西武国分寺線鷹の台駅下車で徒歩3分で玉川上水鷹の橋に出ます。そこから玉川上水に沿って百石橋までを往復しました。写真を撮りながら2時間弱。遊歩道には、手はかけてありますが公園と違って自然の雰囲気が残っています。カエデ類は少なく、紅葉は少ないですが、多数の黄葉の間に見えたりして、引き立てられています。上水沿いは、林冠が高木に覆われているため中低木に光が届かず、実のなり具合がよくありません。上水の南側の道路に面したところでは日当たりがよく、ムラサキシキブやピラカンサの実が見事でした。今日の様子です。
(↑上の写真)左=出発点の鷹の橋、中と右=ミズキ(水木)、右=ミズキの枝の出方の特徴をとらえた写真(マツと同じように枝が輪生しています。)
ミズキ(水木)はミズキ科ミズキ属。別名クルマミズキ。「北海道、本州、四国、九州と朝鮮半島、台湾、中国からヒマラヤのアジア南部、南千島にまで分布する落葉高木。幹は直立し高さ10m位に達し、枝は輪状に出て横に広がる」ということです。木姿を見た時、枝が輪生状に平らに1段、2段と段階状に出ていたら、まず、ミズキと考えられます。別名がクルマミズキといわれるわけがこれで理解できます。この木は、樹液が多く春先に枝を切ると水がしたたり落ちる様子から水木と言われようになったということですが、「樹液に糖分を含んでおり、空気中の天然酵母が樹液中で繁殖して、違うカビ類が飛び込んでくるために赤くなる」という説明がありました。長くこの説明を疑問に思っていましたが、山梨県で平成30年(2018年)2月5日に根から3m残して伐採されたミズキが2か月後の4月17日に赤い樹液を赤い涙を流すように流れている様子を間近に見て、納得したことです。写真もあるのですがPCに機能が無く掲示できないのが残念です。(文中「牧野新日本植物図鑑」、「ウィキペディア」その他webを参照し、翻案引用したところがあります。)
(↑上の写真)左=上水沿いの遊歩道、中と右=武蔵野に多いコナラ、右=木肌
(↑上の写真)左=ヤマブキ(山吹)、中と右=イロハカエデ(イロハ楓)
(↑上の写真)左=上水にかかる水車橋、中と右=ミツバアケビ(三葉木通)
ミツバアケビ(三葉木通)はアケビ科アケビ属。落葉性つる性木本。日本と中国に分布し、日本では、北海道、本州、四国、九州の山地に生育。ふつうは落葉性ですが、葉は越冬する場合があります。葉は互生で長い柄があり3出複葉。葉は新しい蔓では互生し、古い蔓では短枝上に叢生します。雌雄同株、雌雄異花の植物で、花に花弁はなく、花弁状に見えるのは萼片ということです。木立のように見えましたが、よく見ると木の枝に巻き付いていました。葉は叢生しているところもあり、あれ?と思うところもありましたが、古い蔓では叢生するということで納得できました。名前の由来は、小葉が3枚あるのでミツバでアケビと同じ果実が成るのでミツバアケビとなったということです。アケビ(木通)の由来 は一説によると、アケビの蔓(つる)を切ったあと、断面から息を吹き込むと空気が通るから木通と書くようになったという説が紹介されています。因みにアケビという名前は、果実が熟すと縦にパカっと割れる様子から、開け実と呼ぶようになり、次第にアケビと変化していったという説も紹介されています。(牧野新日本植物図鑑・ウィキペディア・各種Webを参照翻案)
(↑上の写真)左=ヤツデ(八つ手)、中=カマツカ(鎌柄)、右=ムラサキシキブ(紫式部)
(↑上の写真)どれもヤマコウバシ(山香ばし)、中=特徴的な葉序、右=黒い実
(ヤマコウバシ上掲の中の写真)植物の葉のつき方の進化は、輪生から対生、続いてコクサギ型葉序を経て互生へと進化してきたと考えられているそうです。ヤマコウバシはコクサギ型葉序から互生に遷る進化の途中が見られるということです。上掲の中の写真はその様子を撮ったものです。
(↑上の写真)どれも常緑樹、左=シロダモ(白梻)、中=アオキ(青木)、右=カクレミノ(隠蓑)
カクレミノ(隠蓑)はウコギ科カクレミノ属。関東地方南部以西、四国、九州、琉球および台湾の暖帯林内に生える常緑小高木。上部に枝葉が茂り、下部は幹だけになって、全体に傘を広げたような樹形になる。葉は、枝先に互生する。3本の葉脈が特に目立つ。変異が多く稚樹の間は3 - 5裂に深裂するが、生長とともに全縁と2 - 3裂の浅裂の葉が1株の中に混在するようになる。古い葉は、新しい葉が出てくる春から夏にかけて黄色から黄褐色に黄葉する。秋にも多少散って落葉するが、落ち葉はすぐに褐色になる。上掲写真では落葉樹かと思ってしまいますね。和名隠蓑は3裂した葉形を蓑にたとえたものだそうです。(「APG牧野植物図鑑」、Web「ウィキペディア」、各種Web参照翻案)
(↑上の写真)どれも風景、右=上水南側の落ち葉の積もる遊歩道と車道
ピラカンサはバラ科トキワサンザシ属。Web「花と緑の図鑑」によると「ヨーロッパ南部~西アジア、ヒマラヤに分布する常緑低木。ピラカンサにはいくつか種類があり、単に「ピラカンサ」といった場合、実の美しいトキワサンザシやヒマラヤトキワサンザシやタチバナモドキなどが含まれる」ということです。田中修著「植物はすごい」によると「繁殖力が旺盛で、枝に硬く鋭い刺がある。「ピラカンサ」はギリシャ語で「ピル(火)」と「アカンサ(刺)」から成り立っている。実がたくさんなって火のようで刺が刺さると「目から火が出るほど痛い、刺のある木」という意味が込められている」ということです。写真のように大きくたくさん実をつけて、陽に映えている燃えているようでした。素晴らしさに思わずシャッターを切りました。(引用文はいずれも翻案しています)
(↑上の写真)左と中=ヤマザクラ(山桜)、中=木肌、右=エノキ(榎)
(↑上の写真)左と中=イヌシデ(犬四手・犬紙垂)、中=木肌、右=マンサク(満作)
イヌシデ(犬四手・犬紙垂)は、カバノキ科シデ属。別名シロシデ、ソネ。本州、四国、九州及び朝鮮半島、中国の暖帯から温帯の山野に生える落葉高木。イヌシデは、丘陵帯から山地帯に分布し、多くは二次林や山道の側などに生育する。樹皮は暗灰色で滑らか(上掲写真)。これから落葉した雑木林の中でこの木肌は白くよく目立つ。武蔵野の雑木林の一員で、材は薪炭、農機具、床柱に用いる。若芽・新葉に白い毛が多いので白シデとも呼ばれ、盆栽ではシデ類を総称して「ソロ」と呼ぶ。(「APG牧野植物図鑑」、各種Web参照翻案)
(↑上の写真)左=玉川上水を見下ろす、中=夕暮れの遊歩道、右=折り返し点の百石橋