野楽力研究所

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小石川植物園・・・令和5年2月21日

 小石川植物園を訪れました。柴田記念館では井上裕由(野鳥の)写真展が開催中です。2月26日まで。温室では珍しい植物が展示されています。今の時期、メインは梅林です。梅の木には品種名が付けられているので花ごとに花と香りの違いを楽しみながら観賞しました。今日の様子です。(小石川植物園へは、地下鉄丸ノ内線茗荷谷駅下車徒歩15分です。)

(↑上の写真)左=植物園入口、中と右=園内風景

(↑上の写真)いずれもシナマンサク

 百草園を観察の時に掲載しましたが、ここに(Web:京都園芸倶楽部ブログ)より引用したものを再掲します。「マンサクは日本固有種ですが、近縁で中国原産のシナマンサクという品種もあります。見た目はそっくりです。シナマンサクのほうが、開花時期が早く、1月中に咲き始めることが多い。マンサクは少し遅く、2月になってから咲き始める。また、わかりにくいですが、花弁の長さはシナマンサクのほうが長く(弁髪を想像する)、マンサクのほうが短い。さらに、シナマンサクは開花時期になっても前年の葉が枯葉となって枝にかなり残っているのに対し、マンサクは少ししか残っていないという違いもある。」ということです。上の写真のように枯れ葉がたくさん残っています。

(↑上の写真)左=柴田記念館入口、中=井上裕由の野鳥写真展、右=展示の様子

(↑上の写真)左=温室全景、中=温室正面入り口、右=温室内部の様子

<↓温室・ラン室にて>

(↑上の写真)左=ラン科植物の袋、中=解説(写真をクリックすると拡大されます)、右=食虫植物ウツボカズラの捕虫嚢

 ラン科植物の袋には食虫植物ウツボカズラの捕虫嚢のように消化液は入っていません。虫がラン科植物の袋(上の写真左)に落ちると明るい方を求めて這い上がろうとします。袋の内面につくられた這い上がりやすいルートの先には雌しべの柱頭があり、他の花の花粉を背中につけて這い上がって来た虫がその背中を柱頭に擦りつけないと逃げられないような仕組みなっていてその結果ラン科植物の受粉が思惑通り成就するようになっています。ウツボカズラ(上の写真右)のような食虫植物は他の植物と生育地争いをせず、他の植物が生育できないような栄養分の少ない貧栄養の土地に生きていこうとした植物です。そのため捕虫した虫から生育に必要な養分を吸収しようとしました。虫を捕らえ、能率よく消化吸収するために捕虫嚢を発達させた植物と言えます。捕虫嚢の主な消化酵素はキチナーゼ。(小石川植物園温室の上の中の写真の解説とWeb岐阜県立高校ネットワークを参照しました。)

(↑上の写真)小笠原自生の左=ハザクラキブシ、中=シマムラサキ、右=冷温室のミチノクフクジュソウ

<↓梅林にて>

(↑上の写真)左と中=梅林風景、右=梅林から奥へ広がる日本庭園(奥から梅林を遠望したもの)

<梅にことよせて>葉室麟著「雨と詩人と落花と」より、(一部翻案)「広瀬旭荘(ひろせ きょくそう:小説の主人公)の9歳年上の師亀井昭陽の長女少栞(しょうさん)が結婚相手の三苫源吾(みとまげんご)に贈った漢詩「扶桑第一の梅  今夜君のために開かん  花の真意を知らんと欲せば  三更月踏んで来たらん」(扶桑とはわが国のこと)この国第一の梅(である私)があなたのために今宵、開こうとしています。花の真意を知りたければ、深夜に訪ねて来てください、という詩だ。」意味深な漢詩、こんな漢詩がもらえたら男としては嬉しいですが、少栞は利発で気丈な女性だったんですね。註:広瀬 旭荘(ひろせ きょくそう)江戸時代後期文化~ 文久儒学者漢詩人、高野長英と同時代人。

(↑上の写真)どれも「故郷の錦」

(↑上の写真)どれも「寒紅梅」

(↑上の写真)どれも「黄梅」

(↑上の写真)どれも「未開紅」

(↑上の写真)どれも「白鷹」

(↑上の写真)どれも「守の関」

(↑上の写真)どれも「扇流し」

(↑上の写真)どれも「蘇芳梅」

(↑上の写真)どれも「田毎の月」

(↑上の写真)どれも「鹿児島紅」

<↓園内その他の花など>

(↑上の写真)どれも「カンザクラ」

(↑上の写真)左=ヤマアイ、中=カントウタンポポ、右=ユキワリイチゲ