野楽力研究所

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都立平山城址公園・・・令和5年4月14日

 いよいよ春の花が終わり、初夏の花が新緑に彩りを添えるようになりました。サトザクラ(八重桜)が満開です。ヤマツツジが橙色を、キンラン、カントウタンポポ、ヤマブキが黄色、アオダモが霞のような白い花を咲かせています。今日の様子です。

(↑上の写真)左=平山城址公園公園北中央口、中=ヤマブキ、右=ヤエヤマグチ

(↑上の写真)いずれもサトザクラ(八重桜)、右=サトザクラ遠景

 サトザクラ(里桜)はバラ科サクラ属。別名:ボタンザクラ、一般には八重桜と呼ばれる。APG牧野植物図鑑によると「オオシマザクラヤマザクラなどの野生種から交雑改良を重ねてつくられた園芸品で品種が多く、観賞用に庭園や並木などに植栽される落葉高木。花期は他の桜よりやや遅く、新葉と同時か早く通常大形で八重咲きになり垂れ下がる。花びらが白から黄緑色のもの、雄しべが緑の葉状のものなどがある。雄しべ、雌しべが退化し果実は結ばない。和名は人里に植えられる桜の意(一部翻案)」とあります。昭和27年4月28日は、それまで日本は米軍に占領されていましたが、やっと独立することが出来た独立記念日です。その喜びを昭和天皇は「風さゆるみ冬は過ぎて待ちに待ちし八重桜咲く春となりけり」と詠みました。4月28日ですからちょうど里桜の季節です。八重桜ですから、その桜吹雪はものすごくて、女の子たちは、花びらを集めて糸で通し、ブレスレット(当時は腕輪と言ってました)を作って遊んでいました。

(↑上の写真)左と中=カントウタンポポ、右=シロバナタンポポ

(↑上の写真)左=タチツボスミレ、中と右=ニョイスミレ

(↑上の写真)左=キンラン、中=チゴユリ、右=キランソウ

(↑上の写真)左=カキドオシ、中=オニタビラコ、右=キツネノボタン

(↑上の写真)左と中=ジュウニヒトエ、右=アジュガ外来種

 アジュガについては、基本情報の図鑑などが無いので、Web:ガーデンストーリーを主に調べました。「アジュガ(Ajuga)は、シソ科の常緑性宿根草。日本はジュウニヒトエキランソウなどの仲間が自生しているが、園芸植物として普及しているのは、ヨーロッパからアジアの温帯に分布するセイヨウキランソウ。ランナーを伸ばして旺盛に広がるので、グラウンドカバーに最適。丈夫で増えやすく、日向でも半日蔭でもよく育つ」ということで根付くとどんどん増えていくようです。セイヨウジュウニヒトエともいわれるもので、ここ平山城址公園でもやがて分布を広げ、日本のジュウニヒトエを凌駕する危険があります。根は深くないということなので初期に取り除くことが肝要と思います。

(↑上の写真)いずれもアオダモ

 アオダモ(青梻)はモクセイ科トネリコ属。別名トネリコ。APG牧野植物図鑑によると「北海道から九州まで、および南千島朝鮮半島の温帯に分布。山地の水辺を好んで生える落葉小高木。高さ5~8m、暗灰色。葉は対生し複葉」とあります。材は粘りがあるので野球のバットやテニスのラケットの材料になるので札幌ドーム、東京ドーム、甲子園など全国の野球場に記念として植樹されています。名前の由来は、枝を切って水につけると水が青くなることによるそうです。(朝井まかて著『先生のお庭番』に「山にこうして入る時には熊吉(お庭番:園丁)は小さな徳利を持って出ることにしており、山の主であるかのような大木に出会えば必ず酒を供えて手を合わせる。『また何本か、お恵は頂戴しますけん。必ず、大事にお守りしますたい』荷車には斜面で掘り取った青梻(アオダモ)が横倒しに載せてある。この木は雨上がりに樹皮が緑青色になり、青墨の原料にもなる。山の中で出会ったこの青梻を熊吉は持って帰ろうと思ったのは、樹形の美しさにあった。地際から幾本もの幹が分かれた、見事な武者立ちだったのである。」(青梻の樹形の美しさを彷彿とさせます)

(↑上の写真)左=コウゾ、中=ヤマツツジ、右=オオムラサキツツジ