野楽力研究所

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白馬五竜高山植物園(1)・・・令和2年8月13日

 麓では、山野草の花が少なくなるこの時期は、少し標高の高い所で、この時期でしか見られない花を観賞したいと思います。北アルプスの冬はスキー場として賑わうところですから、夏場は涼しく過ごすことができます。ここは、平成25年より日本植物園協会に加盟し、公益性の高い植物園を目指しているところです。花の数が多いので、2回に分けて報告します。

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(↑上の写真)左=テレキャビン乗り場(8分で植物園)、中・右=アカバシモツケソウ

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(↑上の写真)左=アカモノ、中=シラタマノキ、右=アオヤギソウ

 アオヤギソウ(青柳草)はシュロソウ科シュロソウ属。中部以北の林内または草原の湿地に生える有毒の多年草。見た目一瞬、シュロソウと思いましたが、花の色が青っぽいので、これは、何モノかと思いました。(Web:撮れたてドットコム)によれば「アオヤギソウを含めて,シュロソウ,ホソバシュロソウ,タカネアオヤギソウ,ムラサキタカネアオヤギソウはすべて同一種の中の変種または品種で,花の色や草丈,苞の長さなどによって区別されているが,その境界線は必ずしもはっきりしない。本種は日本に自生するものの中ではもっとも基本的な種で,花は淡黄緑色で草丈が比較的高くなるものである」と説明されています。(APG牧野植物図鑑)によると「(和名は)花色と葉状を青柳に見立てたものだが(素人目にはちょっと強弁のように思えますが)、本来はホソバシュロソウの緑色花品につけられた名」と解説されています。最初シュロソウと見間違えたのは、強ち的外れということでもないですね。

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(↑上の写真)左=オオタカネバラ、中=ウメバチソウ、右=アキノキリンソウ

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(↑上の写真)左=ハイオトギリ、中=オオバミゾホオズキ、右=オヤマソバ

 オオバミゾホオズキ(大葉溝酸漿)はハエドクソウ科ミゾホオズキ属。本州中部以北の亜高山帯の湿地に生える多年草。ミゾホオズキよりも葉が大きいという。両方ともにホオズキのような実ができると解説されていますが、Web上の写真をどう見てもホオズキに似ていません。最初に名付けた人はどういう感覚の人だったのか知りたいですね。オオバミゾホオヅキは葉が無柄ですが、ミゾホオヅキはわずかに有柄と言えそうで、葉の大きさと葉柄が区別点のようです。

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(↑上の写真)左=オカトラノオ、中=クガイソウ、右=ヤマルリトラノオ

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(↑上の写真)左=八方尾根の眺め、中・右=カライトソウ

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(↑上の写真)左=キバナノカワラマツバ、中=ゴゼンタチバナ、右=イブキジャコウソウ

 ゴゼンタチバナ(御前橘)はミズキ科サンシュユ属。本州中部以北の亜高山帯針葉樹林下や高山帯のハイマツ群落の縁などに生える多年草。和名については、APG牧野植物図鑑では「最初に発見された石川県白山の御前峰と果実の形を橘になぞらえた」と解説されています。山渓:丸山尚敏著「山の花」では「名前についてはいろいろ言い伝えがあるので、どれが本当かは、よく分からないが、昔、修験者が加賀の白山に登った時、葉と実の形から、橘の一種とみて、仏教的な気持ちで持ち帰って信者に配ったためつけられたというのが、どうやら正しいらしい」としています。いずれも霊峰、御前峰を由緒起源にしています。葉はきれいに輪生しているように見えますが、山渓の解説によると「葉は対生であるが、ごく近くについているので、花(実)のないものは4枚、花(実)のあるものは6枚が輪生しているように見える。葉には、柄はほとんどなく、2~3対の葉脈が明らかに通っている。果実は直径5mm程度の球形になり、つやのある赤色が美しい」と。