野楽力研究所

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野川公園自然観察園・・・令和元年8月17日

 野川公園自然観察園は、各種山野草が自然の雰囲気で栽培されていますので、いつ行っても花を観賞することができます。今日は、台風の余波で少々荒れていました。立っているだけで汗が噴き出る暑さでしたが、遊歩道は、ほとんど木陰でフィトンチッドを浴びながら、ゆっくり楽しめました。(JR武蔵小金井駅南口から調布駅北口行きバスで15分、「野川公園一之橋」下車、徒歩5分)

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(上の写真)左=自然観察園入口(無料)、中=キツネノカミソリ、右=センニンソウ

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(上の写真)どれもシュウカイドウ、中=雌花、右=雄花

 シュウカイドウ(秋海棠)はシュウカイドウ科シュウカイドウ属(ベコニア属)。ベコニアの仲間。江戸時代初期に中国より持ち込まれたそうです。雌雄同株の雌雄異花。中の写真は雌花で、柱頭を保護している2枚の白っぽい萼と小さな花弁が1枚写っています。この小さな花弁は退化しているものもあります。子房が3角片になっているので見分けやすいです。右の写真は雄花で内側に小さな花弁が2枚とその外側に大きな2枚の萼片がついています。一般の生物のように雄花の数の方が雌花より多くなっています。俯き加減に咲く花の様子が寺院などの飾り(瓔珞=ようらく)にも似ていることから、別名瓔珞草とも言われるとのこと。瓔珞草の名の方が相応しいかもしれません。秋海棠は、花色が海棠(バラ科の花木)に似て秋に咲くからということだそうです。

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(上の写真)左=ヒオウギの花、中=ヒオウギの全体、右=オミナエシ

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(上の写真)左=シュロソウの花、中=シュロソウ全体、右=オトコエシ

 シュロソウ(棕櫚草)はユリ科。青い草波の中ににゅっと異形なものが飛び出た感じの「これ何?」といいたくなる草です。根元を見ると棕櫚の葉のような葉がついているのでシュロソウと納得できますが、大抵の場合、根元は他の草に覆われて見ることができません。しかし、この花の色、花の様子に不思議な何かを感じておけば、次回は一度で言い当てることができると思います。

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(上の写真)左=タコノアシの花、中=タコノアシの花後、右=ユウガギク

 タコノアシ(蛸ノ足)はタコノアシ科。ベンケイソウ科でしたが新分類でタコノアシ科になりました。面白い名前なので、一度目にしたら忘れられません。河川敷や休耕田、湿地などで普通に見られたそうですが、それらが整地されるようになって湿った荒れ地が少なくなり、減少しました。準絶滅危惧(NT)類、生息地の変化によっては絶滅危惧種に移行する可能性のあるものということです。花の咲き終わったあとの種子のつき方が、蛸ノ足の吸盤が並んでついているように見えます(中の写真)。これが秋に草紅葉となると茹蛸のように真っ赤な蛸足となります。

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(上の写真)左=イヌトウゴマ、中=ヤブラン、右=コバノギボウシ