野楽力研究所

近くの自然で野楽力を高めましょう

都立平山城址公園・・・令和4年5月18日

 久し振りの青空に惹かれて、自然観察に出かけました。エゴノキが最後の花を咲かせていました。エゴノキの落花が園路のあちこちに散り敷かれています。また、オカタツナミソウが群落を形成し、園内いたるところに花を咲かせています。光合成を行わない珍しい植物「オニノヤガラ」が咲いていました。今日の様子です。なお、隣接する東京薬科大学植物園は、火・木は開園しているそうです。

(↑上の写真)左=西園入口、中と右=エゴノキ

(↑上の写真)左=ガマズミ、中=マルバウツギ、右=コゴメウツギ

(↑上の写真)左=オカタツナミソウ、中=オカタツナミソウの群生、右=ニガナ

 オカタツナミソウ(丘立浪草)はシソ科タツナミソウ属。APG牧野植物図鑑スタンダード版によれば本州と四国の丘陵地の木陰に生える多年草ということですから、九州、北海道の方にとっては珍しい草花ということになります。シソ科なので茎に触れてみると四角く角張った茎の様子でシソ科と分かります。ここの都立公園にはたくさん咲いていますが、東京区部では絶滅、東京多摩地区では絶滅危惧Ⅱ類ということです。貴重種ということになりますね。

(↑上の写真)左=ドクダミ、中と右=ヘビイチゴの花と実

(↑上の写真)左と中=ハルジオンの白花と赤花、右=オオジシバリ

(↑上の写真)左=キツネアザミ、中=アメリカフウロ、右=園内風景

(↑上の写真)左=オニノヤガラ、中=スイカズラ(ニンドウ)、右=マムシグサ

 オニノヤガラ(鬼の矢幹・鬼の矢柄・鬼の簳)はラン科オニノヤガラ属。APG牧野植物図鑑スタンダード版によると北海道から九州、および台湾、中国の温帯から暖帯にかけて分布し、山野の林内に生える多年草で、花茎は高さ1m位になるものもあるそうです。各種Webによれば、本種は光合成を行わずナラタケから栄養提供をうけて生活する菌従属栄養植物なので、本種のみを単独で鉢植えなどにすると栄養の供給が断たれて衰弱枯死するそうです。キンランなどのラン類と同じで、盗掘して持って帰っても育たないと言われるのは、そのためです。本種は塊茎をつくるランで、この塊茎は、開花した年に消滅するそうですが、表面に小さな芽を生じ,その芽が数年間地中で生育肥大した後,再び花茎を伸ばして花をつけるそうです。

(↑上の写真)左=ギンラン、中と右=トウバナの花と種子

(↑上の写真)左=ムラサキツメクサ、中=シロツメクサ、右=ノアザミ

(↑上の写真)左=キツネノボタン、中=ヤブレガサ、右=タチツボスミレの閉鎖花

(↑上の写真)左=ウグイスカグラの実、中=エノキの実、右=ヒイラギナンテン

(↑上の写真)左=イヌワラビ、中=フモトシダ、右=ミゾシダ