白馬五竜高山植物園は北アルプス南端に位置しています。駐車場の「とおみ駅」からテレキャビンで8分、1515mの山頂「アルプス平駅」に到着すると、目の前に高山植物のお花畑が広がっています。この時季、たくさんの高山植物が花を咲かせて出迎えてくれます。今日の様子です。
(↑上の写真)左=とおみ駅、中=テレキャビンからの眺め、右=アルプス平駅前のお花畑
(↑上の写真)左=お花畑、中=ヤナギラン群落、右=ヤナギランの花
(↑上の写真)左=カライトソウ、中=カライトソウ群落、右=ヤマジノホトトギス
(↑上の写真)左=シナノナデシコ、中と右=色違いのタカネナデシコ
シナノナデシコ(信濃撫子)はナデシコ科ナデシコ属。信州(信濃)を中心に中部地方の山地の高原や河原などの礫地に生える多年草。ここ高山植物園の説明板によると「国内でも長野県内に多く長野県のものが基準標本とされる日本固有の種です。学名にもシナノがついています。可愛い姿ながらも、石の多いところに生育する強い植物でもあります」ということです。因みに学名は「Dianthus shinanensis」。この花の名前を知るまでは、園芸種の中国原産の茎の先に花がたくさんつくナデシコの仲間のセキチクのようなので、すっかり「支那のナデシコ」と思っていました。日本固有種なんですね。
(↑上の写真)左=シモツケソウ群落、中=シモツケソウ、右=タテヤマウツボグサ
(↑上の写真)左=キンコウカ、中=コマクサ、右=ハクサンフウロ
(↑上の写真)ハンショウヅルの左=花、中=花の内部、右=実
(↑上の写真)左=コオニユリ、中と右=色違いのヤマホタルブクロ
(↑上の写真)左=ヒメシャジン、中=ミヤマママコナ、右=マツムシソウ
(↑上の写真)左=カワミドリ、中=チングルマ、右=ヤマルリトラノオ
ヤマルリトラノオ(山瑠璃虎尾)は、今まではゴマノハグサ科クワガタソウ属でしたが、APG新分類ではオオバコ科クワガタソウ属になっています。Web「花図鑑」によると、本州の東北地方から近畿地方の日本海側に分布し、山地から亜高山の草地に生える日本固有の多年草ということです。白馬五竜は日本海側に属し、ここでは植栽されたものですが、土地があっているようで生き生き育っています。近くにクガイソウの群落があり、はじめクガイソウと思っていましたが、どう見ても花穂がたくさんついており、葉も輪生していないので、クガイソウではないようだと思い、作業の方に訊いてみました。「ヤマ・ルリ・トラノオ」ということでした。トラノオの仲間はサクラソウ科、クガイソウの仲間はオオバコ科。ここのヤマルリトラノオはトラノオとつきますがオオバコ科。分類はややこしいですが、立派な草姿でした。
(↑上の写真)左=お花畑奥の地蔵ケルン、中と右=ヨツバヒヨドリ