野楽力研究所

近くの自然で野楽力を高めましょう

都立野川公園・自然観察園・・・令和3年11月18日

 秋の深まりを感じさせる野川公園と自然観察園を訪れました。すでに花を終え、実を結んでいるものもあれば、これから咲き始めたものもあり、それぞれの植物のこの時季の佇まいを見せてくれています。野川公園と自然観察園の今日の様子です。

f:id:noyama_ko:20211118181134j:plain
f:id:noyama_ko:20211118181202j:plain
f:id:noyama_ko:20211118181221j:plain

(↑上の写真)左=ニシキギ、中=トウカエデ、右=イロハカエデ

f:id:noyama_ko:20211118181439j:plain
f:id:noyama_ko:20211118181503j:plain
f:id:noyama_ko:20211118181522j:plain

(↑上の写真)いずれも同じエノキ(エノキの黄葉の様子です。)

f:id:noyama_ko:20211118181759j:plain
f:id:noyama_ko:20211118181829j:plain
f:id:noyama_ko:20211118181853j:plain

(↑上の写真)左=自然観察園入口、中=ガマズミ、右=トチノキ

f:id:noyama_ko:20211118182039j:plain
f:id:noyama_ko:20211118182108j:plain
f:id:noyama_ko:20211118182142j:plain

(↑上の写真)いずれもサンショウ、左=雄木、中=樹皮、右=雌木

f:id:noyama_ko:20211118182345j:plain
f:id:noyama_ko:20211118182410j:plain
f:id:noyama_ko:20211118182436j:plain

(↑上の写真)左=園内風景、中=サネカズラ(ビナンカズラ)、右=シオデ

 シオデ(牛尾菜)はサルトリイバラ科サルトリイバラ属。『APG牧野植物図鑑』によると「日本各地、台湾、東アジアの温帯に分布し、原野や山林の縁に生えるつる性の多年草。葉柄の基部に巻きひげがあり、他物に絡む。雌雄異株。花は夏、黒色の実を結ぶ。若菜は山菜として食用される。和名は北海道のアイヌの方言シュウオンテによる。漢名牛尾菜を慣用。」とあります。和名はアイヌ語のしかも方言ということですね。(ブログ:BOTANICA)によると、群生せずなかなか見つからないことから「幻の山菜」と呼ばれているそうです。山菜狩りの時期は、新芽が出る春頃。「山アスパラ」ともいわれ、芽が生長して伸びていく姿や、食感がアスパラに似ているということです。

f:id:noyama_ko:20211118182715j:plain
f:id:noyama_ko:20211118182640j:plain
f:id:noyama_ko:20211118182753j:plain

(↑上の写真)左=ハダカホオズキ、中=イヌホオズキ、右=ヤブラン

 ハダカホオズキ(裸鬼灯)はナス科ハダカホオズキ属。『APG牧野植物図鑑』によると「本州から琉球列島、台湾、アジアの暖帯から亜熱帯に分布し、山野の木陰に生える多年草。茎はやゝ二叉状に分枝する。葉は薄く、花は夏から秋。赤い果実は初冬まで枝に残る。和名は萼が果実を包まないことからついた」とあります。確かに、この赤い実に網の目のカバー(=萼=がく=が袋状に変化したものなんですね)をかければホオズキになりますね。

f:id:noyama_ko:20211118182944j:plain
f:id:noyama_ko:20211118183015j:plain
f:id:noyama_ko:20211118183049j:plain

(↑上の写真)左=リンドウ、中=ノハラアザミ、右=トネアザミ

f:id:noyama_ko:20211118183241j:plain
f:id:noyama_ko:20211118183328j:plain
f:id:noyama_ko:20211118183408j:plain

(↑上の写真)左=タマノカンアオイ、中=アワコガネギク、右=シロバナアブラギク

 アワコガネギク(泡黄金菊)はキク科キク属。APG牧野植物図鑑によると「岩手県以南の本州と北九州や四国の一部、及び朝鮮半島中国東北部のやゝ乾いた山麓や土堤などに生える多年草。花は秋、径1,5cm位の頭花をつけ花後下を向く」とあります。牧野新日本植物図鑑によると牧野富太郎氏自身が黄金色に泡のように咲くこの菊を泡黄金菊と名づけたという。また、別名キクタニギクは、京都の菊谷に自生地があるので自生地の名を取って名づけられたと言われます。

f:id:noyama_ko:20211118183624j:plain
f:id:noyama_ko:20211118183656j:plain
f:id:noyama_ko:20211118183737j:plain

(↑上の写真)左=フユイチゴ、中=ヤマコウバシ、右=センボンヤリ

f:id:noyama_ko:20211118183915j:plain
f:id:noyama_ko:20211118183942j:plain
f:id:noyama_ko:20211118184016j:plain

(↑上の写真)左=ヤクシソウ、中=キチジョウソウ、右=オオジシバリ

 ヤクシソウ(薬師草)はキク科アゼトウナ属。日本各地の日当たりの良い山地や道端に生える2年草。和名については牧野植物図鑑では「薬師草かと思うが語源は不明」とあります。御利益がとてもありそうな名前なので、いい逸話を差しげたいですね。諸説には、根生葉の形が薬師如来の光背の形に似ているので名づけられたとか、傷つけると白い乳液をだし、これが苦いので薬効がありそうというので薬師草と名付けられたというのもあります。……「治らないと宣言された病に冒された美しかった娘が、薬師様を信じて21日間願を懸け、病気全快を祈りました。満願叶う百日目に詣でるとなんと薬師堂の周りは黄色い花が咲き乱れ、病に冒された娘は全快し、もとの美しい娘になったということです。娘は薬師堂の周りに咲いていたこの黄色い花を薬師草と名付け、大切に育てたということです」こんなエピソードはいかがでしょうか。