殿ヶ谷戸庭園(随冝園=ずいぎえん)はJR国分寺駅南口左方向徒歩2分。元は三菱財閥岩崎彦弥太氏の別荘、現在は都立庭園。岩崎彦弥太氏は常緑で枝の張るモッコクを一家繁栄の象徴としてこよなく愛し、モッコク庭園と言われるくらい300本ものモッコクを植えたそうです。国分寺崖線の自然景観を生かした回遊式庭園として自然の山野草も大切にされています。今日はカタクリや見にくかったですがキクザキイチゲが咲き始めていました。
(下の写真)左=庭園入口、中=雌花が咲いているフッキソウ、右=遅れて雄花が咲くフッキソウ。フッキソウ(富貴草)はツゲ科。花穂の下の雌花(先が2本に分かれている)が先に開き、遅れて先が4つに分かれる雄花が咲きます。フッキソウは常緑で根を広げて増えていくので、縁起が良く、富貴草と書かれている。花もよく見るとなかなか細やかで綺麗です。
(下の写真)待ちに待ったカタクリが咲きはじめました。カタクリ(片栗)はユリ科。種子がこぼれてから花が咲くまで7年かかると言われています。東京では北斜面に育つと言われていますがここでは西斜面です。日光の加減と保水の関係と思われます。
(下の写真)左=タチツボスミレ、中=キクザキイチゲ、右=イチリンソウ蕾。 タチツボスミレ(立坪菫:スミレ科)の坪は、庭や庭先を指す言葉だそうです。従って、ツボスミレは庭先に咲いているスミレということになります。タチ(立ち)はどうなるかですが、花が咲き終わった後に茎が伸び立つので名づけられたのではないかと想像します。牧野富太郎博士も最初はツボスミレと言っていたが、普及しているタチツボスミレに戻したと解説されています。
(下の写真)左=シュンラン、中=ヤマシャクヤク蕾、右=崖線上の庭園風景
(下の写真)左=崖線下になる次郎弁天池、中=セキショウ蕾、右=ヒメカンスゲ
(下の写真)左=トサミズキ、中=ダンコウバイ、右=キブシ