野楽力研究所

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入笠すずらん山野草公園・・・令和4年6月23日

 (長野県)冨士見パノラマリゾートの山麓駅(標高1050m)からゴンドラに乗って山頂駅(標高1780m)で下りると天空の花園という感じの「入笠(にゅうかさ)すずらん山野草公園」です。ニッコウキスゲマイヅルソウなどが迎えてくれます。珍しい釜無ホテイアツモリソウ、キバナノアツモリソウ、イチヨウランが見られるのはこの時期をおいてありません。ぜひ、この時期に訪れたいです。今日の様子です。

(↑上の写真)左=ゴンドラ、中と右=ニッコウキスゲ

(↑上の写真)いずれもマイズルソウ

(↑上の写真)左と中=釜無ホテイアツモリソウ、右=霧に包まれた「恋人の聖地」

  釜無ホテイアツモリソウ(釜無布袋敦盛草)は、入笠すずらん山野草公園の掲示板によると「長野県諏訪郡富士見町の西域、南アルプス山系釜無山や入笠山に自生し、紅い花を咲かせるラン科アツモリソウ属の多年草。野生での絶滅の危険性が極めて高い絶滅危惧ⅠA類に区分されています。本州で生育が確認されている県は長野県、山梨県福井県だけであり、長野県内では富士見町だけ。県内唯一の観賞ポイントと言えます。富士見町は豊かな自然環境を未来に引き継ぐために、住民一丸となって山野草保全活動に積極的に取り組み、アツモリソウの保護活動を通じて富士見町の自然環境・生物多様性を守る活動を推進しています」ということです(一部翻案)。アツモリソウは平敦盛(赤色、平家)クマガイソウは熊谷直実(白色、源氏)に因んでいますが、一の谷の合戦で熊谷直実が平山季重と先陣争いをしたとき、平敦盛を組み伏せて首級を取ったといわれます。この花は、その時の互いに背負っていた母衣(ほろ)に見立てて名づけられたといいます。

(↑上の写真)いずれもキバナノアツモリソウ

(↑上の写真)いずれもイチヨウラン(一葉蘭)左=つぼみ、中と右=花 

 イチヨウラン(一葉蘭)はラン科イチヨウラン属。別名:ヒトハラン。APG牧野植物図鑑スタンダード版によると「北海道、本州の主に太平洋側、四国、九州、および南千島に分布し、亜高山帯の針葉樹林に生える多年草。根茎は一成長期に1本だけが伸びる。葉は多肉で光沢は無い。花茎には鞘状葉が2枚付く。花は春から初夏。和名は、毎年葉が一枚付くことからいう」とあります(一部省略翻案)。

(↑上の写真)左=ズダヤクシュ、中=コバノイチヤクソウ、右=ベニバナイチヤクソウ

(↑上の写真)いずれもヤグルマソウ、右=開き始めた花

 ヤグルマソウ(矢車草)はユキノシタヤグルマソウ属。APG牧野植物図鑑スタンダード版によれば「北海道、本州、及び朝鮮半島に分布し、山地帯から亜高山帯の日の差し込む林内や谷間に生える多年草」という(一部翻案)。庭に植える紫やピンクの花の園芸種の矢車草は正式には矢車菊といわれるもので上掲写真のヤグマソウが正式の矢車草です。Web「ウィキペディア」によると「ヤグルマギク矢車菊)はキク科ヤグルマギク属。ヨーロッパ原産で、もとは麦畑などに多い雑草だったが、園芸用に改良され、現在の品種が作られた。近年一部でヤグルマソウとも呼ばれた時期もあったが、ユキノシタ科のヤグルマソウと混同しないように現在ではヤグルマギクと統一されて呼ばれ、最新の図鑑等の出版物もヤグルマギクの名称で統一されている」ということです(一部翻案)。ですから、山に生えているユキノシタ科のものはヤグルマソウで庭に植えているキク科のものはヤグルマギクと呼ぶようにお願いします。

(↑上の写真)左と中=グンナイフウロ、右=アヤメ

(↑上の写真)左と中=キバナノヤマオダマキ、右=オオヤマフスマ

(↑上の写真)左と中=サラサドウダン、右=ミヤマニガイチゴ