野楽力研究所

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都立小宮公園・・・令和5年2月9日

 都立小宮公園はこの時期、ソシンロウバイ(素心蝋梅)、フクジュソウ福寿草)、ウグイスカグラ(鶯神楽)を紹介しています。ソシンロウバイは満開を少し越えたところ、フクジュソウは正に満開、ウグイスカグラはこれからという感じです。梅は豊後梅がちらほら咲きはじめたところです。

(↑上の写真)左=サービスセンター、中と右=フユノハナワラビ

 フユノハナワラビを見ることが難しいですが、ここでは「ありますよ」と紹介されています。株がなかなか増えません。葉の縁にある鋸歯がないものがフユノハナワラビで針のような鋸歯のあるものがオオハナワラビとされます。しかし、上の写真のフユノハナワラビは鋸歯の数は少ないようですが、あります。フユノハナワラビは鋸歯がないことになっています。中間的な形質のものもあるとのことで同定は難しいところです。

(↑上の写真)左=園路、中と右=オオハナワラビ

(↑上の写真)どれもソシンロウバイ

(↑上の写真)どれもソシンロウバイ。花弁の先が竹へらのように尖っている感じで、ソシンロウバイと言っても、原種ロウバイに近い形質を保っているようです。そのため、開花の早いロウバイに似て、写真のソシンロウバイは他のソシンロウバイより開花が早かったようですね。花が終わって萎れているようです。

(↑上の写真)どれもフクジュソウ

  フクジュソウ福寿草)はキンポウゲ科フクジュソウ属。原産地は、シベリア、日本、中国、朝鮮半島とあります。虫のいないこの時期になんのために花を咲かせているか疑問でもありますが、田中肇著『花の顔』によると「(福寿草の)花の柄が伸びてくると、太陽を追いかけ、常に太陽の方を向くようになり、花弁が凹面鏡のように光を集めるのだ。そのため花の中の温度は外より10℃近く高くなる。アブが花粉をなめている間、アブを暖める。体を暖められたアブは活発に花から花へと飛び回って花粉を他の花へ運ぶからだ。これは早春でまだ少ない昆虫を有効に使う知恵である」と書かれてあります。ところで、凹面鏡の原理で光を集める機械について、アンドレ・ジッド著「一粒の麦もし死なずば」に「アンナの住んでいるアパートの前の科学研究所で行っている太陽熱ボイラーの試験を僕(ジッド)とアンナの二人で見ることができた。その機械は、花弁が鏡でできた巨大な花のような形をしていた。光線が集中する焦点に置かれた雌しべは、沸騰させるための水を支えていた。水は沸騰したらしかった。そのため機械が破裂して近所の住民を驚かせ、アンナの家のガラスも破ったほどだった」と描写しています。ジッドは体操は嫌いだけど植物や虫や機械などについては興味津々の少年でした。明治の初めころのフランスでの話でジッドの自伝風小説でしたね。

(↑上の写真)左と中=ウグイスカグラ、右=ブンゴウメ(豊後梅)の一輪

(↑上の写真)左=コブシの樹姿、中=コブシの花芽、右=ユーカリの樹姿