野楽力研究所

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高尾遊歩道梅林→駒野木庭園→小仏関跡→蛇滝→日影・・・令和4年3月21日

 区内の梅林は終わりを迎えている頃、裏高尾の梅は今が花盛りです。今日は無風の心地よい天候に恵まれ、花も散らずに満開の姿を見ながら自然観察しました。片道2時間ほどです。ヨゴレネコノメ、ハナネコノメキクザキイチゲ、ユリワサビが綻びていました。今日の様子です。

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(↑上の写真)京王線高尾山口とJR高尾駅の中間点上椚田橋から入る遊歩道梅林の様子。今日が満開です。

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(↑上の写真)遊歩道梅林の様子。 左と中=紅梅、右=白梅

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(↑上の写真)駒野木庭園にて 左=日本庭園、中=サンシュユ、右=ハナモモ

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(↑上の写真)左=小仏関跡碑、中=関跡の様子、右=関跡のサンシュユは今が満開。

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(↑上の写真)左=ヨゴレネコノメ、中=ハナネコノメ、右=ユリワサビ

 ヨゴレネコノメ(汚れ猫の目)はユキノシタ科ネコノメソウ属。沢沿いや斜面のやゝ暗い湿ったところに群生。暗い中にあって驚くほど明るい黄色の苞葉に惹きつけられます。その外側の個性的な色をした厚ぼったい葉との対比がすばらしいです。ヨゴレとついているのはこの汚れている?感じの葉のことを言ったという説があります。ネコノメ(猫の目)というのは、蒴果(さくか=種子の入った袋・実)の閉じ口(縫線)のある蒴果のようすが猫の目のようだから、というのがもっとも一般的な説です。吉野光子共著「花のハイキング」高尾・陣馬篇には、「ネコノメの名は熟した実が割れた様子が猫の目に似ていることから」とあります。花が終わると蒴果ができますので確認してみてください。ハナネコノメのネコノメの名づけも同様です。

 ユリワサビ(百合山葵)はアブラナ科ワサビ属。日本全国の山地の谷沿いや湿気の多い森林中に生える小形の多年草。葉柄の基部が肥厚する鱗茎葉をもち、鱗茎葉は落ちて新苗となる。茎先に短い総状花序を出し、有柄で白色の小さな十字状花を疎らに開く。ワサビと同じワサビ属なので同じ香味を持つのでワサビの名がついているが根茎はワサビのようには太くならない。冬に葉柄下部(茎と接続する部分)がユリの鱗茎のようになることからユリの名がついたという。(各種図鑑、Web参照)

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(↑上の写真)左=日影バス停、中=小下沢の流れ、右=立派だった木道も朽ちて通行不能となり、もとの沢沿いの小径を通る。

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(↑上の写真)左=キクザキイチゲ、中=ジロボウエンゴサク、右=セントウソウ

 セントウソウ(仙洞草)はセリ科セントウソウ属。セントウソウ属にはこの草一種ということで一属一種の日本固有種ということです。日本国中に分布し、山野の林縁などに生える多年草。春の先頭を切って咲くので先頭草かと思っていましたが、仙洞草でした。上皇がお住いの御所を仙洞=世を超絶された仙人が住まわれる所という意味合いで仙洞御所と呼ばれますが、その御所に生えていた草と言うことでしょうか。

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(↑上の写真)左=オキナグサ、中=ニリンソウ、右=カンスゲ

 オキナグサ(翁草)=キンポウゲ科オキナグサ属。APG牧野植物図鑑スタンダード版によると、日本、朝鮮半島、中国の温帯から暖帯の日当たりの良い山野に生える多年草。写真のオキナグサは道路に面した人家の南に面した石垣に生えていました。毎年ここで株を大きくしています。草全体に白い毛が密生しています。和名翁草の由来は、種子ができる時に白い毛が密生する宿存性の花柱(めしべ)の集まる状態が老人の白髪のように見えるためということです。(その頃訪れて見てみたいですね。)

 カンスゲ(寒菅)はカヤツリグサ科スゲ属。日本原産の常緑多年草で各地の樹陰や山地の水辺に多く見られる強壮な多年草。冬でも艶のある堅い葉を多数根生させ、常緑で表面はやゝ光沢があって硬く、縁はざらついている。春に葉の間から多くの花茎をたてて先端に1個の雄小穂、その下に雌小穂を数個つける。スゲは清浄の意味でカンスゲ(寒菅)は冬の清浄を表しているようです。(各種Web参照)

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(↑上の写真)左=アブラチャン、中=トサミズキ、右=ミツマタ

 アブラチャン(油瀝青)はクスノキ科クロモジ属。本州から九州の山地でやや湿ったところに生える落葉低木。3~4月、葉に先立って淡黄色の小さな花を散形状に付ける。雌雄異株。雌花序には3~4個の雌花がつき、雌花には花被片が6個、葯のない仮雄蕊(仮雄しべ)9個、雌しべが1個あり、子房は球形。果実は直径約1,5cmの球形。雄花序には3~5個の雄花がつき、雄花には花被片が6個、雄しべが9個ある。アブラチャンのチャンは瀝青(れきせい=コールタール、ピッチ)のこと。昔、果実や樹皮の油を灯用にしたことによる。果実や樹皮に油が多く、良く燃えるから油と瀝青(チャン)をあわせた名という。(各種図鑑、Web参照)