野楽力研究所

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武蔵国分寺公園・お鷹の道・武蔵国分寺万葉植物園・・・令和2年12月22日

 お鷹の道のシダ観察をメインに、都立武蔵国分寺公園から武蔵国分寺まで散策しました。武蔵国分寺公園ではサンシュユの実が鈴なりになっていました。お鷹の道には、野川源流の湧水路があり、その両側には各種シダが観察できます。万葉植物園では万葉の人々が愛でていた植物が栽培されています。戸建て住宅によく植栽されているカクレミノは万葉植物だったんです。今日の様子です。

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(↑上の写真)武蔵国分寺公園の様子です。

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(↑上の写真)左=「もみじの敷物」の雰囲気、中=もみじ、右=ハゼノキ

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(↑上の写真)左=サンシュユの実、中=フユイチゴの実、右=ノシランのまだ未成熟の実

 ノシラン(熨斗蘭)はユリ科ジャノヒゲ属。関東南部以西に広く分布する常緑の多年草。ランと付きますが、ラン科ではなくユリ科です。名前に由来がありそうですが、冨成忠夫著「山渓野草ハンドブック 夏の花」では「のし(熨斗)は『のしをつけてやる』という熨斗で贈り物の飾りに使い、正式には紅白の紙の中に干したアワビを薄く切ったものを入れる。このノシアワビに葉の形が似ているのが名の出所と思われる」とあります。Web「BOTANICA」では「花の茎がきし麺のように扁平で『麺棒でノシたような形』に見えることから名付けられたという説」が紹介されています。ランは花が蘭のようだからというものや葉がランのようだからというものまであります。果たしてどの説が説得力を持つでしょうか。ご自分の説で挑戦するのもいいかも知れません。

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(↑上の写真)左=全国百名水の一つの真姿湧水、中=真姿天神様、右=お鷹の道

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(↑上の写真)左=(武蔵)国分寺、中=境内の万葉植物園、右=カクレミノ

 カクレミノ(隠蓑)はウコギ科カクレミノ属。関東南部以西の暖帯林内に生える常緑小高木、図鑑によっては亜高木。葉は厚く艶があり、枝先に互生します。葉柄は長短不揃いですね。よく見ると、葉は3つ手に裂けているものと裂けていない全縁のものもあります。和名の隠蓑は3裂した葉の形を蓑にたとえたものだそうです。APG牧野植物図鑑によると「古事記日本書紀のミツナガシワを本種にあてる説もある」と、書かれていますが、ここ万葉植物園の解説板には「ミツナガシワ 和名カクレミノ」としています。ウコギ科ですから花や実のつき方がウコギと同じです。今、近所で咲いているヤツデもウコギ科なのでカクレミノと同じ花、実の付き方です。

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(↑上の写真)左=イノデ、中=イノモトソウ、左=オオバノイノモトソウ

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(↑上の写真)左と中=ヤマヤブソテツ、右=ナガバヤブソテツ

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(↑上の写真)左=ゲジゲジシダ、中=フモトシダ、右=ホウライシダ

 ゲジゲジシダ(蚰蜒羊歯)はヒメシダ科ヒメシダ属。全国の低地の山野に生える夏緑性の多年草ですが、北海道では有珠山のみ、東北地方ではごく稀だそうです。夏緑性なので、気温が下がるにつれて黄色くなり、やがて枯れます。羽片は交互に出て、基部が中軸(葉軸)で翼状となっているのでジグザクの感じです。こういう羽片のつき方をゲジゲジの脚のよう、と見たということですが、特徴的な形ですから同定はしやすいですね。上の写真は、実にゲジゲジシダの特徴をあらわしています。

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(↑上の写真)左=イワガネソウ、中=ホシダ、右=リョウメンシダ