野楽力研究所

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津久井湖畔展望園路・・・令和4年10月17日

 JR橋本駅北口からバス15分で津久井湖観光センターに着きます。そこから今までは城山に登っていたのですが、今回初めて城山の巻き道となっている湖畔展望園路を城山パークセンターまで往復1時間30分ほど散策しました。道は整備され、右下に津久井湖を眺め、左の城山側は自然保護区として山野草が保護されています。季節の山野草が見られるので楽しみです。今日に様子です。

(↑上の写真)左=津久井湖観光センター、中=メタセコイアの大木、右=メタセコイアの雄花の蕾

(↑上の写真)左=展望園路からの津久井湖の眺望、中=江川ヒノキ林、右=ヤマゼリ

 ヤマゼリ(山芹)はセリ科ヤマゼリ属。APG牧野植物図鑑によると「本州、四国、九州、及び朝鮮半島、中国北部の暖帯から温帯に分布し、山地の谷川の縁や林下に生える多年草」という。春の七草のセリに対し、ヤマゼリの花期は今頃、秋です。ヤマゼリの若葉は食べられると書いてある図鑑もあります。山で咲いているシラネセンキュウとも似ていてセリ科の区別は難しいですが、東京近郊の今咲いているものはヤマゼリといえるでしょう。

(↑上の写真)左と中=タイアザミ(トネアザミ)、右=ヒヨドリバナ

(↑上の写真)左と中=サラシナショウマ、右=津久井湖と相模の丘陵の眺め

 サラシナショウマ晒菜升麻)はキンポウゲ科サラシナショウマ属。APG牧野植物図鑑によると「日本各地、及び千島、サハリン、朝鮮半島中国東北部、モンゴルなどの温帯に分布し、山地の林床や草地などに生える多年草。和名の晒菜升麻は若葉を煮て水で晒し、味付けして食べることによる」とあります。ウィキペディアによると「本種やその他同属植物の根茎は升麻(ショウマ)という日本薬局方に収録された生薬で、根茎を水洗いして、天日で乾燥させたもの。升麻は、発汗、解熱、解毒、胃液・腸液の分泌を促して胃炎、腸炎、消化不良に効果があるとされている」とあります。東京都や埼玉県、千葉県では準絶滅危惧種ということですから、東京近辺の山地などではなかなか見られません。ここで見られたのはラッキーということかもしれません。花は夏から秋なのでまだ見ること可能です。

(↑上の写真)左と中=トリカブト、右=カントウヨメナ

(↑上の写真)左=ヤクシソウ、中=ボタンクサギの花、右=ボタンクサギの蕾

(↑上の写真)左=ハナゾノツクバネウツギ(アベリア)、中=コセンダングサ、右=ハキダメギク

(↑上の写真)左=ミズヒキ、中=ノブキの草姿、右=ノブキの花

(↑上の写真)左=イヌタデ、中=カラムシ、右=クサコアカソ

 カラムシ(茎蒸)はイラクサ科ヤブマオ属。(別名=クサマオ、アオカラムシ)APG牧野植物図鑑によると「日本各地、および中国の温帯から暖帯に分布する多年草。葉の裏面に白綿毛を密生。花は夏から秋。茎の靭皮(じんぴ)には強い繊維があり、その繊維で織物を作る。カラムシは茎を蒸して皮を剥ぎ取ることに因む名前。別名クサマオのマオは真の麻の意味(一部翻案)」ということです。ウィキペディアによると「日本において現在自生しているカラムシは、有史以前から繊維用に栽培されてきたものが野生化した史前帰化植物であった可能性が指摘されている。古くから植物繊維をとるために栽培されたため、文献上の別名が多く、紵(お)、苧麻(ちょま)、青苧(あおそ)、山紵(やまお)、真麻(まお)などがある。花は8月-10月にかけて咲き、葉柄の根もとに小さな花が房状につく。雄花と雌花があるが雌雄同株で、雌花が株の上のほうにつく。風によって花粉を運ぶ風媒花」ということです。イラクサ科なので葉腋から花と思えない花穂を垂れ下がらせます。葉は写真のように結構大きく、葉裏は白い綿毛が生えていて風で葉が煽られると裏側が白く見え、こちらに「おいでおいで」と手招きをしているようです。

(↑上の写真)左=オトコエシの実、中=ミズタマソウの実、右=オニドコロの実

(↑上の写真)左=カラスウリ、中=アブラススキ、右=城山公園パークセンター