野楽力研究所

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御岳山・・・令和3年7月16日

 御岳山へ梅雨が明けることを見越して訪ねました。ケーブルで上り、岩石園、綾広の滝から、下山は山道を下りました。この時期はまだ花の端境期で花の数は少ないですが、ヤマアジサイ、クサアジサイ、そして、とても地味でいながら不思議さを醸すムラサキニガナを見ることが出来ました。レンゲショウマは堅い蕾でした。ヒグラシがなきはじめました。今日の自然の様子です。

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(↑上の写真)左=参道の様子、中=ヤマユリ(ほとんどは蕾)、右=ヤブカンゾウ

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(↑上の写真)左=ヤマアジサイ、中と右=クサアジサイ

 クサアジサイ(草紫陽花)はアジサイ科クサアジサイ属。ウィキペディアによると日本固有種で、本州(太平洋側は宮城県以南・日本海側では新潟県以西)、四国、九州(大隅半島以北)に分布し、やや湿った林床または岩上、山地の木陰などに生育する、とあります。ここではやや湿った林床に生えていましたから、その通りと思います。クサアジサイを知らなかったときは、小さなヤマアジサイと思って見過ごしていましたが、ヤマアジサイの葉は対生ですが、クサアジサイは互生です。装飾花の花弁のような萼片は、ヤマアジサイでは4枚ですが、クサアジサイは3枚です(装飾花のないものもあるそうです)。ヤマアジサイは木本ですがクサアジサイ草本です。よく観察してみると確かに随分違い、それ以後、見違えることは無くなりました。日本固有種ということであれば大切にしたいですね。

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(↑上の写真)左と中=園芸種アジサイ、右=ハマナス

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(↑上の写真)左=イワタバコ、中=オオバジャノヒゲ、右=キツリフネ

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(↑上の写真)左=フタリシズカ、中=ヒメフウロ、右=クサノオウ

 フタリシズカ二人静)はセンリョウ科チャラン属。日本各地の山地や林野に生える多年草。葉は輪生のように見えますが対生。この時期、再び小さな花をつけているように見えます。しかし、これは閉鎖花だそうです。植物にとっては安全牌というわけです。開花せずに着実に自家受粉して子孫を増やす戦略です。

 ヒメフウロ(姫風露)はフウロソウ科フウロソウ属。APG牧野植物図鑑Ⅱによると「北半球と南アメリカの温帯に広く分布し、愛知、三重、滋賀の各県、四国剣山の石灰岩地に生える越年草」ということです。一見帰化植物のように見えます。石灰岩地に生える在来種ということです。似たものが「姫フウロウソウ」という名で販売されているそうです。在来種は、花弁に2本の紅色の筋があることが区別点です。

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(↑上の写真)左=フタバハギ(タニワタシ、ナンテンハギ)、中と右=ムラサキニガナ

 ムラサキニガナ(紫苦菜)はキク科ムラサキニガナ属。本州、四国、九州の山地の半日陰に生える多年草。一見、草姿はアキノノゲシのようですが、紫色の花、しかもノゲシと違ってちょっと恥じらうような俯き加減の花の様子。高尾山の4号路でも見られます。株数は少ないので見落としてしまいがちです。今回御岳山では、下山道で見られました。

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(↑上の写真)左=ギンバイソウ(まだ蕾)、中=キハギ、右=ユキノシタ

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(↑上の写真)左=ハリガネワラビ、中=ジュウモンジシダ、右=ホラシノブ

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(↑上の写真)左=天狗岩、中=綾広の滝、右=天狗の腰掛け杉