野楽力研究所

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小石川植物園・・・令和元年9月20日

 今日は小石川植物園を訪ねました。塀と入口正門が綺麗になっていました。延びていた温室の開館は11月末になるということです。

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(上の写真)左=正門入口、中=ヒガンバナ、右=スイフヨウ

  ヒガンバナ彼岸花)はヒガンバナ科。染色体が3倍体なので種子ができず、分球で増えます。一度植えると年ごとに球根が増えていきます。しかし、大きな移動は人為的なもの。球根がリコリンという有毒物質を含んでいるので土葬の墓や土堤などでネズミに穴を掘られないよう、この有毒球根を植えたといいます。ですから、多くは墓や土堤に咲いているんですね。ちょうど彼岸の頃に茎をのばし花をつけるので彼岸花と言われるようです。花が枯れると葉を出し、他の植物が枯れる冬に太陽を独り占めして葉を茂らせます。葉は自分の花を見ることはありませんし、花は自分の葉を見ることがないので加賀地方の方言で彼岸花のことを「ハミズハナミズ」というそうです。曼珠沙華梵語で大きい赤い花という意味で仏教由来の名称だそうです(深津正著「植物和名の語源」参照)。 スイフヨウ(酔芙蓉)はアオイ科。一日花で咲き始めは白でやがて赤くなる。白が赤くなるので酔っているようだから酔フヨウというそうです。

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(上の写真)左=タヌキマメ、中=オオハンゲ、右=センニンソウ花と実

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(上の写真)左=キクイモ、中=キクイモモドキ、右=ニラ

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(上の写真)左=ヤマハギ、中=マルバハギ、右=ユウガギク

  ハギ(萩)はマメ科。萩は、わが国では秋を代表する七草の一つということで秋に草冠をつけてハギとしています。ハギにも種類がありますが、萩といった場合はヤマハギを指します。中国にも萩という漢字はあって、ヨモギかキササゲに当たるものを指し、日本とは全く異なるものだそうです。萩という漢字をハギと読ませるのは日本の国訓ということになるようです。万葉集ではハギを「波義」「波疑」のほか「芽子」「芽」と漢字をあてているそうで、萩という漢字が使われるようになったのは平安中期(930年代)和名類聚抄で編者の源順が使ったのが最初だそうです(深津正著「植物和名の語源」参照)。ハギは3小葉の葉ですが、ヤマハギは小葉の先が尖り気味で花穂が葉腋から5㎝ほどのびて花をつけ、のびやかです。マルバハギは小葉の先が丸く、花が葉腋にかたまってついているので、この2つは区別がつきやすいです。

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(上の写真)左=ホソバオクラ、中=フクロミモクゲンジ=オオモクゲンジ、右=新温室

 クロミモクゲンジ=オオモクゲンジ(袋実木槵子=大木槵子)はムクロジ科。朝鮮半島を中心に見られる落葉高木。小葉は2回奇数羽状複葉で、羽状複葉がさらに羽状複葉を派生する。モクゲンジよりも葉が大きいのでオオモクゲンジと名づけられた。モクゲンジの葉は、センダンの葉のようですが、オオモクゲンジの葉は全縁で丸っこい小葉です。オオモクゲンジは写真のように黄色い小花を初秋9月につけますが、モクゲンジは、7・8月ごろ花をつけるそうです。オオモクゲンジの実は、別名フクロミ(袋実)モクゲンジといわれるように3つの袋状の蒴果をつける。11月ごろ赤く色づき、のち白茶色になり、3つの袋に2個の黒い球形の種子をつけます。小石川植物園ではフクロミモクゲンジの名札が付いています。