野楽力研究所

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科博附属自然教育園・・・令和4年9月9日

 山手線目黒駅下車東へ徒歩9分。国立科学博物館附属の自然教育園です。65歳以上入場無料。東京ではここにしかないトラノオスズカケが咲き始めていました。イヌヌマトラノオもまだ見られます。オオヒナノウスツボやシロネなど花が見られたのは幸運でした。今日の様子です。

(↑上の写真)左=自然教育園入口、中=案内、右=トラノオスズカケ

 トラノオスズカケ(虎尾鈴懸)はオオバコ科クガイソウ属。園内の説明板によると「四国や九州を中心に分布し、もともと関東地方には分布していません。希少な植物で絶滅危惧種にも指定されています。自然園のトラノオスズカケは江戸時代に松平讃岐守の故郷から平賀源内が持ち込んだと言い伝えられています」とあります。自然園は江戸時代には讃岐高松藩下屋敷があったところですから、この虎尾鈴懸の由緒は理解できますね。平賀源内(享保13年(1728年)~  安永8年(1780年))は、江戸時代中頃の本草学、地質学、蘭学、医学など多方面に活躍した科学者で、エレキテルの紹介や土用の丑の日に鰻を食べるのは健康に良いことなどを紹介し、当時の有名人でした。酔った勢いで大工の棟梁を殺傷して投獄され、獄死してしまった惜しい人物でした。

(↑上の写真)左=イヌヌマトラノオ、中=ノハラアザミ、右=タイアザミ 

 イヌヌマトラノオ(犬沼虎尾)はサクラソウオカトラノオ属。「オカトラノオ」と「ヌマトラノオ」の自然交雑種。ここ科博付属自然教育園の水生植物園では、以前、「オカトラノオよりイヌヌマトラノオが優勢」と解説されていましたが、今ではイヌヌマトラノオに圧倒されたようです。オカトラノオより水分の多いところで育っているようです。

(↑上の写真)左=ユウガギク、中=シラヤマギク、右=ハグロソウ

(↑上の写真)左=ミズヒキ、中=ギンミズヒキ、右=キンミズヒキ

(↑上の写真)左=モミジガサ、中=メハジキ、右=ヤブミョウガ

(↑上の写真)左=カリガネソウ、中=シモバシラ、右=ヤマハギ

(↑上の写真)左=マツカゼソウ、中=アキカラマツ、右=ヒヨドリジョウゴ

(↑上の写真)どれもオオヒナノウスツボ 

 オオヒナノウスツボ(大雛臼壺)はゴマノハグサ科ゴマノハグサ属。日本各地及び朝鮮半島に分布し、低山の林中に生える多年草という。牧野新日本植物図鑑などによると「多数の暗紫色の小さな花は、萼片は5裂し、下唇は反り返る。雄しべは4本で2本は他より長い、雌しべは1本で花柱は花の外へ伸びている」という。オオヒナノウスツボ(大雛臼壺)という名はヒナノウスツボ(雛臼壺)より大きいのでなづけられたもの。ヒナノウスツボの名は花の形からつけられたもので、小さな壺形の花を臼や壺に見立てたもの という。

(↑上の写真)=シロネ、中=コバギボウシ、右=ヌスビトハギ

(↑上の写真)左と中=ナガホノシロワレモコウ、右=ワレモコウ

(↑上の写真)左=水生植物園、中=アブラガヤ、右=シロバナサクラタデ

(↑上の写真)左=センニンソウ、中=コバノカモメヅル、右=ガマ