野楽力研究所

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都立桜が丘公園・・・令和3年7月14日

 山百合が一株咲いていました。その他は地味な草花でしたが、それぞれこの雨の多い時期に花を咲かせることにどんな意味を見つけているのでしょうか。ニイニイゼミと鶯の鳴く声を聞きながらの2時間ほどの自然観察でした。今日の様子です。

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(↑上の写真)左=五賢堂、中と右=アキノタムラソウ

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(↑上の写真)左=ヤマユリ、中と右=ミズタマソウ

 ミズタマソウ(水玉草)はアカバナ科ミズタマソウ属。山野の日陰または半日陰に生える多年草。この時季に咲き、果実ができるので、その毛の生えた果実に雨水がついて水玉のようだから水玉草と名づけられた、と思って、その様子を想像していました。雨模様の今日の観察は絶好のチャンスと思いました。しかし、そうではなく、もともと丸い果実(たね)に白い毛が生えている様子が水玉のようだというものでした。上の写真は、雨水を含んでいませんが、それでよいのだ、ということです。

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(↑上の写真)左と中=ニガクサ、右=ダイコンソウ

 ニガクサ(苦草)はシソ科ニガクサ属。日本各地に分布し、山野のやや湿った草地に生える多年草。名に比して苦みはないが、山菜や薬用にはならない、そうです。茎の先に花穂を出し、基部から分枝して複総状になる。花の上唇は小さく、下唇が大きい唇形花で、淡紅色。この淡紅色の花は可愛らしいですが、しばしば虫こぶ(虫癭=ちゅうえい)ができて、台無しになってしまいます。見つけ次第、花穂ごと取り除き、拡散しないようにします。

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(↑上の写真)左=キツリフネ、中と右=ヌスビトハギ

 キツリフネ(黄釣船)はツリフネソウ科ツリフネソウ属。日本各地の山地の湿地や水辺に生える1年草。花が紫色のツリフネソウに対して黄色なのでキツリフネ。和名は、花を横から見たところが、船を吊り下げたようなので、ツリフネソウ(釣船草)と云われます。開花前に、通常の「開放花」に先がけて「閉鎖花」をつけます。花を開かず閉鎖花によってまず、確実に自家受粉による種子を作っておこうということです。開放花は、6月〜9月に開花し、雄しべが雌しべより先に成熟する「雄性先熟」で、両者の成熟する時期をずらすことで、他家受粉でDNAの多様性を図るようにしているということです。なお、発芽率はとてもいいのですが、庭などでは水が足りないようで、期待に反し閉鎖花のみで終わることが多いです。

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(↑上の写真)左=ミズヒキ、中=ギンミズヒキ(白花のミズヒキ)、右=ヤブガラシ

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(↑上の写真)左=イヌガラシ、中=オニドコロ、右=セリ

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(↑上の写真)左=シモツケ、中=うぐいすの道、右=山の越の道