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平山城址公園の南東に隣接しています。以前は平山城址公園内の遊歩道から大学に入れましたが、今はフェンスができ、左に登って警備員のいる入口で断って入るようになっています。そこから徒歩2分で植物園です。春から夏への移り変わりで、花の端境期でしたが、それでも今の花を愉しむことができました。
(下の写真)左=キンラン。中=ギンラン。右=エビネ。
(下の写真)左=ヒメシャガ。中=シャガ。右=マイヅルソウ。ヒメシャガ(姫射干)はアヤメ科。シャガは古くに中国からもたらされ、日本に帰化したもので種子ができず人の手で増やされたものと言われます。花は一見似ていますが、ヒメシャガは、本州・四国・九州に自生し、原産地は日本だそうです。花のつくりが複雑です。じっくり観察して謎解きをしたいです。大きく、網目模様のあるの3枚が外花被で、萼に相当するもので、内側の模様の無い小さいもの3枚が内花被片で、花弁だそうです。雌しべは3つ、萼に沿って乗っているということです。(資料:インターネット・花さんぽ など)
(下の写真)左=カマツカ。中=ツリバナ。右=マルバウツギ。カマツカ(鎌柄)は、バラ科。落葉小高木。別名ウシコロシ。名の通り鎌の柄にする木ということで、相当堅くしかもしなやかさもあるという木のようです。牛の鼻につける鼻木(鼻輪)をこの木で作ったり、この木と木の間に身を入れると牛でも出てこれないという、なんとも牛にとってはかわいそうな話なので別名ウシコロシ(牛殺し)とついたとも言われます。諸説あり、カマツカの木が手に入る方は試してみてください。
(下の写真)左=ガクウツギ。中=ヤブデマリ。右=キササゲの実
(下の写真)左=チョウジソウ。中=スズカカンアオイ。右=ムサシアブミ。ムサシアブミ(武蔵鐙)はサトイモ科。鎌倉から京に攻め入った騎馬武者の鐙の形がこの花(正しくは仏炎苞)の形に似ているので京の人たちが、この草を思わず「武蔵鐙」と言ったとか、言わないとか。御伽草子集「小町草子」に色好みの小野小町が歳とり、80歳を過ぎてうらぶれて、在原業平に出逢い、お互い千人といわず恋をしたが、今は、昔の面影も無い。物乞いしながら歩き、美濃、尾張、駿河、三保の松原を過ぎて東路に入ると「さすがにかけし武蔵鐙と、古歌にもあるぞかし」と武蔵鐙に出会い、懐かしむ場面が出てきます。(古歌は伊勢物語13段に出てきます。)小野小町が見ていた昔に変わらず、今もムサシアブミが咲いています。
(下の写真)左=カラスビシャク。中=アミガサユリの実(花からは想像できない実の形)。右=参考:アミガワサユリの花(3月29日:城山カタクリの里)。カラスビシャク(烏柄杓)はサトイモ科。いかにも柄杓としては小さいのでカラスのひしゃくというのはぴったりのようです。イモを干したものは半夏(はんげ)と呼ばれる生薬だそうで、価値のあるもののようです。このイモは栗のような感じのもので茎がとれたところはへこんでいて「へそ」のようなのでこのイモを「へそぐり」というそうです。農家の主婦は、このイモを干して生薬として売って、儲けた金を密かに貯め込んだので、そういう金を「へそくり」というようになったということです。へそくりの語源ということです。