野楽力研究所

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東京都薬用植物園・・・令和4年4月28日

 ヒトツバタゴ(ナンジャモンジャノキ)は今日が満開でした。甘いバナナの香りを漂わせるカラタネオガタマは一輪二輪咲き始めたところでした。雑木林ではキンランがたくさん増えていました。ササバギンランも数株見事に開花していました。ハクウンボク白雲木)が白雲を漂わせている様、とはいきませんでしたが、立派に花をつけ、白雲たなびく様子を窺わせてくれていました。今日の様子です。

(↑上の写真)左=薬草植物園入口、中と右=ボタン

(↑上の写真)左と中=ヒトツバタゴ(ナンジャモンジャノキ)、右=ベニバナトチノキ

(↑上の写真)左と中=カラタネオガタマ、右=ハナヒョウタンボク

 カラタネオガタマ(唐種招霊)はモクレンモクレン属。別名トウオガタマ(唐招霊)。Web「ウィキペディア」によると「今までオガタマ属に分類されることが多かったが、2022年現在ではふつうモクレン属に分類される。中国東南部に分布し、日本へは江戸時代に渡来したといわれる。日本では、オガタマノキと同様に、神社に植えられていることも多い」という。Web「BOTANIKA」によると「樹高は4メートルほどで、日本原種のオガタマノキが20メートルを越えて育つのに比べると小ぶり。庭植えや生垣に利用されることも多い。花はモクレン科なのでモクレンを小ぶりにしたような花形。開花時期にはバナナのような甘い香りを漂わせる。中国名は「含笑花」、花びらが全開しない含み笑いのような花の形からきているといわれる」(一部翻案)ということです。花の香りはこの木の周辺に漂っています。この機会にぜひ味わってください。

(↑上の写真)どれもハクウンボク白雲木

 ハクウンボク白雲木)はエゴノキエゴノキ属。APG牧野植物図鑑などによると日本全国と朝鮮半島、中国の温帯に分布する落葉高木という。葉は径10~20cmと大きい心臓形。大きな団扇という感じです。この葉の大きさと形が特徴です。花はエゴノキ科なのでエゴノキの花に似ていますが、総状花序(そうじょうかじょ)と言われる総状(=房状=ふさじょう)に20個ほどの花をつけます。和名白雲木は樹上に白い花が満開になった様子を白雲に見立てたものという。どうでしょうか。

(↑上の写真)左=白花コバノタツナミ、中=紫花コバノタツナミ、右=フタリシズカ

 コバノタツナミ(小葉立浪)はシソ科タツナミソウ属。タツナミソウの草丈が20~40cm に対し、コバノタツナミは20cm ほどしかありません。花びらは長さ約2cm、基部は直角に曲がって直立しています。その花の重なり具合が、丁度、葛飾北斎の「富嶽三十六景神奈川沖浪裏」の絵を思い出させないでしょうか。立波ではなく立浪であるところがこの花に相応しいですね。花色は白やピンク、紫色などがあるようです。葉はハート形?で小さいところも可愛らしいです。

(↑上の写真)左=エビネ、中=ケキツネノボタン、右=チョウジソウ

(↑上の写真)左=ウマノアシガタ、中=サクラソウ、右=ヒメフウロ

(↑上の写真)左=キンラン、中=キンランの群生、右=ササバギンラン

(↑上の写真)左=ガクウツギ、中=ケウツギ、右=コゴメウツギ

(↑上の写真)左=オトコヨウゾメ、中=キケマン、右=クサノオウ

 オトコヨウゾメ(男ヨウゾメ)はレンプクソウ科ガマズミ属。APG牧野植物図鑑スタンダード版によると「本州、四国、九州の山地に生える高さ1~3mの落葉低木。樹皮は灰褐色。若枝は赤紫色、若い時には長毛がある。葉は長さ3~7cmで薄く、乾けば黒くなる。花は晩春、2枚の葉のある枝の先に長さ1~2cmの柄を出し、花を数個垂れ下がらせて咲く」という(一部翻案)。牧野新日本植物図鑑によると「日本名は意味不明であるが、ガマズミ類をヨウドメ、ヨウゾメなどという地方があり、それの果実が大きくて食べられるのに比べると、本種は全く痩せていて食用にならないのでオトコの字を冠せたのではないかと思われる」とあります。Web:「ARBORETUM」には、「ガマズミをヨウゾメ、ヨーゾメ、ヨゾメと呼ぶ地域(例えば伊豆半島地方)がある」とあります。しかし、果実がガマズミと違って痩せていて食用にならず、役立たないということで「用済み」。用済みといえば男を連想して「男用済み」と揶揄していたのが、語源ではないでしょうか。あからさますぎるので「オトコヨウゾメ」と言ったのではないか。無理でしょうか。こういう議論をすると植物の名前に親しみが持て、興味を持って覚えやすくなりますね。

(↑上の写真)左=ツルウメモドキ、中=ホタルカズラ、右=園内風景

(↑上の写真)いずれも外来種、左と中=ネモフィラ、右=オオミサンザシ

【↓以下、温室にて】

(↑上の写真)左と中=オオベニウチワ、右=カカオ

(↑上の写真)左=ブーゲンビリア、中=スパシフィラム、右=トウワタ

 温室の植物は熱帯の植物が多いですが、色彩が急に豊かになりますね。