野楽力研究所

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都民の森・・・令和元年8月13日

 鞘口峠(さいぐちとうげ)から回廊の路を通って三頭大滝に出ようとしましたが、路が整備されておらず、案内図が役立たずでした。野鳥観察小屋の下からは、花も出てきて、ホッとしました。そこまでの回廊の路は鹿の食害からか、花が全くなく、人とも会わず、寂しい道でした。野鳥観察小屋から下ったテラスから森林館までの大滝の路には、花がありました。この路は、お奨めです。テラスから下った所にはタマガワホトトギスが咲いていました。今が、見るチャンスです。

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(上の写真)どれもタマガワホトトギス

 タマガワホトトギス(玉川杜鵑草)はユリ科。牧野植物図鑑によると、黄色ホトトギスと名づけるところをしゃれてタマガワとしたそうです。黄色として連想されるのがヤマブキです。その山吹で有名なのが、京都山城の井出玉川なので、黄色を婉曲に玉川と表現したということです。多摩川に馴染みの方は残念ですが、ゆめゆめ多摩川ではないということです。

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(上の写真)左=コウモリソウ、中=コウモリソウの花、右=ホソバノコウヤボウキ

 コウモリソウ(蝙蝠草)はキク科。葉の形が変わっています。コウモリが翼を広げたような形です。薄暗い感じのところに生えていますので名前を聞くとバタバタと蝙蝠が飛び出してきそうです。一度目にすると忘れられない草です。花もコウヤボウキやカシワバハグマと言われるような花と形が似ています。

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(上の写真)左=ヒヨドリバナ、中=タマアジサイ開花寸前、右=タマアジサイの花

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(上の写真)左=ソバナ、中=コマツナギ、右=ミヤマナミキ

 ソバナ(岨菜・蕎麦菜)はキキョウ科。こんな形の風鈴があったらいいなあ、と思われる可愛らしい花です。険岨(けんそ)などという岨(そば)の険しい山肌に生え、山村の人が結構美味しく茹でて食べていた山菜ということで岨菜と名づけられた。というものの他に杣人(そまびと)が同じく茹でて食べていたというので、杣菜(そまな)がソバナになった、というもの。他に、ソバナの方言にヤマソバ(山蕎麦)があり、この山蕎麦を茹でて切って食べる食べ方が蕎麦に似ているというのでソバナになったというものなどあります。今では採って食べてみるわけにいかず、残念なことです。(牧野植物図鑑、山渓「山の花Ⅰ」、関東森林管理局HP)

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(上の写真)左と中=ミズタマソウ、右=キバナアキギリ

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(上の写真)左=クサボタン、中=ボタンヅル、右=クサアジサイ

 ボタンヅル(牡丹蔓)はキンポウゲ科センニンソウ(仙人草)属。この属は園芸ではクレマチス属と呼ばれていますので、きれいな花を咲かせます。しかし、この属の草には毒性があり、山の動物たちも食べないと言われ、葉や茎の汁などでかぶれる人もいるそうです。葉は牡丹のような葉で1回3出葉で対生。茎は木質化して他の木に絡まります。花が咲いた時は木を覆って遠く目にもよく見えるので感嘆します。庭に植えると大変です。根が蔓延り、そこから芽をだし、周囲の木は覆われて、忽ち増えて、駆除が追いつきません。自然の中での鑑賞が一番と思います。牡丹はその美しさからいろいろあやかられるようで、ボタンヅルをはじめ、コボタンヅル、クサボタン、ルイヨウボタンなどあやかっていますね。

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(上の写真)左=ヒカゲミツバ、中=キバナガンクビソウ、右=キツリフネ