野楽力研究所

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獅子岩(野辺山平沢峠)・・・令和4年7月13日

 野辺山平沢峠の獅子(しし)岩を訪れました。飯盛山の登山口になっていますが、フェンスで獣害から保護されるようになって数年。山野草が復活してきました。今日の様子です。(写真をクリックすると拡大されます。)

(↑上の写真)左=平沢峠標識、中=ナウマン博士がここを訪れ、フォッサマグナを想起されたという解説板、右=フェンスで保護された獅子岩野草園

(↑上の写真)左=獅子岩、中=獅子岩の解説板(獅子岩新生代第三期<200万年以前>の火山活動の火山岩類で構成されているという解説)、右=カラマツソウ 

(↑上の写真)左=キリンソウ、中=カワラマツバ、右=オオバギボウシ

 キリンソウ麒麟草)はベンケイソウ科キリンソウ属。APG牧野植物図鑑スタンダード版によると「北海道、本州、四国、九州、および沿海州朝鮮半島、中国の暖帯から温帯の山地や海岸の近くの乾いた岩の上に生える多年草」。「牧野新日本植物図鑑」には「麒麟草は何の意味であるか不明」とあります。湯浅浩史著「花おりおり」には「キリンソウは黄輪草がぴったり」と、書かれています。考案すると、花が植物体のてっぺんに、輪状に付くのでふつうに「黄輪草」と呼んでいたのが、のちに、中国の伝説の「麒麟」に因んで「麒麟草」と書かれるようになったのではないでしょうか。伝説の(ビールの)麒麟とは何の関係もないはずです。

(↑上の写真)左=ニッコウキスゲ、中=コウゾリナ、右=オカトラノオ

 ニッコウキスゲ(日光黄萓)はススキノキ科ワスレグサ属(旧ユリ科)。APG牧野植物図鑑スタンダード版によると「近畿地方以北、北海道、および南千島、サハリンの山地の草原に群生する多年草。葉は2列に扇形に出て、上半分は湾曲して垂れる。花は初夏に咲き、花茎を1本出し、昼間だけ花を開く。この種は標準和名を禅庭花と呼ぶが、花に短柄があるものを特にニッコウキスゲという」とあります。湯浅浩史著「花おりおり」には「標準和名のゼンテイカよりもニッコウキスゲの名で親しまれている。高原の夏を黄色く彩り、特に尾瀬が有名。花は一日だけ咲くとよく言われていたが、実際は二日花で、朝さいて翌日の夕方萎む。似た花のユウスゲは、夕方咲いて翌日午前中に萎む」とあります。

(↑上の写真)左=シモツケソウ、中=チダケサシ、右=ヒヨドリバナ

 シモツケソウ(下野草)はバラ科シモツケソウ属。APG牧野植物図鑑スタンダード版によると「本州、四国、九州の山地に生える多年草。花は初夏から夏に咲く。和名の下野草は花がシモツケに似ている草の意味」とあります。シモツケは小低木の木本、シモツケソウは草本シモツケ(木本)が下野国(栃木県)で見つけられたので下野(シモツケ)と名づけられたと言います。霜が降りたような感じの花なので「霜付け」かと思っていましたが、「下野」ということです。