野楽力研究所

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多摩森林科学園・・・令和4年5月15日

 多摩森林科学園は中央線高尾駅下車、北へ徒歩7・8分のところにあり、園内標高は高い所で288m、7haの園内に樹木約500種、6000本が植栽されている樹木園です。桜を各種揃えていることで有名です。この時季、花の少ない時でしたが、日本固有種サンショウバラが咲いています。バラの野生種にしては大きめの花を見ることができました。春のアザミとしてノアザミが咲きはじめました。今は訪れる人も少なく、ゆっくり観賞することができます。今日の様子です。

(上の写真)左=森林科学館、中=サンショウバラの花、右=サンショウバラのつぼみ

 サンショウバラ(山椒薔薇)はバラ科バラ属。Web:ウィキペディアなどによると神奈川県、山梨県および静岡県にまたがる富士箱根地区の山地に分布している日本固有種。絶滅危惧Ⅱ類。幹は太く、高さは1~5mになる落葉小高木。花は5月~7月頃、 枝先に直径5cmほどの一重の薄ピンク色の花が一輪ずつ開き、咲いた当日あるいは翌日には散っていく。枝は6月頃よく分枝し、稲妻形に屈曲し、扁平な強い刺がある。葉は奇数羽状複葉。和名の由来は、葉がサンショウ(山椒)の葉に似ているため、という。

(↑上の写真)左=ノイバラ、中=オカタツナミソウ、右=エビネ

(↑上の写真)左=フタリシズカ、中=ニガナ、右=ヤブレガサ

(↑上の写真)左=ノアザミ、中=キツネアザミ、右=コウゾリナ

(↑上の写真)左=イヌガラシ、中=ヤブジラミ、右=ジシバリ

 イヌガラシ(犬辛子)はアブラナ科イヌガラシ属。APG牧野植物図鑑スタンダード版によると日本各地、及び朝鮮半島、中国、インドの温帯から熱帯に分布する多年草で、花は春から夏という。花弁はアブラナ科なので4枚で十字形につく。黄色で、長さ3mmくらい。果実は長さ1~2cmの長角果(細長くて菜種のさやのように縫合線がついているもの)。和名は雑草で辛くなく、食用にならないからという。有川浩著『(小説)植物図鑑』に(さやかがイツキに教えてもらっています)「こっちがイヌガラシ、こっちがスカシタゴボウ」「分かんないってば!」「茎の色が違うだろ。茎が、黒っぽい方がイヌガラシ」指摘されてから見比べてみると、たしかにスカシタゴボウの方は茎の色が明るい緑だ。それを踏まえて葉を見直すと、葉の緑もイヌガラシの方が濃いようだ。「でも外で見たら自分じゃ絶対区別つかない……」とさやかは拗ねるのです。(さやかが見知らぬ青年イツキを部屋に上げたのが二人の植物談義関係の始まりでしたね。)

(↑上の写真)左=ガクウツギ、中=マルバウツギ、右=コゴメウツギ

(↑上の写真)左=ガマズミ、中=アスナロ、右=アスナロの葉裏の斑紋

(↑上の写真)左=ミヤマウグイスカグラの実、中=バイモの実、右=深く緑に包まれる園内

(↑上の写真)左=コバノヒノキシダ、中=ヤマイタチシダ、右=ゼンマイ

(↑上の写真)左=コシダ、中=ウラジロ、右=ゲジゲジシダ

(↑上の写真)左=イノデ、中=ベニシダ、右=ミゾシダ