野楽力研究所

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東京都薬用植物園・・・令和5年1月8・11日

 東京都薬草園にもシモバシラがありました。氷点下にならない日が続きましたので8日には霜柱の形跡が全くありませんでした。氷点下になる日を待って11日午前10時に訪れました。雨の無い、カラカラ天気が続いているので、条件としてはイマイチですが、根元に小さく霜柱ができていました。シモバシラは岩石園に2か所植栽されていますが、一か所は刈られて根元しか残っていませんでした。また、ここのソシンロウバイは蕾が緩み始めたところという感じです。観賞は慌てずにこれからです。(東京都薬草園は西武線東大和市駅下車、南へ徒歩3分)今日の様子です。

(↑上の写真)左=園内風景、中=ニホンスイセン、右=スノードロップ

 スノードロップヒガンバナ科マツユキソウ属。APG牧野植物図鑑によると「南ヨーロッパコーカサス原産、昭和初期に渡来し観賞用に栽培される小形の秋植え球根。花は白色で外側に3枚の花びら(外花被)が長くあり、その内側には小さな花びら(内花被)があって、先端近くに緑斑が入る。花は冬から春。栽培変種に八重咲きや大輪咲きがある(一部翻案)」とのことです。花の咲いている様子は如何にもスノードロップ(雪のしずく)という感じですね。キリスト教に由来する話としては、エデンの園を追われたアダムとイヴが初めて迎えた外の世界の冬に呆然としていると天使が現れ、雪で覆われた草原にスノードロップの花を咲かせ、アダムとイヴを慰めたということです。そのことから花言葉は「希望」「慰め」となったということです。

(↑上の写真)どれもソシンロウバイ

(↑上の写真)どれもシモバシラ(左=枯れた草姿、中と右=根元にできた霜柱)

(↑上の写真)どれも霜柱(左=刈られなかった根元、中と右=刈られた根元にできたもの)

(↑上の写真)どれもガマズミの実

(↑上の写真)左=ヤブコウジ、中=マンリョウ、右=ノグルミ

(↑上の写真)どれもヤマコウバシ

 ヤマコウバシ(山香ばし)はクスノキ科クロモジ属。ヤマコウバシは、この時期、葉がいつまでもついており新芽が出るまで落ちないので、受験生は、この葉をお守りとして持っているようです。植物の葉のつき方は、輪生から対生、続いてコクサギ型葉序を経て互生へと進化してきたと考えられているそうで、ヤマコウバシはコクサギ型葉序から互生に移る途中の状態のコクサギ型葉序のような所と互生の所とがあるということです。上掲右の写真はその様子を撮ったものです。2枚同じ方向に出ている葉のつき方をコクサグ型葉序と言いますが、一部その様になっており、互生に進化する過程にあると思われます。

(↑上の写真)左と中=コナラ(ヤマコウバシに似ているが)、右=園内の雑木林

【↓下の写真】=温室にて

 左=ベンケイクサギ、中=ブーゲンヴィレア、右=アカキナノキ(樹皮・根茎がキニーネの原料)