野楽力研究所

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高幡不動尊境内・・・令和3年12月4日

 紅葉の季節が終わろうとしています。急いで高幡不動尊境内に紅葉狩りに行きました。ここは夏にはアジサイ、秋にはもみじで有名です。野楽力研究所としては歴史のあるお寺ですので、シダ植物もその種類が多く、シダ観察も楽しみの一つです。今日のもみじ、シダの様子です。

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(↑上の写真)左=高幡不動尊、中=マンリョウ、右=センリョウ

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(↑上の写真)左=サザンカ、中=ヤマハギ(白、稀)、右=オオハナワラビ

 オオハナワラビ(大花蕨)はハナヤスリ科。この時季、場所によって、同じようなオオハナワラビとフユノハナワラビ(冬花蕨)が観察できます。高幡不動尊境内では、鐘楼の西斜面に昨年はオオハナワラビがたくさん見られましたが、今年は下草刈りがされていて、その部分では見られませんでした。写真を撮ったところで2株が観察できました。村田威夫共著『シダ植物』では、「オオハナワラビは夏には姿を消してしまう冬緑性で、やや湿った林床に秋から冬にかけて芽を出す。根茎は短く、肉質の根で、この短い根茎から1本の柄(え)を地上に伸ばし、その先に一枚の栄養葉と1本の胞子葉をだす」そうです。栄養葉は光合成を行い、胞子葉は胞子をつくります。年に、この2本しか生じないので、これを刈り取られると増えることができません。大花蕨、冬花蕨とも葉身は五角形で、3回羽状に深裂することは、同じですが、大花蕨の栄養葉の裂片葉縁には目立つ鋭鋸歯がついているのが区別点です。

(↓下の写真=もみじの様子)

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(↓下の写真=シダ各種)

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(↑上の写真)左=ヤブソテツ、中=フモトシダ、右=リョウメンシダ

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(↑上の写真)左=ミゾシダ、中=ミゾシダの葉裏、右=イヌワラビ

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(↑上の写真)左=イワガネソウ、中=ミドリヒメワラビ?、右=ヒメワラビ

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(↑上の写真)左=イノデ、中=イノモトソウ、右=オオバノイノモトソウ

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(↑上の写真)左=ジュウモンジシダ、中=ジュウモンジシダ(タマシダのように見えるが)、右=タチシノブ

 ジュウモンジシダ(十文字羊歯)は、オシダ科 イノデ属。日本全土や朝鮮、中国の山地の林床に生えるという。葉軸の一番下の羽片が羽軸を伸ばし、葉軸と同じように左右に羽片を持ち、葉軸と同じような単羽状の葉を付けています。葉の付き方が同じような3軸が3方向に出ているのでその形が十文字のように見えるの(上の左の写真)が、このシダの特徴ですね。上の中の写真で「タマシダのように見える」というのは、一番下の羽軸が見にくく、葉軸だけが長く見えて、タマシダのように見えてしまいました。タマシダは西南日本沿岸部の温かい地方に自生しているので高幡不動尊境内では自生は無理でしょう。

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(↑上の写真)左=ゼンマイ、中=ゲジゲジシダ、右=カタヒバ