岐して複数の花をつける花序(集散的(or状)花序?)なので区別がつきます。3種を一度に見分けるには、葉を見ます。ヘビイチゴは3出小葉、オヘビイチゴは5出小葉、キジムシロは根生葉(根本から出る葉)が奇数羽状複葉ですから、葉を見ればすぐ分かります。なお、キジムシロは根生葉が円座をつくりキジ(雉)が座れるような形をつくることから名付けられたということです。

(↑上の写真)左=田植えの準備、中=ニホンアマガエル(カモフラージュ)、右=里山の小径

(↑上の写真)左=マムシグサ、中=リュウキンカ、右=キショウブ

(↑上の写真)左=コデマリ、中=オオデマリ、右=カキドオシ

(↑上の写真)左と中=パピリオナケア(アメリカスミレサイシン)、右=フキ