野楽力研究所

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国立昭和記念公園・・・令和3年11月14日

 晩秋を迎え、空気は乾燥し爽やかな秋晴れの日が続いています。桜の葉はすっかり落葉し、イイギリの赤い実が青空に映えます。サザンカの花が今、咲き誇っています。木々の黄葉、紅葉が美しい。今日の昭和記念公園の自然の様子です。

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(↑上の写真)左=園内風景、中=イイギリの実、左=サネカズラ(ビナンカズラ)の実

 イイギリ(飯桐)はヤナギ科(いままではイイギリ科)イイギリ属。APG牧野植物図鑑などによると、「本州から琉球列島、台湾、中国に分布する落葉高木。樹皮は灰白色、枝は大きく放射状に開出、葉は長さ10~20cmで秋に黄葉する。花は晩春、たくさんの花が房状に集まって垂れ下がる。花弁は無く雌雄異株。果実は赤く美しい。大きな葉が昔、食器代わりに飯(おこわ)を包むのに使われたことから、イイギリ(飯桐)と名付けられた」という。

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(↑上の写真)左・中=サザンカ、右=ツワブキ

 サザンカ山茶花)はツバキ科ツバキ属。『APG牧野植物図鑑』などによると四国、九州、琉球列島の日当たりの良い山地に生える常緑小高木。若枝、葉柄、葉裏の脈上に細毛があるのが特徴。花は、野生では白色だが園芸種には各種ある。山茶花の漢字を当てるが、漢名ではない。湯浅浩史著『花おりおり」によると「サザンカの名は江戸時代以前には無い。元禄時代頃、中国でツバキを指す山茶花(さざんか)から転訛したもの。サザンカは日本の特産種。佐賀県の千石山には天然記念物の純林がある。江戸時代以前は材が硬い「カタシ」(ツバキ)より小型なので「ヒメカタシ」や「コカタシ」と呼ばれていた」という。江戸時代以前はサザンカは「ヒメカタシ」と呼ばれていたというのです。サザンカに遅れて咲くのがカンツバキ(寒椿)でこれは矮性(低い生垣など)。そのうち背の高いのが「タチカンツバキ(立寒椿)」。

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(↑上の写真)黄葉、左=イチョウメタセコイア、中・右=ハクウンボク 

 ハクウンボク白雲木)はエゴノキエゴノキ属。(APG牧野植物図鑑)などによると日本全国と朝鮮半島、中国の温帯に分布する落葉高木。葉は径10~20cmと大きな心臓形、裏面に白い細毛がある。エゴノキ科なので主芽、副芽があり、コブシに似た樹皮。樹形は、コブシは縦に伸びるが、ハクウンボクは横に枝を張る。落葉するまで丈夫な葉柄の中に主芽、副芽が保護されている。これを葉柄内芽といい、裸芽なので芽鱗が無く、芽=幼葉に細毛が生えている。葉柄が筒状になっているのがハクウンボクで、空隙がなく充実しているのがコブシ。参考までにプラタナスの葉柄はハクウンボクと同じく筒状になっている。花は晩春、エゴノキのような花を鈴なりにつける。和名白雲木は樹上に白い花が満開になった様子を白雲に見立てたものという。

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(↑上の写真)紅葉、左=オオモミジ、中=エビヅル、右=ニシキギ(枝に翼あり)

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(↑上の写真)園内風景寸描、左=こもれびの丘、中=ドラゴンの砂山、右=パンパスグラス(シロガネヨシ)