野楽力研究所

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府中市立府中郷土の森・・・2月15日

 梅まつり(3月3日まで)の最中で、梅も満開で見ごたえがありました。今日は最高でした。マンサクは「早春の黄花三友」ロウバイ、マンサク、サンシュユのひとつとして2月の半ばに咲きますが、これも見頃でした。ソシンロウバイはほとんど咲き終わっていました。観賞のあとは、三旧田中邸古民家の「美蔵」の名物「梅そば」をいただきましょう。美味しいです。今日の様子です。

(↑上の写真)左=郷土の森入口、中と右=マンサク(満作、万作)

 マンサク(満作、万作)は、マンサク科マンサク属。田中肇著『花の顔』によると「早春の花は寿命が長く、大抵1週間以上咲き続ける。マンサクの花もそうだ。花が咲く頃は、まだ雪の降るような寒い日もあり、昆虫が活動できるほど暖かい日は少ない。その暖かい日を待って花はじっと耐えるのである。小さな萼は紫褐色だ。雄しべ雌しべも同じ色で統一されている。紫褐色はハエに、肉を連想させ、反射的に口を伸ばさせるからだ。そこには4本の密腺があり、葯が花粉をかかげて待ち構えている。4枚ある黄色の花弁は紐状で捻じれている。雄しべも4本。葯の左右には丸い蓋があり開花すると、真上に跳ね上がる。黄色の花粉は、蓋の裏についている。花は横向きに咲き、かすかに肉桂(にっけい)の香りがする。蜜は褐色の棒状の密腺から出る」と。全文引用させていただきました。

(↑上の写真)どれもフジボタンシダレ(藤牡丹枝垂れ)

 佐川光晴著『満天の花』より「2月19日をもって万延から文久改元されて8日目の2月27日に前回と同じ面々が辰ノ口に集まった時には紅白の梅が咲き、邸内にまで香が漂っていた。しかし、誰もそれを話題にしなかったのは、仰天の重大事が起きていたからだ。『ついに、ロシアが対馬を獲りにきおったか』最年長の遠藤様が口を開き、帯から扇子を抜いて自分の腿をぴしゃりと打った。ロシア国旗を掲げた軍艦ポサドニック号が対馬の尾崎浦に投錨した。対馬藩ではすぐ退帆するよう抗議したが、艦長のピリリョフ中尉はアスコルド号を例に挙げてポサドニック号も修理と食料、水、薪の補給を要求してきた。『よくもぬけぬけと』丸い顔を真っ赤にした水野様が舌打ちした。(現代に通じるできごとが200年前にも起こっていたんですね。しかし、時の担当者は立派に対処していました。邸内に漂う梅の香りが四角張った気持ちを和らげてくれました。)

(↑上の写真)どれもトウバイ(唐梅)

(↑上の写真)どれもベニチドリ(紅千鳥)

(↑上の写真)どれもシロカガ(白加賀)

(↑上の写真)どれもコウメ(小梅)

(↑上の写真)どれもタマガキシダレ(玉垣枝垂れ)

(↑上の写真)左=フクジュソウ福寿草)、中=ニホンスイセン(日本水仙)、右=ウンナンオウバイ雲南黄梅)ただし、花ではなく葉

(↑上の写真)いずれもソシンロウバイ(素心蝋梅)

(↑上の写真)いずれも園内風景