野楽力研究所

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白馬五竜高山植物園(2)・・・令和2年8月13日

 五竜テレキャビンを下りたアルプス平駅の標高は1515m。そこから右手に八方尾根を眺望しながら高山植物園を地蔵ケルンのある標高1676mまで標高差161mを高山植物を観察しながら登ります。植物園の中はジグザグの路になっており、途中で昼食を摂りながらゆっくり歩いて2時間弱です。今日の高山植物を紹介します。(写真をクリックすると拡大されます)

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(↑上の写真)左=コマクサ、中=白花のコマクサ、右=タカネウツボグサ

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(↑上の写真)左=タムラソウ、中=キンレイカ、右=キンコウカ

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(↑上の写真)左=チングルマ(実)、中と右=ハッポウタカネセンブリ

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(↑上の写真)左=タチフウロ、中=ハクサンフウロ、右=マツムシソウ

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(↑上の写真)左と中=ナメルギボウシ、右=ツリガネニンジン

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(↑上の写真)左と中=ミヤマママコナ、右=ヤマブキショウマ

 ミヤマママコナ(深山飯子菜)はハマウツボ科ママコナ属。北海道南部から九州に分布し、やや乾いた山林中に生える半寄生の1年草。この植物園の説明板ではゴマノハグサ科になっていましたが、APG新分類ではハマウツボ科。またミヤマママコナとされていますが、「APG牧野植物図鑑」によるとミヤマママコナは、シコクママコナのうち花を包んでいた苞が全縁のものをミヤマママコナといい、本州中部以西から九州に分布するということで微妙です。ここでの草姿はシコクママコナのようではなく、ママコナそのものです。林縁の陰に寂しそうにひっそり咲いていますので継子菜(ままこな)は、ぴったりの名前と思っていましたが、飯子菜ということでした。ママコ(飯子)は米粒のことで、ママコナの未熟な種子が米粒に似ているからという説と下側の花びらに米粒のような白点が(2つ)あるからという説と2説あるようです。ここの説明板では後者の説をとっていました。

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(↑上の写真)左=ハッポウウスユキソウ、中=ヤマハハコ、右=ヨツバヒヨドリ

 ヨツバヒヨドリ四葉鵯)はキク科ヒヨドリバナ属。四国・本州のやや高地と北海道に分布し草原や明るい林縁に生える多年草。葉が4枚輪生しているヒヨドリバナと単純に考えていましたが、植物学的には、たいへん複雑な植物のようです。(矢原徹一著「花の性」東京大学出版会)によると、ヒヨドリバナの大部分は無性生殖をする倍数体でしたが、六甲山でヒヨドリバナの2倍体有性生殖型が発見され(昭和40年代)たのです。それまでは倍数体では、減数分裂がうまくいかず、種子は出来ないと考えられていました。ところが、いろいろと異常が起きていて、倍数体でも発芽力のある種子を作っていたというのです。ヒヨドリバナとヨツバヒヨドリとは、同じ種の変種または亜種の関係と考えられていたのですが、現在では、両者は別種と考えられているそうです。ヨツバヒヨドリ2倍体とヒヨドリバナ倍数体の交雑によってヨツバヒヨドリ倍数体が生まれたらしいというのです。ヒヨドリバナとヨツバヒヨドリの区別が難しいのは、ヒヨドリバナ無性生殖型とヨツバヒヨドリとの雑種があるからだそうですが、この雑種は一代限りのものではなく無性生殖によって子孫を残しているからだそうです。難しいことです。(引用翻案が長くなるので、この辺りで)

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(↑上の写真)左=シシウド(背景:八方尾根)、中=ノギラン、右=ホツツジ