年の瀬も迫りました。新春にはロウバイが開花し、一番に春を告げてくれます。今日は、ひょっとしてロウバイが咲いているかなと思って、小宮公園のロウバイを見に行ってきました。カメラを提げて、花を探していると、丁度、地元の奥さんが「咲いていますよ」と教えてくれました。
(上の写真)左=ソシンロウバイの花、中=蕾、右=まだ葉をつけているソシンロウバイの木
ロウバイ(蠟梅)はロウバイ科。湯浅浩史著「花おりおり」には、ロウバイは旧暦の12月(臘月)に咲くので臘梅という、とありますが、牧野植物図鑑では、ロウバイは漢名の蝋梅(臘梅は不可)の音読み、とあり、臘梅はダメだとあります。梅の花弁がロウのように艶やかになった感じなので蠟梅という人もいますが、どう見てもバラ科の梅とは科も違い花も似ていませんね。ソシンロウバイ(素心蠟梅)は、花弁と萼とがともに黄色く透明なものを指しているようです。
(上の写真)左=アブラナ、中=カントウタンポポ、右=冬枯れの公園
(上の写真)左=ゴンズイ、中=マユミ(赤い種子は落下済み)、右=ヤイトバナの実
ヤイトバナ(灸花)はアカネ科。普通、ヘクソカズラ(屁屎葛)と言われます。湯浅浩史著「花おりおり」によると、万葉集にも屎葛(クソカズラ)として詠われているそうです。この草の蔓が上に伸びていく様子が、宮中に仕える者にとって位が上がっていく上昇思考に合致したということです。ところで、お寺さんでは位牌の戒名も差別的なものはやめるようにしていますので、植物学者も思わしくない植物名、例えばヘクソカズラのような名前は変えてもいいのではないかと思います。サオトメバナという提案もあるようですが、香りは抜けきらないので若い女性にはかわいそうです。それで、花の形がお灸の形に似ているのでヤイトバナ(灸花)はいいのではないかと私は思っています。
(上の写真)左=伸びやかなユーカリ、中=フユノハナワラビ、右=その栄養葉の様子
(上の写真)左=カニクサ、中=リョウメンシダ、右=冬枯れの雑木林