野楽力研究所

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湯ノ沢峠お花畑・・・令和元年9月2日

 国道20号線(甲州街道)「甲斐大和道の駅」の勝沼よりの日川渓谷入口から車で20分、さらに林道に入り20分、ここまでは舗装された林道ですが、最後の2Kmは未舗装で普通乗用車では底を摺ります。峠直前に駐車スペースとトイレがあります。10数年前に行った時よりは、道路が舗装されています。あと2Kmの舗装です。駐車スペースから徒歩5分、お花畑は鹿防除柵に囲まれ、保護されています。下の写真は、愉しんだ草花です。

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(上の写真)左=ヒメトラノオ、中=ウスユキソウ、右=コウリンカ

 ヒメトラノオ(姫虎尾)ゴマノハグサ科オカトラノオに似ていますが、この花は青紫色、オカトラノオよりも小振りでやさしい感じなので姫とつけられたのでしょう。青紫の花穂がクガイソウ(九階草・九蓋草)に似ていますが、クガイソウは葉が数枚輪生となっています。ヒメトラノオは対生です。花穂が数本出ているものもあります。

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(上の写真)どれもウメバチソウ、左=雄しべが雌しべを覆ている、中=雄しべは2本開いている、右=根元のハート形の葉

 ウメバチソウ(梅鉢草)はAPG分類でニシキギ科。花の形ではなく、梅の花の家紋、梅鉢紋に似ているからと牧野植物図鑑にあります。木屋進著「家紋入門」には、梅の花の紋は梅花紋と梅鉢紋があり、絵画的な図案のものは梅花紋、幾何学的な図案のものを梅鉢紋というそうです。天満宮信仰の篤かった前田家など北陸の武将が使ったということです。この花のつくりは実にユニークです。はじめ雄しべ(5本)は雌しべ柱頭を隠しておいて(左の写真)1本ずつ広げていくそうです。中の写真では2本の雄しべが伸びて反り返った様子です。雄しべが全部反り返り、花粉を出さなくなると柱頭があらわれ他家受粉するようになっているという実に巧妙な花のつくりです。花びらの内側にギザギザっとした平らなものが見えます。これは仮雄しべといわれ、雄しべの働きを失ったものだそうです。根元に蜜腺があり、虫を呼び寄せるということです。(インターネット:「なかなかの植物ルーム」参照) 

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(上の写真)左=ハナイカリ、中=タムラソウ、右=タチコゴメグサ

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(上の写真)左=ヒゴタイ、中=イブキボウフウ、右=トモエシオガマ

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(上の写真)左=シラヤマギク、中=ハクサンフウロ、右=ヤマハハコ

 シラヤマギク(白山菊)は、キク科。白い山菊の意味で、野菊をヨメナというのに対してこの山菊をムコナという地方もあるとのこと(長沢武著「野外植物民俗事苑」)。

 ヤマハハコ(山母子、ヤマホウコ)は、キク科。ハハコは江戸時代には、この草の葉と茎が白い毛におおわれており、それが「ほうけたよう」に見えたことから「ほうけたくさ➝ほうこぐさ」といわれ、これが転じて「ハハコグサ」になったという説があります。

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(上の写真)左=マツムシソウ、中=アキノキリンソウ、右=ワレモコウ

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(上の写真)左=お花畑の様子、中=ツリガネニンジン、右=ノコギリソウ