野辺山の平沢峠(1414m)の獅子岩の周囲には、数年前から防鹿柵が作られ、山野草が保護されてきましたので、草花が戻ってきました。特に、ニッコウキスゲが綺麗でした。今日の様子です。
(↑上の写真)左=名称由来の獅子のような獅子岩、中=ニッコウキスゲ、右=ヤマオダマキ
(↑上の写真)左=キリンソウ、中=マツムシソウ、右=カワラマツバ
キリンソウ(麒麟草)はベンケイソウ科キリンソウ属の山地や海岸の近くの乾いた岩の上に生える多年草。牧野植物図鑑に「名前の由来不明」と書かれている所為か、キリンソウ自体を載せていない図鑑がほとんどです。山渓「野に咲く花2」丸山尚敏著、昭和46年発行には「ここで言うキリンとは、動物園にいる首の長い動物ではなく中国の伝説に出てくる麒麟のことであって、これの足や尾などにキリンソウの葉のような瑞雲がかかっているという言い伝えからついた名前なのである。しかし、キリンソウと呼ばれている植物は、どれも皆黄色い花をつけているものばかりなので、あるいはもっと違う意味があるかもしれないので、今調べている」とのことです。また、Web:図鑑netモバイルブログでは「この名の由来で有力なのが、『本来は、麒麟草ではなく、黄輪草だった』説です。キリンソウの花は、黄色いです。その花が、植物体のてっぺんに、輪状に付きます。だから「黄輪草」と呼んでいたのが、のちに、「麒麟草」に取り違えられた」というのです。この説もいいように思いますが、どうでしょうか。野楽花言葉「孫たちの集い」「園庭の賑わい」「星の煌めき」。
(↑上の写真)左=オオバギボウシ、中=コバギボウシ、右=オカトラノオ
(↑上の写真)左=コウゾリナ、中=シモツケ、右=シモツケソウ(未開花)
コウゾリナ(顔剃菜)はキク科コウゾリナ属。北海道から九州の山野に普通に生える多年草。花は初夏から晩秋にかけて咲き続ける。和名は牧野植物図鑑によれば、「茎や葉の剛毛は人の皮膚に触れると引っかかるから、これを剃刀に見立て、カミソリ菜の意味のコウゾリナと名付けられた」とあります。また、Webには「茎葉の毛が皮膚にふれると『そる』ような感じがすることに由来する」という解説もあります。どちらもいまいちピンときません。茎に手をあてがうとお父さんの髭剃り前の顔に触っている感じです。「お父さん、早く顔を剃りな」と言ってあげたくなるので「顔剃りな」→「コウゾリナ」となったとするのが一番自然の感じがしますが、どうですか。ただ、若芽は食べられるということですから、「ナ」は「菜」と置き換えてもいいかも知れません。
(↑上の写真)左=ヒヨドリバナ、中=ノハラアザミ、右=チダケサシ
ノハラアザミ(野原薊)はキク科アザミ属。本州中部以北の乾いた草地に生える多年草。ノアザミ(野薊)は本州、四国、九州の山野に普通に生えるということですから、両方のアザミが見られるのは本州中部以北の方々で、九州、四国の方々にとっては珍しいアザミということになります。花期は、ノアザミは春から夏、ノハラアザミは夏から秋。7・8月は両者が揃って咲いていますが、ノハラアザミは、頭花の花柄は短く、写真のように2〜3個集まって咲くことと根生葉は花期にも残ることで区別がつきます。また、ノハラアザミの総苞は粘りませんが、ノアザミの総苞はよく粘るので、触ってみると区別がつきます。
(↑上の写真)左=クサレダマ、中=クルマバナ、右=フタバハギ