野楽力研究所

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都民の森「森林セラピーロード」を通り「ブナの路テラス」まで往復・・・令和2年7月30日

 都民の森入口から森林セラピーロードを三頭大滝まで、さらにブナの路テラス(標高1200m)までを往復しました。自然観察しながらゆっくり歩いて往復2時間です。霧の中を歩いている感じです。ギンバイソウが満開。タマガワホトトギスは1株咲いていましたが、他はまだ蕾です。偶然、クモキリソウを3株見つけました。今日の様子です。

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(↑上の写真)左、中=ギンバイソウ、右=タマガワホトトギス

 ギンバイソウ(銀梅草)はアジサイギンバイソウ属。関東以西の山地の木陰に生える高さは40cmから70cmの多年草。葉は対生し、先端は写真のように2つに裂けている特徴のある面白い形の葉ですから、すぐに確認できます。花は装飾花と両性花があり、装飾花はアジサイの装飾花と同じで萼片は2~3枚。両性花は、小さい5裂した萼片と大きな白い花弁が5枚で、雄しべがたくさんあり、雌しべは中心に突出した1本。花一つ一つはとても豪華です。和名は、花が白梅を思わせるのでつけられたそうです。(APG牧野植物図鑑スタンダードなどの図鑑とWeb参照)

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(↑上の写真)左=ツリフネソウ、中=キツリフネ、右=森林セラピーロード入口

 森林セラピーのWebによると「森林セラピーは、科学的な証拠に裏付けされた森林浴のことで、森を楽しみながらこころと身体の健康維持・増進、病気の予防を行うことを目指しています。森林セラピーを楽しめる「森林セラピー基地」と「セラピーロード」は、現地と都会で比較実験を行い、癒しの効果・病気の予防効果が科学的に認められたお墨付きの森です」ということで、ここが指定されています。路にはウッドチップが敷かれ、とても歩きやすく、周りは森に囲まれ、フィトンチッド(植物から体外に放出される成分)で満たされています。一日の疲れを十分癒してくれます。

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(↑上の写真)どれも=クモキリソウ

 クモキリソウ(蜘蛛切草、雲切草、雲霧草、蜘蛛散草)はラン科クモキリソウ属。「APG牧野植物図鑑スタンダード版」によると「日本各地の落葉樹林内に生える多年草。高さ15~30cmで地上部は毎年枯れる。葉は2枚、前年の茎の側方に出て、やや滑らか。花は春から初夏。径1cm位。普通は淡緑色(アオグモという)、ときに淡暗紫色でクログモという。和名の語源については諸説あり、漢字表記もそれに従って蜘蛛切草、雲切草、蜘蛛散草などと一定しない」とあります。写真のクモキリソウはアオグモ(淡緑色のクモキリソウ)のようです。和名の漢字は、上記の本には載っていませんが、今日の天気の霧の中で見つけましたので「雲霧草」が一番合っているように思いました。ここでの株は、草の高さは、せいぜい10㎝程度でしたが、個体差があるのでしょう。

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(↑上の写真)左と中=ナガバノコウヤボウキ、右=ヤマユリ

 ナガバノコウヤボウキ(長葉高野箒)はキク科コウヤボウキ属。岩手県以南のやや乾燥した山地に生える落葉小低木。1年枝は卵形葉を互生し花をつけず、2年枝になると節ごとに長楕円形の葉を束生し、秋にその先端に白色の花をつけます。この写真の株は早めに花を咲かせたようです。同じ花のつくりのコウヤボウキ(高野箒)は同じくキク科コウヤボウキ属ですが、一年目の枝先に花をつけます。コウヤボウキは一つの枝の先に一つ花をつけますが、ナガバノコウヤボウキは一つの枝に節ごとに並んで花をつけるので区別しやすい特徴です。なお、高野山では昔、竹の栽培が禁止されていたそうで、竹箒が作れず、このコウヤボウキを束ねて箒にしていたそうです。それが高野箒の謂れと言われます。(「APG牧野植物図鑑スタンダード」、各種Webを参照)

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(↑上の写真)左=タマアジサイ、中=ヤマアジサイ、右=クサアジサイ

 タマアジサイ(玉紫陽花)はアジサイアジサイ属。福島県南部から四国の山地に生える。都民の森では、コアジサイが咲き終わり、ヤマアジサイが終わりかけ、タマアジサイはこれから咲くというのが花の咲く順序。タマアジサイの花は、中心に紫色の両性花が咲き、それを白い装飾花が囲みます。ガクアジサイとともに園芸種アジサイの原種といわれます。クサアジサイ(草紫陽花)も、やや湿った林床に生える多年草アジサイ科クサアジサイ属の草です。茎は分かれず1本で、葉が互生であることが他の対生のアジサイとちがうところ。始めて見ると「あれ?アジサイのような花だが葉が互生?」という感じです。

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(↑上の写真)左=ノリウツギ、中=ムラサキシキブ、右=森林セラピーロード

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(↑上の写真)左=三頭大滝、中=ヒヨドリバナ、右=モミジバハグマ(まだ蕾)