野楽力研究所

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浄慶寺(柿生)・・・令和5年1月4日

  初詣に川崎市麻生区にある江戸時代初期創建の浄土宗の浄慶寺を訪れました。当寺はアジサイ寺として有名だそうですが、境内の羅漢さま像が何とも言えず、和やかで「何の話をしているのですか?」と問いたくなるような姿でいらっしゃいます。羅漢さまで有名になってもらいたいです。境内にはすでにロウバイとウメ(紅梅)がほころんでいます。今日の様子です。(浄慶寺は、小田急柿生駅南口下車、西へ徒歩10分です。)

(↑上の写真)左=浄慶寺山門、中=法然上人像、右=本堂

(↑上の写真)左と中=(本来の)ロウバイ、右=ニホンズイセン

(↑上の写真)どれもソシンロウバイ

(↑上の写真)どれもウメ(紅梅)

(↑上の写真)どれもジュウガツザクラ

 ジュウガツザクラ(十月桜)はバラ科サクラ属。牧野新日本植物図鑑によると「観賞用として人家の庭に植えられる落葉性の小形高木でヒガンザクラの園芸品種である。通常小木で、10月頃から開花しはじめ、冬中少しずつ咲き、4月になって最も多く花を開く。花は淡紅白色で半ば八重咲、時には5枚の花弁をもった一重咲きもあるが、稀である」とあります。園芸種ですから、いろいろ作り変えられ、改良されるので八重咲も一重もアリ、ということでしょう。「通常八重咲で一重咲はまれ」といっても、たまたま見たものが稀な一重咲きのものだったかもしれないので、だれかが「これは十月桜だよ」と言ったら「あ、そうですか」と聞いておきましょう。人によっては八重のものは十月桜で、一重のものを冬桜と呼んでいるようです。

(↑上の写真)左=センリョウ、中=マンリョウ、右=カンツバキ

 カンツバキ(寒椿)はツバキ科ツバキ属。Web「庭木図鑑植木ペディア」によると「常緑小高木で、サザンカとツバキの交雑種(異論もあり)のうち、背丈が高くなりにくく、八重咲きあるいは半八重咲きになる品種群の総称」とあります。背丈が高くなりにくいだけで高くならない保証はないので、背丈だけでは同定しにくいです。上掲写真のようでしたら寒椿としてしまうことで、まずは安心しましょう。米澤穂信著 短編小説「満願」に「(今は刑を終えて出所している)妙子の実家鵜川家は先代から畳屋を営んでおり、風格のある建物だった。華美なところはないようでいて欄間には細かい細工が施されていた。物干し竿を掲げた庭は狭いものだったが、しんと冷える寒空の下、寒椿が葉の濃い緑の中に紅の花を咲かせていた。ただ私(妙子の弁護士)には、その家にどこかしら欠けたものがあるように思われた。そこに要るものがきちんと置かれているだけで人くささというものがない」(読後感:寒椿の紅の花が緑の葉の中に溶け込まず、紅の花が際立っているのが、妙子の家の何か人っ気を感じさせない、人の温かなぬくもりのないものに通じている様に思われますね。)

(↑上の写真)左=アオイスミレ、中と右=オオハナワラビ

  アオイスミレ(葵菫)はスミレ科スミレ属の多年草。牧野新日本植物図鑑によると「北海道から九州までと鬱陵島にはなれて分布し、山地や路傍の日向や半日陰のところに生える」とあります。これからスミレの季節になりますが、同定は、葉がフタバアオイ(徳川家の家紋)の葉のように丸いことと春早くに咲くことが特徴的な区別点です。

(↑上の写真)どれも羅漢さま

(↑上の写真)どれも羅漢さま

(↑上の写真)どれも羅漢さま(左=新たに加わわったワクチンを予防注射される羅漢さま)