野楽力研究所

近くの自然で野楽力を高めましょう

高尾山(1号路→山頂→6号路)・・・令和3年5月6日

 高尾山(599,15m)は季節の訪れが平地よりも遅いようで、シャガが満開でした。タカオスミレが咲いています。クワガタソウが満開で、この時期の来ないと見られませんね。なお、6号路は14:00までは上り専用の一方通行路になっていました。今日の高尾山の山野草の様子です。(写真をクリックすると拡大されます。)

f:id:noyama_ko:20210507093150j:plain
f:id:noyama_ko:20210507093201j:plain
f:id:noyama_ko:20210507093212j:plain

(↑上の写真)左=高尾山登山口(右端が1号路登山口)、中と右=シャガ

f:id:noyama_ko:20210507093409j:plain
f:id:noyama_ko:20210507093429j:plain
f:id:noyama_ko:20210507093442j:plain

(↑上の写真)左と中=タカオスミレ、右=フタリシズカ

 タカオスミレ(高尾菫)はスミレ科スミレ属。昭和3年に高尾山で最初に発見されたので名づけられ、その後、30年ほど前、ヒカゲスミレの一品種とされたそうです。花後赤褐色の葉は緑色に代わるそうで、そうするとヒカゲスミレでいいようですが、咲く時期がずれているのでどうでしょうか。コミヤマスミレに花の時季も葉の色も似ています。素人には傍観するしかありませんが、ここでは、せっかく高尾山に来たのですから、タカオスミレとしておきます。(菱山忠三郎著『高尾山 花と木の図鑑』、その他Webを参照)

f:id:noyama_ko:20210507094119j:plain
f:id:noyama_ko:20210507094130j:plain
f:id:noyama_ko:20210507094145j:plain

(↑上の写真)左=オカタツナミソウ、中=コバノタツナミ、右=霞台からの眺望

f:id:noyama_ko:20210507094643j:plain
f:id:noyama_ko:20210507094652j:plain
f:id:noyama_ko:20210507094702j:plain

(↑上の写真)左=山頂に設置された五輪マーク、中=キンラン、右=ヤマツツジ

f:id:noyama_ko:20210507094904j:plain
f:id:noyama_ko:20210507094922j:plain
f:id:noyama_ko:20210507094938j:plain

(↑上の写真)左=ヨゴレネコノメの花後の様子、中と右=クワガタソウ

 クワガタソウ(鍬形草)はオオバコ科クワガタソウ属。(ウィキペディアによると)「日本固有種。本州の東北地方から関東地方・中部地方の太平洋側、紀伊半島に分布し、山地の樹林下や沢沿いなどのやや湿り気のある場所に生育する」ということで、ほとんどの図鑑は、これと同じ表現です。しかし、「北海道、サハリンに分布」という図鑑もあり、高尾山の分布はどうなりますかということになります。花については、これはどの図鑑も「花冠は深く4深裂し」とあり、花弁(花びら)が1枚なのか、4枚なのか、離弁花なのか、合弁花なのか、明確に説明している図鑑は見当たらず、基本情報ともいうべき花弁(花びら)について触れている図鑑が見当たりません。今回の観察で、その点を見過ごしてしまったのは悔やまれます。なお、和名の鍬形草について兜の鍬形に似ているというのは、どの図鑑でも同じですが、果実の形が似ている、というものと、花の雄しべ2本が対で立っている姿が鍬形に似ているというものもあります。どちらもそれらしく感じます。

f:id:noyama_ko:20210507095053j:plain
f:id:noyama_ko:20210507095113j:plain
f:id:noyama_ko:20210507095127j:plain

(↑上の写真)左=ジュウニヒトエ、中=キランソウ、右=ミズナ

f:id:noyama_ko:20210507095238j:plain
f:id:noyama_ko:20210507095252j:plain
f:id:noyama_ko:20210507095306j:plain

(↑上の写真)左=ホウチャクソウ、中=ヘビイチゴ、右=ヤブヘビイチゴ

 ヘビイチゴ(蛇苺)とヤブヘビイチゴ(藪蛇苺)は、ともにバラ科キジムシロ属で、日本各地の山地の林の縁などに生える多年草です。ヤブヘビイチゴヘビイチゴよりも草姿が大きく、実がある時は苺の色や種子(痩果)に皺がないのがヤブヘビイチゴということでルーペを使って比べているようです。花の時季に違いを知りたいですね。簡単な区別点は花弁の外側の萼、両方とも尖っています。そのさらに外側に副萼片がついていて、ヤブヘビイチゴは写真のように大きく広がっています。詳しく言えば副萼片の先端が5つほど切れ込んでいます。ヘビイチゴは写真では写っていないように副萼片が小さく、先端の切れ込みも3つくらいです。これでかなり判別できると思います。

f:id:noyama_ko:20210507095421j:plain
f:id:noyama_ko:20210507095439j:plain
f:id:noyama_ko:20210507095452j:plain

(↑上の写真)左=ツルカノコソウ、中=その匍匐枝の先端、右=カキドオシ

 ツルカノコソウ(蔓鹿子草)はスイカズラ科カノコソウ属。『APG牧野植物図鑑』によれば、「本州、四国、九州及び台湾、中国南西部に分布し、山地の湿った木陰などに生える多年草。茎の葉は羽状に裂けるが、根生葉と走出枝の葉は広卵形。花後に細長い走出枝を根元から著しく伸ばして繁殖することが和名の起こりである。」という。もともと「鹿子草」のピンクの花が鹿の子絞りに似ているので鹿子草と名づけられ、その鹿子草に草姿が似ていて、根元から蔓のように送出枝を出して繁殖するので、ツルカノコソウと名づけられたようです。走出枝の先端は写真のように広卵形の葉なので、これがツルカノコソウの芽とは、見落としがちです。写真では走出枝が随分出ています。

f:id:noyama_ko:20210507095625j:plain
f:id:noyama_ko:20210507095640j:plain
f:id:noyama_ko:20210507095653j:plain

(↑上の写真)左=ココメウツギ、中=マルバウツギ、右=クサノオウ

f:id:noyama_ko:20210507095839j:plain
f:id:noyama_ko:20210507095852j:plain
f:id:noyama_ko:20210507095905j:plain

(↑上の写真)左=ホソバカナワラビ、中=ヤマイタチシダ、右=イノデ

f:id:noyama_ko:20210507100041j:plain
f:id:noyama_ko:20210507100054j:plain
f:id:noyama_ko:20210507100108j:plain

(↑上の写真)左=ジュウモンジシダ、中=シケチシダ、右=ハカタシダ

f:id:noyama_ko:20210507100231j:plain
f:id:noyama_ko:20210507100246j:plain
f:id:noyama_ko:20210507100302j:plain

(↑上の写真)左=参道の様子、中=山門内の北島三郎歌碑、右=6号路の様子