野楽力研究所

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神奈川県立東高根森林公園・・・平成31年4月21日

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 好天気に恵まれ、気温も上がり、草花が勢いづきました。ニリンソウヤマブキソウが満開を過ぎ、オドリコソウが満開、ホウチャクソウワスレナグサはこれからです。お奨めです。

(下の写真)左=エビネ。中=ホウチャクソウ。右=ウラシマソウウラシマソウ(浦島草)はサトイモ科。サトイモと同じような球茎をつけ、周囲に子球をつけるので、次の年、親の周りに群がって窮屈そうに咲いていることが多いです。マムシグサなどと同じように、若い時は雄性で、大きくなって子供が作れるような体力ができると雌性に性転換するそうです。浦島草の特徴は、浦島太郎がもっている釣り糸のようなものを仏炎苞が花柱を覆う前に、花柱の先端から伸ばし、葉の上に釣りをしているように載せていることです。

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(下の写真)左=オドリコソウ。中=ヤマブキソウ。右=ニリンソウオドリコソウ(踊子草)はシソ科。花のつき方が、笠をかぶった踊り子達が並んだ姿に似ているというので名づけられたといいます。草丈30㎝くらいの大形の草ですが、街中で生えているヒメオドリコソウは、このオドリコソウを可愛らしくしたものというので姫をつけて呼ばれています。

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(下の写真)左=ミツガシワ。中=キランソウ。右=ダイコンソウ。ミツガシワ(三槲)はミツガシワ科で200万年前の寒冷化した時に北半球で南下し、その後の温暖化に伴い、北海道や寒冷地に北上し、それが東京近辺など所々で取り残され、延命しているそうです。3小葉の複葉ですが、小葉が柏の葉に似ているので名づけられたということです。

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(下の写真)左=シャガ。中=イカリソウ。右=クサイチゴ。シャガ(射干)はアヤメ科。とても綺麗な花で、最初に出会った小学生の頃、見惚れてしまったのを覚えています。それ以来愛してきた花です。ところがシャガは中国から伝来したもので、しかも染色体数が3倍体のため種子ができず、人為的に増やしたクローンばかりだそうです。さらに単面葉(表面が裏面だけ)を持つ変わった草です。ネギは円くアヤメは平たい葉で、表と裏が分かりません。単面葉が解明されたのは、平成22年、日本人によってです。葉の裏側の性質を決める遺伝子が葉全体で働くことで裏側の性質しか持たなくなるというのです。ですから、アヤメ科のシャガも平らな葉の両面とも実は裏側ということです。とても面白いお話です(単面葉について=基礎生物学研究所)。

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(下の写真)左=シラユキケシ、手前にヤマアイの葉が2枚写っています。中=ワスレナグサ。右=ホソバオオアマナ。シラユキケシ(白雪罌粟)はケシ科。中国東南部高原地帯原産の多年生草本。初めて見た時には、白雪姫かと思うくらいの白さが緑の草の中で目立ち、印象的でした。それ以来、忘れられない花となりました。排水の良い半日影を好むようで、横に根を延ばし、思いもしない所で翌年花を咲かせます。

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