野楽力研究所

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都立小宮公園・・・令和4年1月10日

 この公園にはソシンロウバイだけが100株ほど栽植されています。今日現在五分咲きといった感じで、まだまだ観賞できます。この時季、オオハナワラビがタンポポの小径に咲いています。雑木林にはヤマコウバシが茶色い葉を付けているのが目立ちます。真冬でも落ちずに健気に冬芽を護っています。その様子が「芽が出るまでは落ちない(落とさない)」という受験生にとってはありがたいご託宣になります。ぜひ、ご家族に受験生がいらしたら栞にして差し上げてください。

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(↑上の写真)左=サービスセンター、中=大杉谷戸に祀られている大谷弁財天、右=弁天池のコガモ

 弁天池は江戸時代には溜池として田圃に水を供給していました。現在弁天池と言われていますが、大谷弁財天が祀られています。池の半分は凍っていましたが、湧水が湧き出ている半分は凍らず、コガモが群れていました。

(↓下の6枚の写真)いずれもソシンロウバイ(素心蝋梅)

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 ソシンロウバイ(素心蠟梅)はロウバイロウバイ属。江戸時代のはじめ、後水尾天皇の時代に朝鮮半島から渡来した落葉低木ロウバイが、その後変種したもので、和名は漢名蝋梅の音読み、ソシン(素心)は中心まで黄色で、ロウバイは花色が蜜蝋に似ていることに基づくといわれています。「早春の黄花三友」すなわち、ロウバイ、マンサク、サンシュユの最初に取り上げられ、一番早く新春早々に咲き始め、冬枯れの景色の中にパッと華やかさを与えてくれます。2月の初めころにマンサク、3月の初めころにサンシュユが咲きはじめます。蝋梅と言っても梅の仲間ではありません。ウメ(梅)はバラ科ですが、ロウバイ(蝋梅)はロウバイ科で、梅とは異なる仲間です。ロウバイの実(上段の右端の写真の右側の枝の黒いもの)を開いて中の種子を見てみるとゴキブリの卵が並んでいるようです。

(↓下の写真)左と中=ヤマコウバシ、右=園内雑木林風景

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 ヤマコウバシ(山香ばし)はクスノキ科クロモジ属。枝を折るとかすかな香りがあることからこの名がついたそうです。(室井綽・清水美重子共著「ほんとの植物観察」によると)「ヤマコウバシの葉が秋に枯れても落ちないのは、葉柄の付け根に離層ができないためです。これは暖地性の植物が寒地に生育したために、寒気の到来に際して離層を作るだけの余裕がなかったためです。春に芽が出るまで、冬中枯葉をつけています。このような現象は、ブナ科のクヌギやコナラ、カシワ、クスノキ科のアブラチャン、クロモジ、カエデ科(野山註:カエデ科はムクロジ科になりました)のチドリノキなどにもみられます」ということです。

(↓下の写真)いずれもオオハナワラビ 左=胞子葉と栄養葉、中と右=栄養葉

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(↓下の写真)左=リョウメンシダ、中=ヤブソテツ、右=ミゾシダ

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